サーキットブレーカーとは?目的や発動事例などをわかりやすく解説します

サーキットブレーカーとは?目的や発動事例などをわかりやすく解説します

担当:西尾

担当・にしけい

最終更新日:2021年7月20日

サーキットブレーカーとは、株式や先物などの価格が大きく動いたときに、取引を停止する制度です。日本をはじめアメリカやヨーロッパなどの先進国で導入されています。

※先物(さきもの) … ある商品を、将来の決められた日に、取引の時点で決めた価格で売買する約束です。今日よりも「先」の取引を約束する「物」なので、先物と言われています。

このコラムでは、サーキットブレーカーの意味や発動事例などを、株初心者向けにわかりやすく解説しています。

1.サーキットブレーカーとは?

サーキットブレーカーとは、株式や先物などの価格が暴落・暴騰したときに、取引を停止する制度です。株価が大きく動いたときは、投資家がパニックになって正常な判断ができないため、投資家の頭を冷やして冷静な判断をできるようにするのが目的となります。サーキットブレーカーは、日本をはじめアメリカやヨーロッパなどの先進国で導入されています。

ただし、日本でサーキットブレーカーが発動するのは、先物市場のみです。株式市場では、「サーキットブレーカー」という名前ではなく、「特別気配制度(とくべつけはいせいど)」や「連続約定気配制度(れんぞくやくじょうけはいせいど)」という名前の制度が使われています。日本の株式・債券・ETFに投資している方は、この制度を理解しておく必要があります。詳しくは、このページの後半をご覧ください。

2020年3月には、新型コロナウイルス感染拡大によって株式市場が暴落し、東証マザーズ指数先物取引などで、サーキットブレーカーが発動しました。ニュースで話題になっていたため、聞き覚えのある方が多いのではないでしょうか。

2.サーキットブレーカーが設けられている主要な市場

サーキットブレーカーが設けられている主要な市場は、次のとおりです。

導入市場
日本 大阪取引所(先物・オプション)
東京商品取引所(先物・オプション)
アメリカ ニューヨーク証券取引所
NASDAQ
シカゴ・マーカンタイル取引所
中国 上海証券取引所
深圳証券取引所
中国金融先物取引所
韓国 韓国証券先物取引所

日本の導入市場をよく見ると、大阪取引所と東京商品取引所の、「先物・オプション取引のみに適用されています。つまり、株式投資がおこなわれる東京証券取引所などには、サーキットブレーカーが導入されていないのです。

「日本の証券取引所にサーキットブレーカーがないから、株価が暴落・暴騰すると危険だ!」と思ってしまいますが、実は名前が違うだけで似たような制度が設けられています。

3.サーキットブレーカーの代わり!?「特別気配制度」と「連続約定気配制度」

東京証券取引所をはじめ、日本の全証券取引所には、「特別気配制度(とくべつけはいせいど)」と、「連続約定気配制度(れんぞくやくじょうけはいせいど)」が導入されています。どちらの制度も、注文が多すぎて、取引が成立しないときに発動します。発動すると、取引が一時的に停止されます。

特別気配制度の場合は、一度に大量の買い注文、もしくは売り注文が集まったときに発動する制度です。対して、連続約定気配制度は、大量の買い注文、もしくは売り注文が、少量ずつ立て続けに出されているときに発動する制度です。

このような特別な状況が起きたときは、個別銘柄の気配値に「(特別気配制度)」や「(連続約定気配制度)」が表示されます。この記号が、買い気配に表示されている場合は、「買い注文が大量に出されている(=株価が暴騰する)」ことを表しています。売り気配に表示されている場合は、「売り注文が大量に出されている(=株価が暴落する)」ことを表しています。

四季報

(出典:SBI証券

上の画像のような表示が出ている場合は、株価の急激な変動に注意しましょう。

むずかしそうな制度ですが、サーキットブレーカーと同じで、取引を停止する仕組みです。「日本の株式市場にも、サーキットブレーカーと似たような制度がある」と理解しておけば十分です。

4.サーキットブレーカーが発動した事例

最後に、日本国内におけるサーキットブレーカーの発動事例を紹介します。

日付 発動事例 原因
2001/9/12 日経平均先物 アメリカ同時多発テロの翌日で、アメリカ国内の取引が中止となり、売り注文が殺到
2008/9/16 国債先物 リーマン・ブラザーズが経営破綻したため、買い注文が殺到
2008/10/10 TOPIX先物・日経平均先物 リーマン・ブラザーズの経営破綻を発端とする、世界的な金融不安により、売り注文が殺到
2008/10/14 日経平均先物 世界各国の政府と中央銀行が発表した金融不安回避策が好感されたため、買い注文が殺到
2008/10/16 日経平均先物 ダウ平均株価が史上2番目の下げ幅を付けたため、売り注文が殺到
2011/3/14 TOPIX先物 前週末に発生した東日本大震災により、売り注文が殺到
2011/3/15 TOPIX先物・日経平均先物 前週末に発生した東日本大震災と、福島第一原子力発電所事故により、売り注文が殺到
2013/5/23 日経平均先物 「アベノミクス」への期待から急激に株価が上昇しており、その反動で売り注文が殺到
2016/2/9 日経平均VI先物 日銀のマイナス金利によって、日本国債の長期金利がマイナスになり、売り注文が殺到
2016/6/24 日経平均先物 ブレグジットの影響で、売り注文が殺到
2020/3/9 東証マザーズ指数先物
日経平均VI先物
新型コロナウイルスの感染拡大により、売り注文が殺到
2020/3/13 東証マザーズ指数先物・
ダウジョーンズ工業株平均先物・
東証銀行業株価指数先物・
東証REIT指数先物
新型コロナウイルスの感染拡大により、売り注文が殺到
2020/3/18 東証マザーズ指数先物・
日経平均VI先物
新型コロナウイルスの感染拡大により、売り注文が殺到

このように、サーキットブレーカーの発動事例は意外と多くあります。共通するのは、大きな事件や災害などが起きた時に発動している点です。直近だと、新型コロナウイルスの感染拡大によるサーキットブレーカー発動が記憶に新しいですよね。

5.まとめ

サーキットブレーカーは、株価が暴落・暴騰したときに取引を停止する制度です。投資家の頭を冷やして、無茶な取引をさせないためのものとなっています。

万が一発動された場合には、株式市場が混乱している可能性が高いです。何も考えずに株を買ったり売ったりせず、焦らず冷静に対応しましょう。

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この記事の執筆者

にしけい
「やさしい株のはじめ方」の資産運用担当です。ファイナンシャルプランナー2級、証券外務員の資格を保有しています。年間200銘柄以上を分析中。

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