投資信託には、どのようなコストがかかりますか?
投資信託で運用しようと考えているのですが、プロに運用をお任せするので、いろいろとコストがかかりそうで心配です。どのようなコストが発生するのでしょうか?
投資信託は、主に3つのコストがかかります。「購入時手数料」、「運用管理費用」、「信託財産留保額」です。1つずつ見ていきましょう。
1つ目の「購入時手数料」は、文字どおり投資信託を買うときにかかる手数料です。主要ネット証券では、2019年12月から投資信託の売買手数料をすべて無料とする証券会社※が増えてきましたが、それ以外の証券会社ですと、高くて3%ほどです。注意したいのは、同じ投資信託でも、金融機関によって手数料が変わることです。
例えば、「三菱UFJ国際-グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」という投資信託は、SBI証券で買うと購入時手数料は無料です。しかし、東洋証券で買うと1.62%の手数料がかかります。仮に100万円を投資すると、手数料だけで16,200円にもなります。大切なお金は、なるべく投資に回したいですね。ネット証券は、購入時手数料を無料としていることが多く、おすすめです。
※購入時手数料がかからない投資信託のことを「ノーロード・ファンド」と言います
※松井証券、マネックス証券、SBI証券、楽天証券、 auカブコム証券、LINE証券などは、取り扱うすべての投資信託の買付手数料が無料です
2つ目の「運用管理費用」は、投資信託を持っている期間に、毎日発生する費用です。一般的に「信託報酬(しんたくほうしゅう)」と呼ばれます。安いもので0.1%、高めのもので3%ほどです。この信託報酬の差は、「インデックスファンド」と「アクティブファンド」で大きくわかれます。多くの場合、インデックスファンドは信託報酬が低く、アクティブファンドは信託報酬が高めに設定されています。
インデックスファンドとは、日経平均株価やNYダウなどの、株式指数(インデックス)に連動して運用する投資信託のことです。アクティブファンドとは、株式指数などの動きを上回る成果を目標とする投資信託です。個別銘柄をしっかり調査・分析する必要があるため、運用に費用がかかります。その分、大きなリターンが得られることもありますが、インデックスファンドに比べてリスクは高くなります。
3つ目の「信託財産留保額」は、投資信託を換金するときに発生する手数料です。投資信託は、運用会社が株や債券、不動産などに投資をしてリターンを得ています。投資家が解約をした場合、運用会社はその代金を支払うために資産を売らなければなりません。その際に手数料がかかります。その手数料を、解約する投資家に負担してもらうのです。一般的には0.3%程度ですが、信託財産留保額がかからない投資信託もたくさんあります。
以上の3点が、投資信託の運用にかかるコストです。では、具体的に「インデックスファンド」と「アクティブファンド」を、10,000円分買って1年間持ち続けた場合、どれだけコストがかかるのか比較してみましょう。 ※計算を簡略化するため、基準価格(投資信託の値段)は変わらないものとします。
インデックスファンド | アクティブファンド | |
---|---|---|
購入時手数料 | なし | 3.49% |
信託報酬 | なし | 1.69% |
信託財産留保額 | 0.19% | 0.30% |
コスト合計 | 19円 | 540円 |
(※上記は税込です。信託報酬は小数点以下第3位を四捨五入)
インデックスファンドの例として、「インデックスコレクション(バランス株式30)」で計算します。購入手時手数料・信託財産留保額はかかりません。信託報酬は0.18%で、税込み0.19%です。この投資信託に10,000円投資すると、年間の合計コストは19円です。
アクティブファンドの例として、「ジャパン・アクティブ・グロース(分配型)」で計算します。購入時手数料は3.24%、信託報酬は1.57%、信託財産留保額は0.3%です。この投資信託に同じく10,000円投資すると、購入手数料が税込み3.49%、信託報酬が税込み1.69%、信託財産留保額が0.3%なので、購入時に349円、年間163円、解約時に28円かかります。年間の合計コストは540円です。
★投資信託には、購入時手数料のかからない「ノーロード型」がたくさんあります。投資初心者の人は、ノーロード型で、かつ信託報酬が低めに設定されているインデックスファンドがおすすめです。
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投資歴18年目の株初心者アドバイザーです。2005年からの投資成績は+2億円を突破しました!2009年に発売した著書『はじめての株1年生 新・儲かるしくみ損する理由がわかる本』は、累計59,000部のロングセラー。その他、数多くの金融系メディアにも寄稿しています。