外食・小売りの株に投資をするコツはありますか?
ひっきーさんは、「初心者はわかりやすい外食や小売りの業種に投資をするのがよい」とおっしゃっていますが、具体的に、外食・小売りの株に投資をするコツはありますか?
以前にいただいたご質問「株を選ぶ基準を教えてください」で、外食や小売りは、ビジネスモデルがわかりやすいと回答しました。「外食株」の会社のイメージとしては、マクドナルドや吉野家、すかいらーくなどです。「小売り株」のイメージとしては、イオンやニトリ、良品計画(無印良品)などを想像してください。
外食や小売りの業種が、なぜわかりやすいかと言えば、まず、「①身近に店舗があるから」です。実際に店舗に足を運んで、自分の目で商品をチェックすることができることは大きいです。お客さんの入りもわかりますね。「以前は混んでいたのに、最近すいているなあ」と感じれば、それは不調の予兆かもしれません。
さらに、「②データ上もわかりやすい」です。外食や小売りは「月次(げつじ)」と呼ばれる、毎月の決算のようなものを出す会社も多いです。これは、昨年と比べて今年の調子がどうかを示す指標で、既存店売上高(青枠)と全店売上高(赤枠)があります。
(企業ホームページの「IR情報」から確認できます)
新規オープンしてから1年前後経過した店舗のことを「既存店(きそんてん・きぞんてん)」と言い、既存店における売上高を既存店売上高と言います。また、1年以内に新規オープンしたお店を含めた場合は「全店」と言い、全店における売上高を全店売上高と言います。
両者の使い分けですが、既存店売上高を見ることで、その会社の素(す)の実力がわかります。100%を基準にして、100%を切ってくると黄色信号と見てください。なぜなら、昨年の売上を今年は達成できていないことを示すからです。100%切ることが常態化してくると、これは赤信号に近いです。十分に気を付けてください。
また、全店売上高は、新規オープン分も含まれるので、会社全体の勢いを知るのに役立ちます。会社の方針(成長・出店の意欲)にもよりますが、全店では数字が下がってきていないかチェックしてください。高い位置で安定している会社は、よい会社と私は考えています。数字をじっと見ていても判断がつきにくいので、グラフにしてみると傾向がよくわかります。
★安心して投資を継続するためには、投資先のことをしっかりと知る必要があります。「何をやっているかわからないけど、なんか儲かりそうだから投資しよう!」と考えると、支えとなるものがないので、株価変動に思考が左右されてしまい、“握力”が強くなりません。握力というのは、その株を持ち続ける力のことです。自分が理解できるビジネスモデルで、どこで利益が出ているのか、わかりやすい会社に投資をしましょう。
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投資歴18年目の株初心者アドバイザーです。2005年からの投資成績は+2億円を突破しました!2009年に発売した著書『はじめての株1年生 新・儲かるしくみ損する理由がわかる本』は、累計59,000部のロングセラー。その他、数多くの金融系メディアにも寄稿しています。