信用取引で株を買ったとき、株主優待や配当金はもらえるのでしょうか?
資金が足りなくなったので、現物取引ではなく信用取引で株を買ったのですが、株主優待や配当金はもらえるのでしょうか?
結論から申し上げますと、配当金はもらえて、株主優待はもらえません。

まず、株主優待から説明します。株主優待をもらう権利を手に入れるためには、「権利付き最終売買日」に株式を持っている状態で、「権利確定日」に株主名簿に名前が載っている必要があります。しかし、信用取引は証券会社に借金をしておこなう取引なので、株式の所有権がありません。よって、株主優待を得られる条件を満たしていないことになります。株主優待目当ての場合は、必ず現物取引で買いましょう。
※「権利付き最終売買日」や「権利確定日」については、配当や株主優待の権利の取り方をご覧ください。
一方、配当金はもらえます。もっと正確に言うと、配当金はもらえませんが、配当金と同額の「配当落ち調整金(配当金相当額)」がもらえます。これは何が起きているか説明しますと、権利をまたいだ次の日、つまり、権利落ち日には配当分だけ株価が下がるという論理があります。
実際にそのくらい株価が下がることも多いですが、その配当金の差額分を空売りしている人から信用買いをしている人へ支払うことで、ゆがみを調整しているのです。もし、これがおこなわれないと、信用買いしている人は株価下落を受け入れることになってしまい、空売りしている人は高確率で利益を得ることになってしまいます。
余談ですが、現物取引で得られる「配当金」は「配当所得」に分類されて、信用取引で得られる「配当落ち調整金」は「譲渡所得(株の売買益の部類)」に分類されます。ご自身で確定申告する際には気をつけてください。
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投資歴18年目の株初心者アドバイザーです。2005年からの投資成績は+2億円を突破しました!2009年に発売した著書『はじめての株1年生 新・儲かるしくみ損する理由がわかる本』は、累計59,000部のロングセラー。その他、数多くの金融系メディアにも寄稿しています。