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【インフラ関連株・銘柄まとめ】国土強靭化の本命は土木建設や電力・通信!今後の見通しも解説
インフラ関連株とは、道路や橋、電気や水道、通信などの公共インフラを支える会社の株です。たとえば、土木建設会社やNTT(9432)のような通信会社などが当てはまります。インフラの老朽化や災害の増加に加えて、外需銘柄に投資しづらくなっていることから、インフラ関連株が注目されている状況です。
この記事では、インフラ関連株にはどのような銘柄があるのか、今後どうなるのかを、株初心者向けにわかりやすく解説します。
インフラ関連株が注目を集めている3つの理由
はじめに、インフラ関連株が注目を集めている理由を3点挙げます。
インフラ関連株が注目を集めている理由
① インフラの老朽化が進んでいる
1つ目の理由は「インフラの老朽化が進んでいる」ことです。
2025年1月に埼玉県八潮(やしお)市で起きた道路のかん没事故は、下水道管の破損が原因でした。この事故は全国的に報道され、大きな関心を集めました。過去にも2012年12月には山梨県で高速道路のトンネル天井板が落下する事故などが発生しており、政府は老朽インフラの点検・補強に力を入れています。
② 災害が多い国・日本
2つ目の理由は「日本は災害が多い」ことです。
日本では地震が多いうえ、近年は温暖化の影響で水害も増加しています。政府は「災害に強い国づくり」を掲げ、橋や道路の耐震補強、河川の氾らん対策などを積極的に進めています。
③ 海外ビジネスの見通しが立てにくい
3つ目の理由は「海外ビジネスの見通しが立てにくい」ことです。
アメリカの関税政策や中東の軍事衝突などで海外情勢が不安定になっています。先行き不透明な海外ビジネスに代わり、国内のインフラ関連事業の安定感があらためて注目されているのです。
政府は新たなインフラ強化政策を発表
こうした状況を受けて政府は、2026年度から5年間にわたる「新たなインフラ強化政策」を発表しました。2025年度で終了する前計画を引き継ぐ形です。
出典:内閣官房 | 第1次国土強靭化実施中期計画【概要】[PDF]
今回は、国の政策で注目が集まる「インフラ関連株」について、土木工事関連を中心にご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
インフラ関連株・銘柄一覧
インフラ関連株は上手に組み合わせれば、配当と値上がり益の両方が期待できるでしょう。配当利回りが比較的高い点がインフラ関連株の魅力の一つと言えます。災害や政策の報道が株価に影響しやすい中小型株は、値動きの良さが人気です。
土木建設
インフラ関連の主役である土木業界は、政策が追い風です。橋や道路工事をおこなうショーボンドホールディングス(1414)とインフロニアホールディングス(5076)は外せません。
小型株からは、海洋土木の不動テトラ(1813)に注目です。また、建設人材を派遣するオープンアップグループ(2154)を取りあげました。
電力・通信
災害に強い電力・通信網が求められています。電線大手のフジクラ(5803)、電気工事会社の九電工(1959)、上場子会社を傘下に収めて国内最大の通信会社となったNTT(9432)をピックアップ。
水道
政府は、災害に備えて上下水道システムを耐震化する方針です。小型株から、都内の上下水道工事をおこなう大盛工業(1844)をご紹介します。
ドローン
政府は、AI・ドローン、デジタル技術などの新技術を活用して、インフラの管理・運用や災害時の対応を強化するとしています。傘下にドローン専業会社を持つ通信建設会社ミライト・ワン(1417)と、ドローン事業会社のTerra Drone(278A)を取りあげました。
| 銘柄名 (クリックタップで最新株価) |
事業内容 |
|---|---|
| ショーボンドホールディングス (1414) |
インフラの補強・修理に特化したメンテナンス会社。東日本・西日本・中日本高速道路向けが売上の4割強を占める。高速道路が通る橋の耐震化工事を2027年度までに約3倍に増やす方針。 |
| インフロニアホールディングス (5076) |
前田建設工業・前田道路・前田製作所などの持ち株会社。道路、トンネルやダム工事に強み。風力発電、水道施設などの運営もおこなう。2025年5月に発表した三井住友建設(1821)の買収は評価が分かれる。高配当銘柄。 |
| 不動テトラ (1813) |
消波ブロック『テトラポッド』で知られる土木会社。地盤改良や港湾などの海洋土木に強み。国や自治体の公共事業がメイン。旧村上ファンド系のアクティビスト※1が同社株式の27.28%を保有(2025年4月時点)。小型株。 |
| オープンアップグループ (2154) |
IT・建設人材派遣会社。機電(機械電気)、ITインフラ・開発、建設の3分野のエンジニアを派遣。建設業派遣で最大手の夢真を傘下に持つ。中国、インドネシアなどの海外にも進出。高配当銘柄。 |
| フジクラ (5803) |
電線御三家の一角。AI向けデータセンター用光ケーブルの引き合いが強い。細いケーブルに光ファイバーをたくさん詰め込む技術は世界トップクラス。オール光通信時代の到来を前に期待が高まる。 |
