時価総額とは?わかりやすく解説します

担当:やさしい株のはじめ方編集部

担当・やさしい株のはじめ方編集部

最終更新日:2022年4月15日

時価総額(じかそうがく)とは、会社の価値を表す指標です。別の見方をすると、会社を丸ごと買うのに必要な金額(会社に付けられた値段)となります。時価総額が大きいほど、会社の価値が高いと判断ができます。

株式投資では、同業他社と時価総額を比較して会社の価値を見極めたり、時価総額が小さい会社の中から成長企業を発掘したりします。株式投資をする上では、PERPBRと同じくらい大事な指標です。新聞やニュースでもよく登場するキーワードなので、しっかり勉強しましょう!

1.時価総額とは?

この記事の冒頭でお伝えしたように、時価総額は、「会社の価値」を表す指標です。そのため、時価総額が大きいほど、会社の価値が高いと判断します。

また、時価総額は「会社を丸ごと買うのに必要な金額」を表している側面もあります。理由は、時価総額の計算式を見ると明らかです。

時価総額=株価×発行済株式数

時価総額は、“株価”と“発行済株式数”で計算されます。会社の株は市場で取引されているので、発行済株式数すべてを買ってしまえば、その会社を丸ごと自分のものにできるわけです。つまり、時価総額は「会社に付けられた値段」を表しています。

会社に付けられた値段は、その時々によって変化しています。実は、時価総額には業績や投資家の期待などが、影響を及ぼすからです。時価総額が変化する理由にはどのようなものがあるのか、見ていきましょう。

2.時価総額が変化する要因

時価総額は、株価発行済株式数から計算できるので、それぞれの要素が変われば、時価総額も変わります。どのような要因で変化するのか、順番に見ていきましょう。

2-1.株価が変化する場合

株価が変化する場合には、次の3つが考えられます。

  • 利益が変化する
  • 純資産が変化する
  • 投資家の期待が変化する

株価が変化する理由が3つあるのは、株価が次の2つの計算式で求められるからです。

株価=EPS(1株あたり純利益)×PER(株価収益率)
株価=BPS(1株あたり純資産)×PBR(株価純資産倍率)

EPSは「1株あたり純利益」、BPSは「1株あたり純資産」、割安性を測るPERPBRは「投資家の期待」を表します。つまり、株価を変化させる要素が3つ存在しているのです。ですので、業績が良くなってEPSやBPSが増えたり、投資家の期待が高まってPERやPBRが上がったりすれば、株価は上昇します。株価が変化した場合には、何が原因で変化したのかを調べましょう。

2-2.発行済株式数が変化する場合

時価総額に影響を及ぼす発行済株式数の変化として、新株の発行が代表的です。新株を発行すれば、その分だけ発行済株式数が増えるので、時価総額が高くなります。ちなみに、新株を発行する理由は、投資家からお金を集めて、設備投資などの成長にお金を使うためです。

3.日本の時価総額ランキング

日本の時価総額ランキングTOP5を紹介します!

<日本の時価総額ランキング TOP5>

順位 銘柄名 時価総額
トヨタ自動車(7203) 35.1兆円
ソニーグループ(6758) 14.0兆円
日本電信電話(9432) 13.5兆円
4位 キーエンス(6861) 13.3兆円
5位 三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306) 9.9兆円

(2022年4月現在)

トヨタ自動車をはじめ、日本を代表する企業が名を連ねていますね!時価総額ランキング1位のトヨタ自動車は、「35.1兆円」とかなり大きく見えます。世界と比べるとどうなのでしょうか?世界の時価総額ランキングも見てみましょう。

4.世界の時価総額ランキング

世界の時価総額ランキングTOP5を紹介します!

<世界の時価総額ランキング TOP5>

順位 銘柄名 時価総額
アップル(APPL) 270.0兆円
サウジアラムコ 227.4兆円
マイクロソフト(MSFT) 210.0兆円
4位 アルファベット(GOOG・GOOGL) 168.0兆円
5位 アマゾン・ドット・コム(AMZN) 154.0兆円

(2022年4月現在)

世界の時価総額ランキングトップは、Appleで「270.0兆円」です。世界中で使われているiPhoneメーカーなので、時価総額ランキング1位も納得の結果ですよね。日本の時価総額ランキングトップだったトヨタ自動車と比べると、その差は約8倍です。Appleの価値が相当高いのがわかりますね。

ランキング全体を見渡すと、2位のサウジアラムコを除いて、すべてアメリカの会社となっています。しかも、GAFAに代表されるアメリカのIT企業が上位を占めており、アメリカが世界のIT業界をけん引しているのがわかりますね。

