投資信託を持っているだけで手数料がかかるって、本当ですか?
投資信託で長期投資を考えているのですが、個別株と違って、持ち続けている間もずっと手数料を払い続けると聞きました。どういうことでしょうか?
投資信託は、私たち投資家の代わりに、資産運用のプロが株や債券、不動産などの投資先を選び、運用してくれる商品です。投資家は、その分のコスト(人件費や必要経費)を支払う必要があります。これを「信託報酬(しんたくほうしゅう)」または運用管理費用といいます。
一般的に、投資金額に対して年間0.1%~3.0%の信託報酬が発生します。自動的に、投資した金額から、毎日引かれる仕組みです。信託報酬は投資信託の運用方針によって異なります。
投資信託には、大きく2つの運用方針があります。「インデックス運用」と「アクティブ運用」です。インデックス運用の信託報酬は低めで、アクティブ運用は高めに設定されています。その違いを説明します。
インデックス運用は、日経平均株価やTOPIXなどの、株価指数に連動した運用をおこないます。日経平均株価とは、かんたんに言うと日本の優良企業トップ225銘柄の平均株価のことです。TOPIXは、東証プライム上場銘柄や東証スタンダード上場銘柄の一部(東証一部から東証スタンダードへ移行した銘柄)の時価総額を合計して、計算した指標です。
国内だけでなく、海外の株価指数に連動した投資信託もあります。つまり、日本経済や世界経済が少しずつでも成長を続けている限り、安定したリターンが期待できる運用方法です。信託報酬も安いことから、幅広い投資家に人気があります。
アクティブ運用は、主に上記のような株価指数を上回る成績を目指すものです。相場の先読みや個別銘柄の分析、市場調査など、かなりの手間をかけて運用しているので、信託報酬が高い傾向にあります。
例として、信託報酬が低いことで有名なインデックス運用の「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」と、アクティブ運用の「三菱UFJ 米国配当成長株F(アクティブH)」の信託報酬を比較してみましょう。どちらのファンドも、米国などの先進国株式に投資をしています。
10,000円を1年間投資した場合のシミュレーションです。信託報酬には税金がかかるので、注意してください。
信託報酬にかかる税金
■インデックスファンド
【eMAXIS Slim先進国株式インデックス】 信託報酬0.11%(税込)
10,000円×0.11%= 11円
■アクティブファンド
【三菱UFJ 米国配当成長株F〈アクティブH〉】 信託報酬1.82%(税込)
10,000円×1.82%=182円
アクティブ運用の信託報酬は、インデックス運用のおよそ16倍です。投資信託を持つ期間が長く、投資金額が多いほど、信託報酬の金額も大きくなります。また、信託報酬が高い投資信託だからと言って、必ず良い成績が出るとは限りません。はじめのうちは、なるべく信託報酬の低いインデックス運用の投資信託を選ぶと良いでしょう。
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投資歴18年目の株初心者アドバイザーです。2005年からの投資成績は+2億円を突破しました!2009年に発売した著書『はじめての株1年生 新・儲かるしくみ損する理由がわかる本』は、累計59,000部のロングセラー。その他、数多くの金融系メディアにも寄稿しています。