| 九電工 (1959) |
九州電力(9508)系の電気設備工事会社。国土強靭化計画に基づく災害対策、インフラ整備、防衛関連工事の受注を見込む。過去最大レベルの工事量を抱えるも人手不足がネック。 |
| NTT (9432) |
NTTグループの持ち株会社。災害に強い通信ネットワーク・設備づくりに力を入れている。NTTドコモに続き、2025年6月にNTTデータグループ(9613)を子会社化して親子上場※2の解消が完了。 |
| 大盛工業 (1844) |
東京都内を中心とする上下水道工事会社。独自の工法を生かした下水道工事に強み。売上の約5割が東京都の上下水道局向け。国土強靭化計画に基づく防災・減災対策工事の取り込みを見込む。小型株。 |
| ミライト・ワン (1417) |
通信建設会社。通信を中心に電気、交通、水道、エネルギー関連の工事をおこなう。測量大手の国際航業を傘下に収めた。水管設備の点検にドローンを使うなど、最新のAIやDX(デジタル化)関連技術に力を入れる。 |
| Terra Drone (278A) |
世界トップクラスの産業用ドローン会社。2024年11月上場。東京に本社を置き、世界十数か国に事業を展開。自社開発の測量用・点検用ドローンを石油ガス・化学・建設、測量、電力業界向けに提供している。 |
※1 アクティビストとは、投資先に経営改革を働きかけて株価の値上がりをねらう投資家です。
※2 親子上場とは、親会社と子会社が上場している状態を指します。近年、親子上場は解消される方向にあり、解消が発表されると子会社の株が値上がりすることが多いです。
インフラ関連株・銘柄の見通し
インフラ関連株の見通しを「良い・普通・悪い」で表すと、「良い」と考えられます。地震や水害に強い国づくりを目指して、政府が道路や橋、水道、港などのインフラ整備を積極的に進めているからです。
2026年度からは新たに「第1次国土強靱化実施中期計画」が始まり、前回の5か年計画を約5兆円上回る総額20兆円を超える予算が見込まれています。
出典:内閣官房 | 第1次国土強靭化実施中期計画【概要】[PDF]
それでは、銘柄一覧にご紹介していない銘柄を交えて、分野ごとに注目ポイントをご紹介します。
① 土木建設
土木建設分野では、国土強靭化・インフラ老朽化対策として、鹿島建設(1812)などの大手ゼネコンから中小の土木建設会社まで幅広く恩恵を受けています。もう少し細かく見ていきましょう。
橋
道路や橋の老朽化対策や耐震化が急がれます。橋の修繕工事でトップシェアのピーエス・コンストラクション(1871)は、大成建設(1801)の親子上場銘柄としても要注目です。
海洋土木
トラックの人手不足と排ガス問題を受けて、海上輸送量を増やすために港の整備が進行中です。港や空港の整備は防衛力・防災力の強化にもつながります。
海洋土木最大手の五洋建設(1893)と中小型株の東亜建設工業(1885)、東洋建設(1890)の活躍に期待が持てます。港湾施設を運用する三菱倉庫(9301)にも影響がありそうです。
人材派遣
建設人材を派遣するコプロホールディングス(7059)が好調です。
② 電力・通信
電力・通信分野では、AIの普及で電力需要が高まっていることを受け、政府は送電網の整備に力を入れています。電線大手の住友電気工業(5802)や、東京電力グループの関電工(1942)などにプラスの影響があるでしょう。
通信システムの災害時への備えや、デジタル化にも予算がつきます。通信工事のエクシオグループ(1951)やソフトバンク(9434)などにも注目です。
③ 水道
水道分野では、地震や水害に備えた上下水道設備の補強・更新が進められます。水道管を提供するクボタ(6326)や、水道施設を維持・運用するミライト・ワン(1417)にも期待できそうです。
水道分野のうち下水道関連株は、下記のページで詳しく解説しています。ぜひこちらの記事もご覧ください。
④ ドローン
政府の規制緩和や支援によって、ドローンの利用がインフラ点検や山あいの配送などに広がっています。埼玉県八潮市の道路かん没事故では、下水管内の捜索にブルーイノベーション(5597)のドローンが使われ、話題となりました。
ドローン関連株は、下記のページでも詳しく解説しています。こちらもぜひ参考にしてくださいね。
銘柄スカウターを使ってテーマ株・関連株を深掘りする方法
まとめ
埼玉県八潮市の道路かん没事故で注目のインフラ関連株をご紹介しました。水道管や道路・橋などの多くは高度経済成長期に作られたものです。老朽化が進むなか、全国で修理や更新が急がれています。政府が進める防災・減災、国土強靱化計画は、こうした工事を大きく後押ししています。
土木業界ではインフラ関連工事の受注残が高止まりする一方で、資材の値上がりや人手不足、高齢化といった課題が深刻化しています。各社は受注案件を絞り込み、AIやデジタル技術を活用した省力化・無人化を進めるなど、対応に追われています。将来的には、派遣会社や外国人労働者が業界を支える大きな力となるかもしれません。
こうしたさまざまな困難を乗り越えながら、私たちの暮らしの「安全・安心」を支えているのがインフラ関連株です。今後も注目していきたいですね。
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