以上から、アメリカを中心としてIT企業が生み出す付加価値は相当大きく、それが時価総額の高さとなって表れていると言えるでしょう。

ちなみに、日本がバブル真っただ中だった“1989年(平成元年)”は、世界の時価総額ランキングに日本の会社が数多くランクインしていました。しかも、TOP5をすべて日本の会社が占めていたのです。

<世界の時価総額ランキング TOP5(1989年)>

順位 銘柄名 時価総額
日本電信電話(9432) 16.4兆円
日本興業銀行 7.2兆円
住友銀行 6.9兆円
4位 富士銀行 6.7兆円
5位 第一勧業銀行 6.6兆円

日本電信電話を除いて、すべて銀行となっているのもおもしろいですね。実は、バブル景気の中で、銀行は資産価値が高くなった土地を担保に積極的な融資を展開していました。これによって、銀行の業績は大きく成長し、時価総額が高まっていたのです。当時のバブル経済の勢いを感じますね。

しかし、バブルが崩壊すると日本の景気は冷え込みました。かなり積極的な融資を繰り返していた銀行は、融資の回収ができなくなりました。そして、倒産する銀行が出てきたり、経営統合で耐えざるを得なかったりする銀行が増えたのです。このような理由から、時価総額ランキング上位を占めていた銀行などの業績が悪化し、時価総額ランキングが入れ替わりました。

この中で大きく時価総額を伸ばしたのが、アメリカのIT企業です。パソコンや携帯電話、インターネットの普及に合わせて、GAFA企業が存在感を高めていきました。

以上をまとめます。同業他社どうしで時価総額を比べると、その会社が生み出している価値の高さがわかります。また、時価総額ランキング上位にどんな会社が入っているかを見ると、時代をけん引している企業や業界がわかります。余裕がある方は、時系列で比べるのもおすすめです。

5.時価総額が大きい会社を買えばよい?

時価総額は会社の価値を表すので、「時価総額が大きな会社を買えばよい」と思いますよね。間違ってはいませんが、株式投資で利益を生み出すためには、必ずしも正しいとは言い切れません。

なぜなら、時価総額が数千億円~数兆円と大きい会社は、すでに会社の規模が大きくなっている場合が多く、今後さらに時価総額が大きくなるとは考えにくいからです。

たとえば、「時価総額10億円のベンチャー企業」と、「時価総額10兆円の超優良企業」を比べてみましょう。時価総額10億円の会社が倍の20億円に成長するのは想像しやすいですが、時価総額10兆円の会社が倍の20兆円に成長するのは、少し考えにくいですよね。つまり、時価総額が小さい会社ほど、成長余地が大きいと言えるのです。

ここで、時価総額の計算式を振り返ってみましょう。時価総額は、株価と発行済株式数で計算できるとお伝えしました。つまり、時価総額が小さい(=時価総額の拡大余地が大きい)会社は、増資などで発行済株式数が変わらないと仮定したとき、株価が大きく上昇するかもしれないのです。

以上の点から、株式投資で利益を得るためには、時価総額が大きい会社よりも、あえて時価総額が小さい会社に投資した方が良いと言えます。

6.時価総額を株式投資に活かす方法

時価総額は、PERPBRと比べると漠然としているので、株式投資に使うためにどうすればよいのかわからない方が多いと思います。そこで、「やさ株流!時価総額の使い方」を紹介します。時価総額の使い方で悩んでいる方は、ぜひ参考にしてくださいね!

6-1.やさ株流!時価総額の使い方

結論から先に言うと、「時価総額1,000億円以下の企業を選ぶ」使い方です。理由は、時価総額1,000億円以下に、時価総額の上昇余地が大きい会社がたくさん集まっているからです。

この方法を使うと、中長期で投資するのにぴったりな割安成長株を買えるようになります。誰もが知っているような大型株はありませんが、これから知名度が高まって大化けするような「成長力の高い会社」をたくさん見つけられるので、おすすめです。

6-2.時価総額1,000億円以下の会社を見つける方法

会社の時価総額をひとつずつ見るわけにはいかないので、SBI証券の“銘柄スクリーニング”を使うのがおすすめです。このツールは、SBI証券に口座開設すれば、誰でも無料で使えます。それでは、銘柄スクリーニングの使い方を、実際の画面を使いながら紹介します。

