特別気配が出ている銘柄は、どうするべきでしょうか?
特別買気配や特別売気配が出ている銘柄を見かけます。もし保有銘柄に特別気配が出たら、どうするべきでしょうか?
特別気配が出た場合にどうするべきか、正解はありません。特別気配による株価変動はある程度予想できるものの、予想外の値動きをすることも多いからです。当サイトは、中長期保有を推奨しています。そのため、このページでは、「株を中長期保有するスタンス」を前提に、発動した特別気配に対してどうするべきかを紹介します。
そもそも、特別気配とは、一度に大量の「買い注文」か「売り注文」が入った場合、売買を成立させず、一時的に取引が停止されることです。

上の図のように、一定の値幅を超える取引が成立しそうになった場合、特別気配は発動し、取引が停止されます。詳しくは、「特別気配(特買い・特売り)とは?意味や内容をわかりやすく解説」の記事をご覧ください。
では、どんな場合に特別気配が出やすいのか、3つのパターンに分けて考えてみます。
1.寄り(9時頃)
前日の大引け後(15時以降)に、株価が変動する材料(決算や上方修正、下方修正など)が出た場合には、翌日注文が殺到することがあります。
ここでは、大引け後としていますが、取引時間中(9時~15時)にビッグニュースが出る場合もあります。その時には注文が殺到するので、特別気配になりやすく、そのままストップ高・ストップ安のように、極端に値が動くことがあります。
仮に、ストップ高でも買い注文が殺到している場合には、「比例配分」という高値で処理されます。詳しくは「比例配分とは何ですか?」をご覧ください。
保有株がストップ高で張り付いている場合には、あえて、その場で売るのではなく、翌日に売った方が高く売れるかもしれません。
2.新規株式公開(IPO)の上場日
IPO銘柄の場合、上場日に株式市場が開いてすぐに、公募価格近辺で株価が成立することはほとんどありません。
その理由は、買い注文と売り注文に差が出やすいからです。多くの場合は特別気配(買い優勢)になりやすく、すぐに値が付くことは少ないからです。
特別気配の間でも買い注文は出せますが、寄り付いた後、株価が乱高下しやすいため、注意が必要です。上級者向けの投資法で、「IPOセカンダリー」と言ったりします。
また、値幅上限の上限まで、気配値が変化しても、買い注文と売り注文が同数にならなかった場合は、取引は翌日に持ち越されます(再度、注文が必要です)。
3.出来高が少ない銘柄
出来高が少ない銘柄の場合、ほとんど注文が出てこないので、特に理由もないのに、特別気配が出やすい状態になっています。
特段、材料もない状態なので、特別気配が出ても気にする必要はありません。出来高の少ない株は、思うように売買することができないので、どちらかというと上級者向けです。
保有銘柄に特別気配が出たらどうするべきか
保有銘柄が特別気配になった場合にどうするべきかは、特別買気配(特買い)と特別売気配(特売り)の、2パターンに分けて考えます。
特別買気配(特買い)が出た場合
「利益確定」、「様子見」の、2つのシナリオを考える必要があります。いずれを選択するかは、「購入時の想定株価と比べて、現在の株価がどうなっているか」がひとつの目安です。
特別買気配(特買い)は買い注文が殺到しているので、基本的に株価は上昇します。とくに、好決算や業績の上方修正などの好材料が原因の場合、特別気配が解除されたあとも株価は上がり続ける可能性が高いです。しかし、予想以上に株価が上がった場合は、利益確定売りなどで株価が下がる可能性もあります。
想定している株価よりも上がり過ぎてしまったら「売却」、まだ株価が上がると判断したら「様子見」など、基本的には中長期保有のスタンスを守りつつ、状況に応じて売却して利益確定をしましょう。
また、自信がある場合は「買い増し」の選択肢もありますが、高値づかみをする危険性があるので、おすすめはしません。
特別売気配(特売り)が出た場合
「損切り」、「様子見」、「買い増し」の、3つのシナリオを考える必要があります。
特別売気配(特売り)の場合、真っ先に「損切り」が思い浮かぶかもしれません。しかし、悪材料出尽くしで、株価が上がる可能性もあります。悪材料出尽くしとは、悪材料がすべて出尽くした場合、「これ以上株価が下がることはない」という投資家の考えから買い注文が集まり、株価が反発して上昇することです。
そのため、悪材料で株価が下がったとしても、今後の成長に期待できる銘柄であれば、損切りせずに「様子見」や「買い増し」をして、株価の上昇を待つことも視野に入れておきましょう。
ただし、粉飾決算やスキャンダル、上場廃止の決定、信用取引をしている場合など、明らかに損切りをすべき状況のときは、迷わず損切りしてください。
特別気配の影響で急激な株価変動があったとしても、慌てて取引するのは禁物です。特別気配が出た場合のルールを事前に決めて、自分の投資スタイルを崩さないようにしましょう。
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投資歴18年目の株初心者アドバイザーです。2005年からの投資成績は+2億円を突破しました!2009年に発売した著書『はじめての株1年生 新・儲かるしくみ損する理由がわかる本』は、累計59,000部のロングセラー。その他、数多くの金融系メディアにも寄稿しています。