空売りで効率よく儲かるやり方を教えてください
信用取引を使って空売り(信用売り)を始めましたが、なかなか思うように利益を上げられません。空売りをするうえで、効率よく儲かるやり方があれば教えてください。
<空売りのしくみ>
A地点の株価で、証券会社から借りた株を売って(空売り)、B地点の株価で株式市場から買い戻したとき、両者の株価の差が利益となります。
空売りで利益を上げるためには、まず、上の図のような「高く売って、安く買い戻す」という儲かるしくみを理解してください。このような株取引をおこなうためには、株価が下がらなくては利益が出ませんので、株価が下がる条件を頭に入れておきましょう。
基本的には、業績悪化のニュースが出ると、株価は下がります。
①下方修正
業績の下方修正がでると、株価は下がります。当初の会社予想よりも、決算が悪いと想定される場合に公表されます。ただし、下方修正によって“悪材料出尽くし”となった場合は、株価が上がることもあります。投資家が下方修正をどこまで予想できているかがポイントとなります。
②月次
外食や小売などの会社は、毎月の売上高(月次)を公表することがあります。この数字が前年同月比100%を割れて、業績がよくないと判断されると株価が下がります。決算にも影響すると考えられるからです。それまで好調だった成長企業の月次が悪くなると、大きく売り込まれることがあります。
③決算発表
下方修正が出ていなくても、決算発表時に当初予想よりも業績がよくないと判断された場合は、株価が下がることがあります。また、本決算発表時には、来期予想も出ますが、この数字が期待外れだと株価は下がります。
④減配
会社の業績が悪くなると、配当金が減らされる(減配)ことがあります。減配は今後の業績にも暗い影を落とすようなアナウンス効果もあるので、株価が下がる要因となります。
⑤不祥事
「代表取締役が逮捕された」、「会社ぐるみで法令違反を隠ぺいしていた」などのように、会社のブランドイメージが悪くなってしまうことは、今後の業績に悪影響が出ると考えられるため、大きく株価が下がることがあります。
⑥新聞やインターネットなどのメディアによる情報のスクープやリーク
会社の公式発表ではなくても、メディアが情報を出すことで、株価が下がることがあります。テレビ東京の「ガイアの夜明け」でスクープされたレオパレス21(8848)は記憶に新しいです。他にも、新聞による業績予想や会社四季報の発売日前後などは、株価が動くきっかけとなります。
また、業績悪化懸念でなくても、株価が下がることがあります。それは「増資」です。
⑦増資
増資とは、会社が資本金を増やすことで資金調達をすることです。成長のためのお金であれば、中長期的には株価上昇につながるはずですが、株式の総数が増えてしまうので、既存株主の取り分が減ってしまいます。これを「株式の希薄化」といって、1株の価値が下がり、短期的には株価は下がります。その後、株価が上がるかどうかは経営手腕にかかっています。 特に、自己資本比率が低い会社は増資懸念があるので注意してください。
番外編として、株式分割があります。
⑧株式分割
たとえば、1,000円の株を1:2で株式分割したときに、株価は半分の500円になります。しかし、株数は2倍になるので、株式分割をしても価値としてはフラットです。よって、株式分割による株価下落は、空売りをしたところで儲かりも損もしません。
上記の①~⑦をタイミングよく当てられれば、効率的に空売りで儲けられる可能性があります。
ニュース | 発表の予想 |
---|---|
①下方修正 | ×むずかしい |
②月次 | ○決まっている |
③決算発表 | ○決まっている |
④減配 | ×むずかしい |
⑤不祥事 | ×むずかしい |
⑥リーク&スクープ | ×むずかしい |
⑦増資 | ×むずかしい |
★タイミングとしては紹介したとおりで、事前に決まっているのは②月次と③決算発表くらいです。空売りの狙い撃ちはむずかしいのが現実です。また狙い撃ちをする場合でも、フタを空けてみないとわからない、いわゆる“決算ギャンブル”となってしまうので、よほど自信がある場合以外は、十分に気を付けてください。
また、貸借倍率が低い株(信用売り残が買い残より多い状態)の場合は、制度信用取引を使った空売りをすると、逆日歩が付くことがあるので、そちらも注意してください。
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投資歴18年目の株初心者アドバイザーです。2005年からの投資成績は+2億円を突破しました!2009年に発売した著書『はじめての株1年生 新・儲かるしくみ損する理由がわかる本』は、累計59,000部のロングセラー。その他、数多くの金融系メディアにも寄稿しています。