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信用買い残が多い(減少する)とどうなる?どこで見れるか、調べ方も解説
証券会社にログインして銘柄を検索すると「信用データ」や「日証金 貸借取引残高」というデータが見られるのをご存知でしょうか。ここには「信用買い残」や「信用売り残」といった情報が載っており、数値の変化から将来の株価動向を予想できます。
具体例を挙げると、信用買い残が多いと株価が上がらない可能性があり、信用買い残が減少すると株価が上昇しやすくなります。信用買い残はとても便利な指標ですが、基本的に情報更新は週1回です。
しかし、信用買い残の情報を毎日チェックする裏ワザがあります!それは、松井証券が提供する日本株アプリを使うことです。このコラムでは、信用買い残のデータをチェックする方法を株初心者向けにわかりやすく解説しています。ぜひ最後まで読んでくださいね。
信用買い残が多いとどうなる?
信用買い残が多いと、株価が上がらない可能性があります。なぜこのようなことが言えるのか、理由を説明しますね。
まず「信用買い残」とは、投資家が証券会社からお金を借りて株式を買い、まだ決済(返済のための売却)されていない株数のことです。
投資家が信用取引でお金を借りて株式を買った場合、原則として「6か月以内※1」にそのお金を返さなければなりません。つまり、信用買い残は「投資家が将来に売却して現金化しなければならない株数」を表しているのです。
※1 返済期限なしの「無期限信用取引(一般信用取引)」もあります。ただし、金利負担があるため長期間の保有には限界があり、いずれ返済されます。
このため、信用取引で借りたお金の返済期限が近づけば、投資家が現金化のために持ち株を売るため、株価が上がりにくくなります。他の投資家もこのような動きをあらかじめ予想できるので、買うのをためらうでしょう。
以上の理由から、信用買い残が多いと株価が上がりにくいと言えるのです。
信用買い残が減少するとどうなる?
信用買い残が減少すると、株価が上昇しやすくなります。
先ほど説明したように、信用買い残は「投資家が将来に売却する株数」を表しているのでした。つまり、信用買い残の減少は「将来的な売り圧力が弱くなった」ことを意味します。視点を変えると「好材料が出たときに株価が上昇しやすくなった」と言えるでしょう。
ただし、「なぜ信用買い残が減少したのか」の理由を探っておく必要があります。業績悪化などのネガティブな理由で信用買い残が減った場合、“信用買い残が減ったから”という理由だけでその銘柄に投資するのは危険だからです。
ここで、信用買い残が減少する理由を4つ紹介します。
信用買い残が減少する理由
- 株価の大幅上昇による利益確定
- 株式市場の急落による強制ロスカット
- 業績見通しの悪化などによる売却
- 材料不足による新規買い建ての枯渇
このうち、③と④の場合は業績の成長が期待できない場合があるので、注意が必要です。
信用売り残とセットでチェック
信用買い残を使って株価の先行きを分析する際、「信用売り残」とセットでチェックするとよいでしょう。この場合、信用買い残を信用売り残で割った「信用倍率」という指標を使うと便利です。
信用売り残とは、証券会社から株券を借りて空売りしたまま決済(買戻し)されていない株数を指します。証券会社から借りた株券を返すため、将来どこかのタイミングで買戻す必要があります。つまり、信用売り残は将来の買い圧力と言えるのです。
信用倍率を活用する
信用買い残は将来の売り圧力、信用売り残は将来の買い圧力となります。両者が綱引きをした結果、株価が上下どちらに動くかが決まる仕組みです。
つまり、信用買い残と売り残のどちらが多いかを見ることで、将来の株価を予想できます。その際に使うのが「信用倍率」と呼ばれる指標です。
信用倍率は、信用買い残を信用売り残で割って求めます。
信用倍率の計算式
信用倍率=信用買い残÷信用売り残
信用倍率は、買い残が売り残よりも多い「1倍以上」が一般的です。信用倍率が1倍を大きく上回って推移している場合は、将来的な売り圧力が強いと言えます。一方、信用倍率が1に近づいていくと、将来的な買い圧力が強まっていると考えられるのです。
判断基準 | 考え方 |
---|---|
1倍を大きく上回っている | 将来的な売り圧力が強い |
1倍に近づく | 将来的な買い圧力が強い |
信用倍率を使うと、かんたんに将来の買い圧力と売り圧力のどちらが強いかをチェックできます。ぜひ活用してくださいね。
信用買い残・売り残・信用倍率はどこで見れるか?調べ方も解説
