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【ドローン関連株・銘柄まとめ】法改正でレベル4飛行が実現!ドローン市場の今後の見通しを解説
ドローン関連株は、ドローンを製造・販売する会社やドローンを利用した事業をおこなう会社の銘柄です。
ドローンは、空中や水上・水中、宇宙空間で、遠隔操作または自動操縦で動く無人の機体です。なかでも小型の機体をドローンと呼ぶことが多いですが、物流向けなどには中型・大型のドローンも開発されています。 ドローンは、軍事目的で開発がはじまりましたが、今やその利用は農業、設備の点検や保守、災害時の調査、高所作業、測量、宇宙探査など、さまざまな用途に拡大しています。
世界の商業用ドローンのシェアは、7割から8割を中国のDJI社が占めていますが、欧米諸国では安全保障や人権問題の観点から中国製品を規制し自国製品などに置き換える動きが進んでいます。同様の理由で日本においても国産のニーズが高まっており、ドローン関連株にとってはプラスです。
この記事では、ドローン関連の人気銘柄10社や今後の見通しなど、ドローン関連株について幅広く解説するので、ぜひ参考にしてください。
ドローン関連株・銘柄一覧
ドローンの製造・販売に特化した国内の会社は未上場が多く、上場企業ではACSL(6232)、ブルーイノベーション(5597)が挙げられます。
国産ドローンを作る上場企業には、農業用無人ヘリ開発に歴史を持つヤマハ発動機(7272)、小型屋外作業機械メーカーのやまびこ(6250)、防災用に特化したドローンを提供するFIG(4392)などが挙げられます。 また、農業向けに強いNTT e-Drone Technology(未上場)にはオプティム(3694)などが出資しており、水中ドローンのベンチャーであるFullDepth社(未上場)は古野電気(6814)の出資を受けています。
ドローンを利用した事業を展開する銘柄には、ドローン向けの空中写真測量システムを提供するトプコン(7732)、空撮や各種点検をドローンでおこなう綜合警備保障(2331)、大型ドローンで資材運搬に協力するクリーク・アンド・リバー社(4763)、内外のドローンの販売やサポートをおこなうミライト・ワン(1417)をピックアップしました。
これらの銘柄にとって、ドローン関連事業は数ある事業の一部です。投資する際は、ドローン事業以外にも目を向ける必要があるでしょう。
銘柄名 (クリックタップで最新株価) |
事業内容 |
---|---|
ミライト・ワン(1417) | 通信建設大手。水素燃料電池を使ったドローンの開発に成功。傘下にドローン専門会社を持つ。内外メーカーのドローンの販売、点検、測量、空撮、災害調査などのサービスを提供。 |
綜合警備保障(2331) | 国内2位の警備会社。警備を中心に、設備管理や介護事業も手がける。ドローンの空撮サービスを2014年に開始。太陽光パネル、橋梁、外壁などの各種設備やインフラの点検サービスにドローンを活用。 |
オプティム(3694) | 情報システム・ソフトウェア開発会社。ネットワークの管理サービスや、IT機器の遠隔サポートを行う。NTT東日本などと3社共同で「NTTe-Drone Technology」を立ち上げ、農業向け国産ドローンの利用を推進。 |
FIG(4392) | 情報通信会社。物流や交通、宿泊業向けのIoT(あらゆるモノへのインターネット接続)サービス事業とドローンなどの装置関連事業が主体。防災用のオリジナルドローン「Hi-1」、「TR-22」を開発。 |
クリーク・アンド・リバー社(4763) | 映像制作会社。デジタルコンテンツの制作と人材派遣業を中心にドローン事業もおこなう。山間部の資材運搬などに大型ドローンを活用。青森県六ヶ所村の尾駮沼の採水・飛行・運搬実験にも協力。 |
ACSL(6232) | ドローン専業メーカー。物流、インフラ点検、防災・災害、在庫管理に対応したドローンを開発。試作から大量生産までをおこなう。インドや台湾、米国など海外に事業を拡大。 |
やまびこ(6250) | 国内首位の小型屋外作業機械メーカー。チェンソーなどのエンジン技術を応用したドローンを自社開発している。傘下の会社がドローンによる近距離空輸や点検サービスを展開。 |
古野電気(6814) | 船舶、医療、情報通信用の機器およびサービスを提供している。同社の受信用部品が仏ドローン大手Parrot 社のドローンに採用された実績がある。日本初の産業用水中ドローンの開発をおこなう大学発ベンチャーFullDepth社に出資。 |
