インデックスファンドは配当金が出ますか?
株初心者ですが、将来配当金で暮らしていきたいと考えています。最近よく聞くインデックスファンドを毎月買い足して、20年後配当金で暮らせる状態になりたいのですが、そもそも配当金って出るんですか?
インデックスファンドに限らず、すべての投資信託から配当金は出ません。
配当金とは、「会社が稼いだ利益の一部を、株主に還元するもの」なので、株を購入している場合のみ受け取れます。インデックスファンドなどの投資信託は、投資家から集めたお金を「プロが代わりに運用する商品」です。商品であることから、会社が利益の一部を株主に還元する仕組みの「配当金」はありません。
※配当金について詳しく知りたい場合は、「高配当投資法」や「株初心者向け!“優良・安定”高配当株の探し方・見つけ方」の記事を参考にしてください。
配当金とは異なりますが、投資信託によっては「分配金」がもらえます。ここからは、インデックスファンドや分配金について解説していきましょう。
インデックスファンドとは
インデックスファンドとは、インデックス(指数)に連動した運用を目指すファンド(投資信託)です。指数とは相場全体の値動きや流れを読み取る指標のことで、代表的なものは「日経平均株価」、「TOPIX」などの株価指数や、債券指数などがあります。インデックスファンドは、それらの指数と同じような値動きを目標に運用されるのです。
日経平均株価が上がればインデックスファンドの基準価額※1も上がり、逆に日経平均株価が下がったら、インデックスファンドの基準価額も下がるように運用されます。
※1 投資信託1万口あたりの値段
インデックスファンドは、基本的に信託報酬(運用手数料)が安く設定されており、手軽に投資をはじめられることが魅力の投資信託です。詳しくは、グループサイト「やさしい投資信託のはじめ方」の「インデックスファンドとは?」をご覧ください。
インデックスファンドと分配金の関係を解説
冒頭で説明したとおり、インデックスファンドを含むすべての投資信託に配当金はありません。しかし、「分配金」が投資家に還元される、「分配型」の投資信託があります。
分配金とは、投資信託の元本(投資家が投資して集まったお金)から投資家に配られるお金のことです。大きく分けると、次の2種類があります。
種類 | 概要 |
---|---|
普通分配金 | 元本を上回る運用益の一部を投資家に支払う分配金 |
元本払戻金 | 元本を切り崩して投資家に支払う分配金 |
「普通分配金」は、運用成績が良いときに利益の一部から還元され、「元本払戻金」は、運用成績が悪いときに元本から切り崩して支払われるものです。普通分配金にはメリットが多いように感じますが、「基準価額が下がる」というデメリットもあります。投資信託は複利※2で儲けを増やす商品なので、基準価額が下がると投資効率も下がってしまうのです。
※2 利子にも利子がついて、雪だるま方式に利益が増えていく仕組みのこと。
普通分配金は投資信託の運用で出た利益から切り崩すので、複利効果が薄くなってしまいます。そこで、分配金を受け取るのではなく再投資する方法や、そもそも分配金がない「無分配型」の投資信託に投資する方法があります。
再投資型の投資信託は、インデックスファンドより「アクティブファンド※3」に多く、人気を集めているのは「三井住友DS-グローバルAIファンド」や「アライアンス・バーンスタイン米国成長株投信」などです。
※3 株価指数などの指標を上回る運用を目的とする投資信託。詳しくは「アクティブファンドとは?」の記事を参考にしてください。
また、無分配の投資信託はインデックスファンドに多く、三菱UFJ銀行が運用する「eMAXIS Slimシリーズ」は、運用利回りが5%前後(2022年2月現在)と好成績で運用されています。
再投資や分配金のさらに詳しい内容は、グループサイト「やさしい投資信託のはじめ方」の「投資信託の分配金は受け取る? それとも再投資?」で解説しています。
投資信託から出るのは、「配当金」ではなく「分配金」です。分配金には投資効率が悪くなる側面もあるので、分配型の投資信託を購入する際は注意してください。
配当金を受け取りたい場合は、株式投資をしましょう。ただし、日本の平均的な配当利回りは、2%前後※4と高利回りではありません。高配当銘柄を探すなら、「高配当株一覧表」の記事を参考にしてください。また、コツコツ堅実に資産を増やすなら、運用利回り5%前後を期待できるインデックスファンドもひとつの手です。
※4 最新の平均利回りはJPXのサイトで確認できます。
サイト内の参考ページ
この質問を見た人は、こちらも読んでいます
お悩みをキーワードで検索する
お悩み検索
他のお悩みを検索できます
投資歴19年目の株初心者アドバイザーです。2005年からの投資成績は+2億円を突破しました!2009年に発売した著書『はじめての株1年生 新・儲かるしくみ損する理由がわかる本』は、累計59,000部のロングセラー。その他、数多くの金融系メディアにも寄稿しています。