信用買い残や売り残、信用倍率といった情報は、証券会社の銘柄個別ページでチェック可能です。例えば、SBI証券では下の画像のように信用買い残や売り残、信用倍率の情報が載っています。
楽天証券やマネックス証券でも同じように表示されています。ここで、よく見ると「信用データ」と「日証金 貸借取引残高」の2種類が表示されていますね。それぞれの違いを説明します。
信用データとは
信用データは、東京証券取引所を運営する日本取引所グループが発表するデータです。毎週第2営業日(火曜日)17:00頃に更新されます。信用取引には「制度信用取引」と「一般信用取引」の2種類があり、信用データには制度信用取引と一般信用取引の合計が掲載されています。
ここで、制度信用取引と一般信用取引について、かんたんに説明しますね。どちらも投資家が証券会社からお金や株券を借りる取引ですが、登場人物が異なります。
制度信用取引では、投資家と証券会社以外に「日本証券金融」と呼ばれる証券金融会社が登場します。信用取引は、投資家が証券会社からお金や株券を借りるのでした。
信用取引が活発になると、証券会社の資金や株券の在庫が不足することがあります。このとき、証券会社は日本証券金融から資金や株券を借りる「貸借取引」を実施するのです。
出典:SMBC日興証券 | 信用取引の「制度信用」と「一般信用」の違い 特徴を知って賢い株取引を
一方、一般信用取引は、投資家と証券会社の2者間で取引が完結します。日本証券金融や貸借取引が絡まないので、自由度の高い信用取引が可能です。
出典:SMBC日興証券 | 信用取引の「制度信用」と「一般信用」の違い 特徴を知って賢い株取引を
以上から、信用データは市場全体の信用取引の状況を調べる際に役立つ指標となります。
日証金 貸借取引残高とは
日証金の貸借取引残高は、「日本証券金融(日証金)」が発表するデータです。速報と確報の2種類があり、速報は当日19:00~21:00頃、確報は翌日11:30~16:00頃に更新されます。信用データとは違い、日証金の貸借取引残高は制度信用取引のみのデータです。
日本証券金融は、制度信用取引において証券会社に対してお金や株券を貸し出す役割を担っているのでした。したがって、日証金の貸借取引残高を見ると、証券会社が日本証券金融からどれだけお金や株券を借りたか(返済したか)がわかります。
信用データとは違って、市場全体の信用取引状況を表すわけではないので注意が必要です。ただし、日証金の貸借取引残高は毎日更新されるので、直近の信用取引状況をチェックしたいときに役立ちます。
信用データを毎日チェックする裏ワザを紹介
信用データは基本的に「毎週第2営業日(火曜日)17:00頃」の更新ですが、松井証券が提供している「日本株アプリ」では東証に上場する全銘柄の信用データを毎日チェックできます。市場全体の信用取引状況が毎日わかるので、株価が急激に変動したときなど、分析をスピーディーにおこなえる点が魅力です。
また、日本株アプリでは、日本取引所グループ傘下のJPX総研が提供するデータを使って、さまざまな情報を提供しています。例を挙げると「機関投資家の空売り状況」を毎日チェック可能です。
空売り状況と言えば、専門サイトを見るのが一般的でしょう。しかし、専門サイトでは空売りの残高が表示される仕様です。「機関投資家が空売りして当日中に買戻した」場合は、その取引を追いかけることができません。
日本株アプリでは「約定ベース」で機関投資家の空売り状況をまとめているので、先ほどの事例でも記録が残ります。機関投資家の空売りを正確に把握できるため、とても価値が高い機能です。
松井証券が提供する日本株アプリは、信用データだけでなく機関投資家の空売り状況までスピーディーに把握できます。松井証券に口座開設すれば誰でも無料で使えるので、この機会に口座開設してくださいね。
口座開設料・年会費などは一切かかりません。
まとめ
信用買い残が多い(減少する)とどうなるか、どこで見られるかを解説してきました。信用買い残をチェックすると、将来の売り圧力がどれくらいあるかがわかります。この際、信用買い残だけでなく「信用倍率」もチェックするのがおすすめです。
信用買い残や売り残の情報は、各証券会社が公表しています。市場全体の情報は基本的に週1回ですが、松井証券の日本株アプリでは毎日更新されます。信用取引の状況をスピーディーに把握できるので、松井証券に口座開設して日本株アプリを手に入れましょう。
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