決算発表で株価が下がるのがこわいです
決算発表後に株価が大きく下がった経験があり、「決算またぎ」をするのがこわくなってしまいました。決算前に、一旦すべて売ってしまったほうが良いのでしょうか?
結論から申し上げて、投資スタンスが中長期投資であるならば、決算はこわがらずに、そのまま持っていたほうが良いです。
解説の前に、まず、決算のおさらいをしましょう。決算とは会社の通信簿です。決算書を読むことで、その期間の業績を読み解くことができ、またどうしてこのような業績になったのか、理由も分かります。そして、決算を見た既存株主は、「今後も株を持ち続けようか、それとも売ってしまおうか」、新しい投資家は、「この決算なら買ってみようか、見送ろうか」などと、さまざまな投資家が売買の判断をします。
よって、決算発表があると、投資家の思惑から株価は大きく動きます。株価が変動する材料の中でも、もっとも株価が動く材料と言っても過言ではありません。同じ理由で、出来高(売買の成立)も多くなります。
さて、なぜ「決算またぎ」をしたほうが良いのか、という話に戻りますが、2つの理由があります。
1つ目は、決算前に売ってしまうことで、大きな上昇を逃しかねないことです。中長期投資では、決算発表で株主価値と株価のずれが修正される役割を持っていると見ています。もっとかんたんに言うと、決算発表によって、本来株価があるべき水準に修正されやすいということです。つまり、割安になっている株は株価が上がり修正され、割高になっている株は株価が下がり修正されるということです。
もちろん、決算発表の次の日に、すべて株価に織り込まれるとは限りませんが、決算発表が契機になって、株価の方向性が決まってくるのはよく見かけます。よって、中長期投資においては、決算発表が重要な要因です。
2つ目の理由は、利益が出ているときに売ってしまうと、税金がかかってしまうことです。含み益のうちは、税金はかかりませんが、利益確定してしまうと、約20%の税金が取られてしまいます。再度買い直したとしても、投資効率は格段に落ちてしまいます。よって、中長期投資と割り切って、長い目で会社を見守るのであれば、安易に売却をするべきではないと思います。
以上の2つの理由により、決算後に売買の判断をすることは必要であるものの、決算前に一旦売ることはデメリットが大きいと思います。決算は株価上昇の契機にもなりやすいので、ワクワクして迎えられると良いですね!
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投資歴18年目の株初心者アドバイザーです。2005年からの投資成績は+2億円を突破しました!2009年に発売した著書『はじめての株1年生 新・儲かるしくみ損する理由がわかる本』は、累計59,000部のロングセラー。その他、数多くの金融系メディアにも寄稿しています。