株価が下落する相場で利益を出すには、どんなやり方がありますか?
新型コロナショックの影響で、保有株が大きく下落してしまいました。こんな時に、相場の下落を利用して利益を出す方法があるそうですが、具体的には、どんなやり方をすれば儲かりますか?
お悩みのように、新型コロナショックのような相場では、毎日のように保有株の株価が下がって心がしんどいですよね。株価下落が続くと、証券会社の取引画面にログインしたくなくなってしまいます…。そこで、「株価が下がるときに利益が出る方法」を3つご紹介します。私も実践している方法もありますので、それぞれ見ていきましょう。
①インバース型のETFを買う
「インバース」には、「反対の」という意味があり、「インバース型ETF」とは、株価指数(日経平均株価やTOPIX)と逆の動きを目指すETF(上場投資信託)のことです。かんたんに言うと、日経平均株価が下がれば、下がった分利益が出る設計になっています。
例えば、インバース型のETFを買った場合、日経平均株価が「1%」下がれば、約「1%」の利益が出ます。同じように、ダブルインバース型というETFがあり、これは、インバース型の2倍(ダブル)の値動きをします。日経平均株価が「1%」下がれば、2倍の「2%」の利益が出るような仕組みになっています。
ETFなので、株と同じように銘柄コードがあり、株を買うような感覚で手軽に注文を出せるのが便利です。私が使っているものを、いくつかご紹介しますね。
銘柄コード | ETF名(上場投資信託) |
---|---|
1571 | NEXTFUNDS 日経平均インバース・インデックス連動型上場投信 |
1580 | 日経平均ベア上場投信 |
銘柄コード | ETF名(上場投資信託) |
---|---|
1357 | NEXTFUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信 |
1360 | 日経平均ベア2倍上場投信 |
ただし、インバース型ETFには大きな欠点があります。それは、長期保有を続けると、徐々に価格が下がってしまうことです。ここでは、詳しい解説は省略しますが、短期的な運用に向いている商品といえます。
②個別株を空売りする
株価が下がると思った株を空売り(信用売り)することで、利益を出すことができます。具体的には、証券会社から株を借りておき、株価が下がったら株を返済します。その価格差が利益となります。例えば、株価1,000円で100株空売りをしておき、株価900円のときに決済(返却)すれば、1万円(=100円×100株)の利益が出ます。
それでは、どんな株を空売りすれば利益が出るのでしょうか?当然、株価が下がる会社の株を空売りする必要があるので、日本の景気後退を予測している場合には、いわゆる景気敏感株(景気循環株・シクリカル株)がおすすめです。業種で言えば、「鉄鋼、化学、紙パルプ」のような素材、「自動車、半導体、工作機械」のような製造業などが当てはまります。具体的には、日本製鉄(5401)、日産自動車(7201)、コマツ(6301)などです。私もこのあたりの株を空売りして、リスクヘッジをしていました。
空売りは非常に便利なツールですが、注意点も多いです。まず、空売りするには、信用取引ができる口座(信用口座)を作る必要があります。また、貸借銘柄に採用されていない銘柄は、空売りをすることはできません。そして、一番気をつけたいことは、予想に反して、株価が上昇してしまったときに大きな損失となってしまう恐れがあることです。
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③日経平均株価の先物を空売りする
日経平均株価の先物を空売りすることで、日経平均株価が下がったら利益を出すことができます。株価が下がれば、利益が出るのはインバース型ETFと同じですが、大きな違いは証拠金による取引になることです。例えば、ミニ日経225先物取引では、8.1万円の証拠金で、204万円の取引となる(レバレッジ約25倍)ので、大きなレバレッジがかかります。資金管理には十分に気を付けてください。
(出典:SBI証券)
もっと詳しい解説をしたいのですが、私がやったことのない取引ですので、これくらいのかんたんな解説に留めておきます(笑) ※先物・オプション取引をされる方は、口座開設を済ませておきましょう。
★株価が下落する相場で利益を出す方法を3つ紹介しました。このようなリスクヘッジの方法を使わずに、現金比率でリスク管理をするのがまずは定石です。ただ、明らかに下落しそうだと感じているときは、利益を出すチャンスかもしれません。あらかじめ口座を開いておき、必要なときにすぐに取り掛かれるようにしておくとよいかもしれませんね。
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投資歴18年目の株初心者アドバイザーです。2005年からの投資成績は+2億円を突破しました!2009年に発売した著書『はじめての株1年生 新・儲かるしくみ損する理由がわかる本』は、累計59,000部のロングセラー。その他、数多くの金融系メディアにも寄稿しています。