ヤマハ発動機(7272) | 輸送用機器大手。二輪車の世界的メーカーであり、船舶やロボット、半導体製造装置なども製造。農業用無人ヘリコプター製造に長年の実績。農薬散布用ドローン「ヤマハ産業用マルチローター」を開発。 |
トプコン(7732) | 測量機などの機器メーカー。建機・農機のDX(デジタル化)サービスと眼科検診事業を展開。測量・建設現場のドローン測量を効率化する空中写真測量システムを提供している。 |
ドローン関連株・銘柄の見通し
ドローン関連株の見通しを「良い・普通・悪い」で表すと、「良い」です。理由として次の3つが挙げられます。
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
① 有人地帯で飛行できるようになった
国土交通省は、2015年から有人地帯でのドローンの利用を規制したうえで、下記の飛行レベル1~4を目安に段階的な規制緩和を進めてきました。
飛行レベル | 飛行の態様 | 補助者の配置 |
---|---|---|
レベル1 | 目視内での操縦飛行 | あり |
レベル2 | 目視内での自動・自立飛行 | なし |
レベル3 (2018年~) |
無人地帯での目視外飛行 | なし |
レベル4 (2022年12月~機体の認証制度開始) |
有人地帯での目視外飛行 | なし |
今までのドローンの利用は「人がいない地域」に限られてきましたが、2022年12月にレベル4(有人地帯での補助者なし目視外飛行)が実現し、「人がいる地域」での測量、物流、警備、災害対応などに利用範囲が大きく広がっています※1。
※1 参考:無人航空機レベル4飛行ポータルサイト(国土交通省)
② 中国製ドローンの利用が規制される
中国製ドローンの利用が制限されはじめた背景には、中国政府が中国企業に対し情報提供の協力を義務付けた「国家情報法」の制定があります。この法律によって中国製の電子機器を通じて重要な情報が中国政府に伝わる可能性があるため、欧米諸国は中国製品の使用を避けるようになったのです。
日本でもドローンの調達において2021年度から中国製を実質排除する方針が取られています。
③ ドローン市場の成長が期待される
インプレス総合研究所によれば、2022年度の国内のドローンビジネスの市場規模は前年比33.7%増の3086億円と推測され、 2028年度は9000億円超に達する見込みです※2。
※2 参考:ドローンビジネス調査報告書2023(インプレス総合研究所)
従来、ドローンや無人ヘリの用途は農薬散布が中心でしたが、近年は設備点検や測量をはじめ消防関連も増えています。今後は物流、警備、土木建築などさまざまな分野に利用が拡大していくでしょう。 目下の注目ポイントは「国内で生じる中国製の代替需要をどのメーカーが獲得するか」です。
国産メーカーは、用途に応じたカスタマイズのしやすさでは有利ですが、価格が割高である点が不利です。しかし、国産品のライバルである中国、フランス、米国製の輸入品の価格も円安で値上がりしている状況にあります。ドローンの量産化を見据える国内メーカーにとって、今の円安局面は追い風です。ウクライナ侵攻や中東情勢もあり、ドローンの関連需要は海外でも高まっています。岸田政権は、ドローン検知システムなどをウクライナに供与する方向です。
今後、国内メーカーが量産体制に入り安く作れるようになれば、価格競争でも優位に立てる可能性があります。
注意
記載の見通しは、当サイト編集部の見解なので、結果を保証するものではありません。いかなる不利益が生じた際にも当サイトは一切の責任を負いませんので、すべてにおける最終判断はご自身でおこなってください。
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まとめ
ドローン関連株の見通しは明るいと言えます。人がいる地域での利用が許可され、需要が高まっていくなかで、高い市場シェアを持つ中国製に利用規制がかかり国産ドローンのニーズが高まっているからです。
注意すべき点は、人がいる地域でドローン運用を進めていくうえでの安全面の確保です。ドローンの利用に不安や抵抗感を持つ人はまだ少なくありません。ドローンの導入段階でひとたび死亡事故や重大事故が発生すれば、車の自動運転と同様に、規制の強化や需要後退など、業界全体に影響が及ぶ恐れがあることを意識しておく必要があるでしょう。