1.銘柄スクリーニングは、SBI証券にログインした後、左側の検索窓の下にある『銘柄スクリーニング』をクリックすると出てきます。

銘柄スクリーニングをクリック

2.銘柄スクリーニングが出てきたら、画面の左下にある『検索条件を追加』をクリックしましょう。

検索条件を追加をクリック

3.「株価パフォーマンス」のタブ内に『時価総額』があるので、チェックボックスにチェックを入れてください。

時価総額のチェックボックスにチェックを入れる

4.画面左側に時価総額が表示されたら、左側の枠に『0』、右側の枠に『100000』(ゼロ5つ)と入力しましょう。数字を入れる際、「百万円単位」なので、1,000億円は100,000百万円となります。慣れるまでは混乱するかもしれませんが、億円単位にゼロを2つ付けると覚えておいてくださいね。

時価総額のスクリーニング条件を設定

5.時価総額1,000億円以下の会社が表示されます。

スクリーニングの結果

「時価総額1,000億円以下」の条件のみでスクリーニングした場合、条件に当てはまる銘柄が3,000銘柄以上あるので、この状態ではスクリーニングの意味はほとんどありません。あくまで条件のひとつとして示しただけなので、PERやROEなどの指標と組み合わせて、スクリーニングすると効果的です。

SBI証券の銘柄スクリーニングは、SBI証券に口座開設すれば、誰でも無料で使えます。まだ口座を持っていない方は、この機会に作ってみてはいかがでしょうか?

7.会社の価値は「株価」では測れないの?

“会社の価値”と聞いて、直感的に思い浮かぶのは「株価」ではないでしょうか?私たちが買い物するときを思い出すと、商品に付けられている「値札」を見て購入を決めるので、株価を見るのは自然な流れですよね。

しかし、株式投資においては、株価だけを見て安いかどうかを判断するのは間違っている、と言い切れます。なぜ間違っているのかを説明するにあたり、かんたんなクイズを解いていただきましょう。次の2社のうち、価値が高いのはどちらだと思いますか?少し考えてみてください。

企業名(証券コード) 株価
トヨタ自動車(7203) 2,131.5円
任天堂(7974) 64,960円

(2022年4月現在)

株価だけを見ると、高い株価が付いている任天堂のほうが、トヨタ自動車よりも価値が高いように感じますよね。実際、任天堂は数々のゲーム機やゲームソフトを生み出す、超優良企業です。しかし、時価総額はどうでしょうか?

企業名(証券コード) 株価 発行済株式数 時価総額
トヨタ自動車(7203) 2,131.5円 163億株 35.1兆円
任天堂(7974) 64,960円 1.3億株 8.3兆円

(2022年4月現在)

なんと、株価は任天堂のほうが高かったのに、時価総額はトヨタ自動車のほうが高くなっています。時価総額の考え方に基づくと、トヨタ自動車のほうが会社の価値が高いと言えるのです。

株価を見るか、時価総額を見るかで判断が分かれてしまう理由は、発行済株式数にあります。トヨタ自動車は株価が任天堂よりも安いですが発行済株式数が任天堂の約125倍も多いため、結果として時価総額が高くなっているわけです。

つまり、株価は発行済株式数の影響を受けてしまうので、会社の価値を正確に表していません。会社の価値を知りたいときは、時価総額を使うべきです。

8.時価総額を使うときの注意点

時価総額を使って会社の価値を比べるときは、次の2点に注意する必要があります。

  • 新株を発行している
  • 優先株を発行している

それぞれ説明します。

8-1.新株を発行している

新株を発行すると、発行済株式数が増えるので、その分だけ時価総額が大きくなります。急に時価総額が大きくなった場合は、新株を発行したのか会社の価値が評価されたのかのどちらかです。時価総額が変化した理由を探るようにしましょう。

8-2.優先株を発行している

優先株とは、普通の株よりも配当金を多く受け取れるなどの条件が付いたものです。この優先株は、ネット上で取得できる時価総額には加味されていないケースがありますそのため、調べている会社が優先株を発行している場合は、「優先株の株価×優先株の数」を時価総額に足してから、他の会社と比べましょう。

なお、優先株の株価は、有価証券届出書の「募集の方法」に記されている、「発行価額の総額」と「発行数」から計算できます。少しハードルが高いので、株初心者の方は「こういう場合があるんだ」と知っておけば十分です。

9.まとめ

以上、時価総額の意味や見方、ランキングを紹介しました。会社の価値を知りたいときに役立つ指標なので、ぜひ覚えておいてくださいね。また、時系列で会社の入れ替わりを見ると、その時代をけん引する会社や業界が見えてきます。余裕がある方は、時系列での比較にもチャレンジしてみてください。

この記事の執筆者

やさしい株のはじめ方編集部
「株初心者の方に株式投資をわかりやすく理解していただく」をモットーに、記事を執筆しています。当サイトを見て、少しでも“勉強になった”と思っていただければ幸いです。

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