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PEGレシオとは?わかりやすく解説します
PEGレシオ(ペグレシオ)とは、グロース株の割安性を測る指標です。PERを見ると割高に見えるグロース株も、成長性を加味すると割安と判断できる場合があります。このようなときに使えるのが、PEGレシオです。PERに成長性を加味した指標と考えておけば良いでしょう。
このコラムでは、PEGレシオの意味やスクリーニング方法、使う際の注意点などについて、株初心者向けにわかりやすく解説しています。
PEGレシオとは?
PEGレシオ(ペグレシオ)とは、「Price Earnings Growth Ratio」の略です。名前に「Growth」と入っているように、今後急成長が期待できるグロース株に対し、割安性を測ることが可能です。PERだけ見ると割高に見える株も、企業の「成長性」が高い場合、割安と判断されることもあります。「PER」に「成長性」の要素を加味したPEGレシオの計算式は、以下のとおりです。
PEGレシオの計算式
PEGレシオ=PER÷純利益の成長率
PEGレシオの見方を整理すると、下の表のようになります。
PEGレシオ | 割安性 |
---|---|
2倍以上 | 割高 |
1~2倍 | 適正水準 |
1倍以下 | 割安 |
PEGレシオは、PERで投資判断できないような、成長性が高いグロース株に使います。このような銘柄は、割高であればあるほど、業績悪化などが起きた時に、株価が大きく下がるリスクを抱えています。そのため、最悪の自体を避けられるよう、PEGレシオで見て適正水準か割安な銘柄を選ぶ必要があるのです。
PEGレシオの場合は、2倍以下が適正水準または割安とみなされます。スクリーニング時は、適正水準以下で買うことを意識して、「PEGレシオ2倍以下」で探すのがおすすめです。
PEGレシオを使ったスクリーニング方法
SBI証券のスクリーニングツールを使うと、PEGレシオを使って銘柄を絞り込めます。(あらかじめSBI証券に口座開設をしておく必要があります。手順は、“【SBI証券】口座開設の方法・取引までの流れ・やり方”で紹介しています)
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SBI証券にログインしてください。検索窓の下にある『銘柄スクリーニング』をクリックします。
(出典:SBI証券)
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こちらで、スクリーニング条件を細かく設定できます。
デフォルトの状態では、PEGレシオが検索条件の画面に表示されていないので、画面左下の「詳細条件」からPEGレシオを追加します。左下の「+検索条件を追加」をクリックしてください。(出典:SBI証券)
詳細条件が表示されます。画面上部に表示されている「コンセンサス」タブをクリックしましょう。一番左の列にある「PEG(予)」にチェックを入れたら、「適用」をクリックしてください。
(出典:SBI証券)
PEGレシオを使ってスクリーニングするときは、割安の目安である「2倍以下」にしたいので、PEGレシオのスクリーニング条件に「0以上・2以下」と入力してください。数値を入力すると、自動で条件に合う銘柄が検索されます。
(出典:SBI証券)
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スクリーニングの結果は、下の画像のとおりです。
(出典:SBI証券)
PEGレシオ0~2倍に当てはまる企業は、737銘柄あるとわかりました。まだ数が多いので、もう少し絞り込んでみましょう。PEGレシオは、成長性が高いグロース銘柄であるほど、使う価値がある指標です。そのため、「基本条件」の中にある「市場」を、成長企業が集まる『東証グロース(東証G)』のみにしてみましょう。
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東証グロースのみにした結果、PEGレシオ0~2倍に当てはまる銘柄を61銘柄まで絞れました。あとは、個別に成長性がどれだけあるか確認して、隠れた割安銘柄を発掘するだけです。
(出典:SBI証券)
スクリーニングツールは、SBI証券に口座開設すれば、誰でも無料で使えます。まだ口座を持っていない方は、この際に開設しておくとよいでしょう。SBI証券への口座開設方法は、こちらで詳しく紹介しています。
PEGレシオを使う際の注意点
PEGレシオを使う際には、計算で使われている「純利益の成長率が、どのように算出されているか」に注意する必要があります。株価は、会社の将来の姿を織り込んで動きます。そのため、PEGレシオの計算で使う「純利益の成長率」は、予想成長率を用いるのが一般的です。
そのため、SBI証券のスクリーニングツールでは、アナリストが予想したEPS(1株あたり純利益)を元に、PEGレシオが計算されているようです。しかし、アナリストの予想値には、アナリスト自身の偏見や判断が混じっています。後になって振り返ると、大きなブレが発生している場合もあるでしょう。
証券会社のスクリーニングツールを使う際は、PEGレシオにアナリストの判断が含まれていることを忘れないようにしましょう。
余裕がある方は、予想成長率を自分で計算するのがおすすめです。「将来を予想するのはむずかしい!」と思うかもしれませんが、次のようなプロセスで計算すると、そこまで頭を悩ませなくても予想成長率が出せます。
- 過去3年分の純利益から、成長率を計算する
- 過去の成長率と比べて、今後どれくらい成長しそうか、または成長鈍化しそうか考えて、数値を調整する
慣れるまでは少し大変ですが、余裕がある方は独自予想にもチャレンジしてみるのもよいと思います。
まとめ
PEGレシオの概要と使い方、使う際の注意点を解説してきました。グロース株に対して、割安性をチェックするのに役立つ指標です。PERではかなり割高になっていても、PEGレシオで見ると割安な銘柄があります。“隠れ割安株”を見つけられるので、銘柄探しの際にぜひ取り入れてみてください。
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