売掛金(うりかけきん)とは?

売掛金(うりかけきん)とは?

売掛金(うりかけきん)とは、客や取引先の会社に、掛取引(いわゆる“ツケ”)で商品を売ったときに発生する、「代金を受け取る権利のことです。別名、売上債権とも言います。下の画像は、『やさしい企業分析』で紹介している翻訳センター(2483)の貸借対照表です。売掛金は、流動資産に計上されています。

翻訳センターの貸借対照表

(出典:翻訳センターの貸借対照表)

売掛金が発生する場面は、消費者にカード決済で商品を売ったときや、取引先の会社に掛取引で商品を売ったときです。カード払いの消費者が増えたり、取引先との取引が増えたりすると、売掛金も増えていきます。

優秀な無料ツールで、売掛金を分析しよう!

売掛金の分析をおこなう上で、貸借対照表のチェックは欠かせません。しかし、実際に見てみると、文字と数字が並んでいるだけで、初心者にはむずかしく感じます。そこで、貸借対照表の中身をビジュアルで把握できる、GMOクリック証券の『財務分析ツール』がおすすめです。今回は、こちらの財務分析ツールを使って、売掛金の分析方法を見ていきます。

※財務分析ツールは、GMOクリック証券に口座開設するだけで、誰でも無料で使えます。

売掛金に注目すると、下の2つがわかります。それぞれ見ていきましょう。

  • 会社のビジネスモデル
  • 会社の経営状態

①売掛金から読み解く、『会社のビジネスモデル』

イタリアンレストラン「サイゼリヤ」を運営するサイゼリヤ(7581)と、ファミリーレストラン「ロイヤルホスト」を運営するロイヤルホールディングス(8179)を比べます。

下は、サイゼリヤの貸借対照表です。売掛金はオレンジ色で表されますが、サイゼリヤには売掛金が計上されていないようです。

サイゼリヤの貸借対照表

(出典:GMOクリック証券の財務分析ツール)

今度は、ロイヤルホールディングスの貸借対照表です。割合が小さいものの、オレンジ色の売掛金が計上されていますね。

ロイヤルホールディングスの貸借対照表

(出典:GMOクリック証券の財務分析ツール)

レストランを運営している会社という点では同じなのに、どうして売掛金の有無で差があるのでしょうか?その理由は、対象とする客層の違いにあると考えられます。

サイゼリヤは、パスタが税抜き299円~と低価格が売りのレストランです。狙っている客層は、お金をあまり持っていない若者や学生が中心だと考えられます。クレジットカードを持っている若者や学生はそこまで多くないと考えられるため、支払いは基本的に現金のみとなっています。そのため、売掛金が発生しないのです。

また、カード決済を導入しない理由には、「料理を低価格で提供するため」ということもあるようです。カード決済を導入すると、カード会社に対して手数料を支払わなければなりません。このお金を会社がすべて負担するわけにもいきませんし、低価格を売りにしている以上、料理の値段に上乗せすることもできないのでしょう。このことから、カード決済を導入していないと考えられます。

ロイヤルホストは、パスタが税抜き980円~と高めの価格帯となっています。ファミリーレストランということで、狙っている客層は家族連れです。4人家族の場合、最低でも4,000円はかかります。家族サービスとして支払いを父親がおこなうと考えると、クレジットカードの利用が多くなるのも想像できますよね。そのため、売掛金が発生しています。

このように、売掛金が計上されているかどうかだけでも、ビジネスモデルの違いを分析することができます。

②売掛金から読み解く、『会社の経営状態』

やさしい企業分析』でも紹介した、特許・医薬・工業・金融などの領域で、産業翻訳をおこなっている翻訳センター(2483)を例に、経営状態を分析していきます。売掛金を使って経営分析をするときに使うのが、「売上債権回転日数」という指標です。計算式は下のとおりですが、GMOクリック証券の財務分析ツール内にある、“経営分析”を使えば自動で表示してくれるので、無理に覚える必要はありません。 

経営分析の使い方は、経営分析ツールの紹介をご覧ください。

売上債権回転日数=(売掛金+受取手形)÷(売上高÷365)

売上債権回転日数が短いほど現金化が早く、会社にとって良い状態となります。反対に、この数字が長くなると現金化が遅れるため、会社は資金繰りに苦しむことになります。

<翻訳センター(2483)の売上債権回転日数>

翻訳センターの売上債権回転日数

(出典:GMOクリック証券の財務分析ツール)

注目ポイントは、「過去と比べて日数が伸びているか」ということです。上の画像を見ると、2014年は「57.89日」だったのに対し、2019年は「71.02日」となっています。5年前よりも売上債権回転日数が長くなっているため、取引先からの支払いが遅れている可能性が高いと言えます。

推測になってしまいますが、取引先に対して支払期限を伸ばしてあげたり、売掛金の回収に時間がかかる事業を始めたりしたのではないでしょうか。有価証券報告書を見ると、コンベンション事業の売上が大きく伸びたと書かれています。コンベンションや国際会議といったイベントは、企画から開催まで時間がかかります。そのため、代金の回収まで時間がかかっていると考えられるのです。

翻訳センターのように、ビジネス上しかたがない理由で伸びているなら、あまり気にする必要はありません。しかし、取引先の支払能力が低いことが理由で伸びている場合などは、将来的に代金を回収できなくなるリスクを持っているので、注意するべきです。売上債権回転日数が伸びている場合は、必ずその理由を探るようにしましょう

まとめ

売掛金を分析するときは、下の2点を意識しましょう。

  • 売掛金の有無から、ビジネスモデルを想像する
  • 売上債権回転日数が長くなっていないか、過去と比べる

売掛金ひとつで、ビジネスモデルの把握から経営分析までできてしまいます。GMOクリック証券の財務分析ツールを使って、気になっている会社の売掛金を分析してみてくださいね!