買掛金(かいかけきん)とは?

買掛金(かいかけきん)とは?

買掛金(かいかけきん)とは、取引先の会社から、掛取引(いわゆる“ツケ”)で商品を買ったときに発生する、「代金を支払う義務のことです。別名、買入債務や仕入債務とも言います。

下の画像は、『やさしい企業分析』で紹介している物語コーポレーション(3097)の貸借対照表です。買掛金は、1年以内にツケ払いの期限がやってくるため、流動負債に計上されています。

物語コーポレーションの貸借対照表

(出典:物語コーポレーションの貸借対照表)

それでは、買掛金はどういう場面で発生するのでしょうか。物語コーポレーションを例に説明します。

物語コーポレーションは「焼肉きんぐ」を運営しており、業者から牛肉を仕入れています。企業同士の取引では、代金を月末にまとめて払うのが一般的です。そのため、物語コーポレーションが牛肉を仕入れたタイミングで、代金を後払いする義務が生まれます。つまり、買掛金は商品を仕入れたときに発生するのです。

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買掛金の分析でよく使われるのが、「買入債務回転日数」という指標です。これは、買掛金の支払いが完了するまでの日数を示します。計算式は下のとおりですが、GMOクリック証券財務分析ツール内にある、“経営分析”を使えば自動で表示してくれるので、無理に覚える必要はありません。

買入債務回転日数={(買掛金+支払手形)÷売上原価}×365

※財務分析ツールは、GMOクリック証券に口座開設するだけで、誰でも無料で使えます。

買掛金に注目すると、下の2つがわかります。

  • 資金繰りの余裕があるか
  • 取引先との力関係がどうなっているか

それでは、物語コーポレーション(3097)を例に、買掛金を分析しましょう。

はじめに、貸借対照表に買掛金が計上されているかチェックします。下は、物語コーポレーションの貸借対照表で、赤枠で囲んだ濃いピンク色の部分が買掛金です。買掛金が計上されているのは、業者から仕入れた牛肉などの代金をツケ払いにしているためです。

物語コーポレーションの貸借対照表

(出典:GMOクリック証券の財務分析ツール)

次は“経営分析”の中にある買入債務回転日数を見ます。ここでは、5年分の推移と10年分の推移が見られます。今回は、10年分の推移を追いましょう。

物語コーポレーションの買入債務回転日数

(出典:GMOクリック証券の財務分析ツール)

10年前と比べると、買入債務回転日数が10.70日から12.73日に伸びています。この日数が長いのか短いのかは、類似企業の日数と比べなければいけません。類似企業は、SBI証券会社四季報で紹介されています。下の画像は、物語コーポレーションの四季報の画面です。赤枠部分に、類似企業が示されています。

会社四季報

(出典:SBI証券会社四季報

四季報で紹介されている類似企業のうち、焼肉店を展開している会社は、安楽亭(7562)と、あみやき亭(2753)の2社です。それぞれの買入債務回転日数をチェックしましょう。

<安楽亭(7562)の買入債務回転日数>

安楽亭の買入債務回転日数

<あみやき亭(2753)の買入債務回転日数>

あみやき亭の買入債務回転日数

安楽亭は12.09日、あみやき亭は13.23日です。物語コーポレーションは12.73日なので、焼肉店の平均的な水準だと言えます。10年前と比べて2日ほど伸びていますが、これくらいは誤差の範囲内でしょう。

企業名 買入債務回転日数
安楽亭(7562) 12.09日
あみやき亭(2753) 13.23日
物語コーポレーション(3097) 12.73日

ここで気を付けたいのが、「売上債権回転日数を下回っていないか」です。この日数を買入債務回転日数が下回ると、料理の代金を回収する前に、取引先に食材の費用を払わないといけないので、資金繰りが大変になります。

物語コーポレーションの場合、売上債権回転日数は7日なので、料理を提供してから7日目には代金を回収できています。売上債権回転日数が短いのは、個人顧客が多い飲食店では現金払いする客が多いためです。買入債務回転日数は12日なので、代金回収から5日後に取引先に食材の費用を支払っています。資金繰りに問題はありません

今後、注意するべきポイントは、買入債務回転日数が大きく変化したときです。たとえば、急に日数が長くなった場合、会社の資金繰りが悪化しているために、取引先への支払いを延期しているかもしれません。

反対に、急に日数が短くなった場合、取引先から早く代金を支払うように言われているかもしれません。売上債権回転日数を下回るようになると、資金繰りが悪化するため注意しましょう。

まとめ

買掛金を分析するときは、まず買入債務回転日数が大きく変化していないか確認しましょう。会社の資金繰りや取引先との関係性に変化が起きているため、その理由を探すことが大切です。

また、類似企業と比べて日数が短いか長いかも、確認すると良いでしょう。類似企業の日数とかけ離れている場合は、会社のビジネスモデルや取引先との関係性に、違いがあると考えられます。とにかく「違い」を見つけて、その理由を探りましょう。

買掛金ひとつで、会社の資金繰りや取引先との関係性が分析できます。GMOクリック証券の財務分析ツールを使って、気になっている会社の買掛金を分析してみてくださいね!