倒産するような株を空売りすれば、かんたんに儲かりますか?
空売り(信用売り)した株は、株価が下がれば儲かるので、「倒産が決まった会社」や「倒産しそうな会社」の株を空売りすれば、簡単に儲かるんじゃないでしょうか?
結論から申し上げると、そんなに簡単にはいきません。
まず、「①倒産が決まった会社」は、「整理銘柄」に指定されて、1か月後に上場廃止となります。残念ながら、整理銘柄に指定された株は、新規に空売りをすることができません。もし空売りができたとしても、投資家から空売りの注文が殺到するので、空売りのための株券の調達が間に合わず、逆日歩(ぎゃくひぶ)※の手数料が大変なことになってしまうでしょう。
※逆日歩 … 空売り(信用売り)の需要が高く、証券会社の貸せる株がなくなった状態で発生する手数料のこと
また、「②倒産しそうな会社」は、まだチャンスがありますが、これは投資家の倒産認知度の違いで変わってきます。誰が見ても倒産するだろうと思われている会社は、すでに空売りがたくさん入っていることも多く、「踏み上げ※」の危険性があります。これを避けるためには、空売りと信用買いの割合(貸借倍率)を見ておきましょう。信用買い残が十分に多い株であれば、空売りの検討余地もありそうです。
※踏み上げ … 信用取引の空売りをしている投資家が、思わぬ株価上昇により損失を大きく抱えてしまい、耐え切れずに買戻しをすることで、株価が上がってしまうことをいいます。
貸借倍率の計算式
貸借倍率(倍)=信用買い残(株)÷信用売り残(株)
信用買い残の割合が多い株の例
(出典:SBI証券)
…貸借倍率7.13倍と、“踏み上げ”には、かなりの余裕がある。
信用買い残の割合が少ない株の例
(出典:SBI証券)
…貸借倍率0.15倍と1倍を大きく切っており、逆日歩や踏み上げの危険性がある。
仮に、空売りしていた会社の倒産が決まった場合には、頃合いを見て買い戻しをしておきましょう。
★あからさまに倒産の香りがする株は、他の投資家も気が付いていることが多いです。すでに株価が十分に下がっていたり、異常に高い逆日歩がついたりする危険性があるので、十分に注意してください。個人的にはあまりおすすめできません。
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投資歴18年目の株初心者アドバイザーです。2005年からの投資成績は+2億円を突破しました!2009年に発売した著書『はじめての株1年生 新・儲かるしくみ損する理由がわかる本』は、累計59,000部のロングセラー。その他、数多くの金融系メディアにも寄稿しています。