比例配分とは何ですか?
決算発表で業績が悪かったので、思い切って成行の売り注文を1,000株出しました。しかし、確認してみると100株しか売れていませんでした。どうやら、比例配分らしいのですが、具体的にはどんな仕組みでしょうか?
株式の売買では、買い注文と売り注文の数が完全に一致したときに注文が成立します。つまり、質問者のケースでは、売り注文(成行)を1,000株出していても、買い注文がそれより少なかったので、一部しか売買成立しませんでした。この場合、1,000株の売り注文で100株が成立したので、「比例配分」によって、100株分は売れたといえます。
比例配分とは、「買い注文や売り注文が殺到している状態で、値幅制限(ストップ高、ストップ安)いっぱいの水準でも取引が成立しない場合に、終値で各証券会社の注文数に比例して配分されること」をいいます。
例えば、下の画像を見てください。これはMTG(7806)の株価ですが、ストップ安水準の3,530円で、買い注文が71,100株、売り注文が365,100株となっています。圧倒的に売り注文が優勢で、売り注文が買い注文の約5倍の差がついています。
5倍の差があるため、単純計算すると、1,000株の売り注文を出したとしても、200株くらいしか売買の成立が期待できないと言えます。比例配分のルールについては、各証券会社で異なるので、下記にまとめました。(※そもそも公表していない証券会社やルールを変更している証券会社もあるので、ご自身で必ずご確認ください)
■時間優先(早く注文を出した人が有利)
・SBI証券、マネックス証券
■申込数優先(たくさん注文を出した人が有利)
・松井証券、GMOクリック証券
■完全抽選(1人1票制)
・auカブコム証券
対象注文を発注されている口座単位に乱数(一定の順番)を付加し、すべて配分されるまで1単位ごとに乱数の順番にて配分を行います。 ※申込株数の多少に係わらず1単位毎に配分を行いますので、申込株数が1単位と10単位においても同様の確率で配分されることとなります。
逆に、TOB(株式公開買い付け)のように、ほぼ確実に高値で売れることが分かっているときは、比例配分狙いをぜひ挑戦してみてください。
ストップ高水準において、比例配分で少しでも購入確率を上げたい場合には、証券会社の特性を生かして、1つの証券会社から全力で申し込むのではなく、できるだけ多くの証券会社から申し込むことが必要になります。特に、下の図のE証券のようにマイナーな証券会社は割り当て数の割にライバルが少ないので、購入できるチャンスが高まります。
(出典:楽天証券)
★繰り返しになりますが、TOBのときは、ほぼ確実にTOB価格までは上がることになります。当選したらラッキーというくらいの気持ちで、成行きの買い注文を出しておくとよいですね。
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投資歴18年目の株初心者アドバイザーです。2005年からの投資成績は+2億円を突破しました!2009年に発売した著書『はじめての株1年生 新・儲かるしくみ損する理由がわかる本』は、累計59,000部のロングセラー。その他、数多くの金融系メディアにも寄稿しています。