信用取引で買った株が株式分割したらどうなりますか?
信用取引で買った会社の株が株式分割を発表しました。建玉はそのままにしておいても問題ありませんか?
結論としては、基本的にはそのまま持っていて問題ありません。しかし、一般信用取引の場合は、一部で影響を受ける可能性がありますので、必要に応じて対処してください。
1:2などの分割 (整数倍) |
1:1.5などの分割 (整数倍ではない) |
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制度信用取引 | 現物取引と同じ | 建単価で調整される |
一般信用取引 | 現物取引と同じ | 信用期日が繰上げになる |
制度信用取引の場合
例えば、1:2の株式分割(整数倍の分割)が行われた場合、建玉の株数は2倍(100株→200株)になり、単価は半分(1000円→500円)になります。これは現物取引と同じです。しかし、「1:1.2倍」や「1:1.5倍」のような、整数倍ではない株式分割の場合は、少々複雑になります。株数は変わらずに、建単価のみ調整されます。新しい建単価になる計算式は次のとおりです。
分割後の建単価(新)
分割前の建単価(旧)-権利処理価格※
※権利処理価格とは、証券金融会社(日証金など)の権利入札によって決められる価格で、株式分割の権利落ち日に決定されます。
分割後の建単価が決まるしくみは非常に煩雑なので、こちらでは割愛いたします。具体的な計算の流れを知りたい方は、日本取引所グループ(JPX)の「信用取引の権利処理(新株予約権又は売買単位の整数倍以外の新株式等が割り当てられる場合)」の項目を熟読してください。
いずれにしても、投資家側で何もする必要はありません。
一般信用取引の場合
一般信用取引の場合も、基本的には制度信用取引と同様に、1:2の株式分割(整数倍の分割)が行われた場合、建玉の株数は2倍になり、単価は半分になります。しかし、1:1.5のような、整数倍ではない株式分割の場合は、期日が繰上げになり、株式分割の権利付き最終日が信用期日になります。
つまり、指定された権利付き最終日までに、自分で決済(反対売買)の注文を出さなければなりません。もし、これを行わなかった場合は、証券会社が強制的に決済を行うことになり、割増手数料(オペレーター経由での手数料など)がかかる可能性があります。詳細につきましては、ご利用中の証券会社にお問い合わせください。
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投資歴18年目の株初心者アドバイザーです。2005年からの投資成績は+2億円を突破しました!2009年に発売した著書『はじめての株1年生 新・儲かるしくみ損する理由がわかる本』は、累計59,000部のロングセラー。その他、数多くの金融系メディアにも寄稿しています。