インバースやダブルインバースのETFとは何ですか?仕組みや買い時を教えてください
株価下落時に利益を出せるETFがあると聞きましたが、どんな商品ですか?また、買い方を教えてください。
まず、「インバース」とは、「反対の」という意味を持っています。また、「インバース型のETF」とは、日経平均株価のような株価指数とは逆の動きになるETF(上場投資信託)です。つまり、日経インバースというETFを買った場合には、日経平均株価が下がれば利益が出る仕組みになっています。
具体的な例でお話ししますと、インバース型のETFを買っているとして、「日経平均株価が1%下がれば、逆に1%の利益が出る」仕組みなのです。なぜ、相場と反対に動くかというと、このETFは先物取引などを巧みに使って、株価下落時に儲かるしかけとなっているからです。
他にも「ダブルインバース」というETFがあり、これは、株価指数に対して「ダブル=2倍」の値動きを目指します。つまり、日経平均株価が1%下がれば、2倍の2%利益が出るような仕組みになっています。
インバース型ETFの買い方ですが、ETFなので株と同じように銘柄コードがあり、株を買うような感覚で注文することができます。おすすめのETFは出来高がしっかりとあるものです。ピックアップして、表にしました。
銘柄コード | ETF名(上場投資信託) |
---|---|
1571 | NEXTFUNDS 日経平均インバース・インデックス連動型上場投信 |
1580 | 日経平均ベア上場投信 |
銘柄コード | ETF名(上場投資信託) |
---|---|
1357 | NEXTFUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信 |
1360 | 日経平均ベア2倍上場投信 |
1459 | 楽天ETF‐日経ダブルインバース指数連動型 |
ただし、インバース型のETFには重大な欠点があります。それは、長期保有を続けると、どんどん価値が小さくなってしまうことです。下のチャートをご覧ください。
(出典:ヤフーファイナンス)
これは、日経平均株価と日経インバースの5年チャートです。赤線が日経平均株価の変動率で、青線が日経インバース(1571)です。本来、この2つはまったく正反対に動かなければなりませんが、0からスタートして、5年後の最新の状態を見てみると、日経平均株価は「+10%」のところにあり、日経インバースは「-40%」のところにいます。後者のパフォーマンスがよくないことがわかります。
ここでは、詳しい解説は省略しますが、日々の株価変動で、上昇と下落を繰り返していくと、指数に対して負ける構造になっているのです。よって、短期的な運用に向いている商品で、長期的に保有するとかなり不利な商品といえます。これは絶対に覚えておいてください。
★手軽に投資できるので、実は私もお世話になりました。“コロナショック”の下落のときに、初めて買ったのですが、「株価が下がりそうだな~」と感じつつ、「保有株を売却するのは面倒だな~」と思ったときに買いました。その後、日経平均株価が大きく調整したので、保有株は下落したものの、ダブルインバースのおかげである程度のリスクヘッジにはなりました。
他の使い方としては、週末や連休など、しばらく株式市場が開かないときに株価下落の可能性があれば、リスクヘッジとして買っておくと便利です。
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投資歴18年目の株初心者アドバイザーです。2005年からの投資成績は+2億円を突破しました!2009年に発売した著書『はじめての株1年生 新・儲かるしくみ損する理由がわかる本』は、累計59,000部のロングセラー。その他、数多くの金融系メディアにも寄稿しています。