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まだ間に合う!東証市場再編を生かした投資法をわかりやすく紹介します

やさしい株のはじめ方編集部担当:やさしい株のはじめ方編集部

最終更新日:2023年11月30日

2022年4月4日、東証の市場再編がおこなわれました。東証一部に代わる最上位市場「東証プライム」に上場した銘柄は、およそ1,800銘柄です。このうちの約300銘柄は、プライム上場基準に満たない銘柄となっています。

上場基準に満たない場合、今後もプライムに残るためには、基準を満たすまでの取り組みを記した計画書を発表し、基準を満たせるように経営を改善しなければなりません。計画書で発表されている改善策として「政策保有株式※1の売却」が多い中、ROEの向上や株主還元の充実など、より積極的な取り組みを発表する会社があります。今回は、このような会社に投資をする魅力について、株初心者向けにわかりやすく紹介します。

※1 政策保有株式とは、株式会社がお互いに持ち合っている株式を言います。取引関係の強化や、他社に買収されないよう防衛する目的で、株式を持ち合っています。

計画書でROEの向上や株主還元の充実などを発表した企業例

プライム上場基準を満たさず、計画書を提出した企業のうち、ROEの向上や株主還元の充実などを発表した企業を、例として4社ピックアップしました。

計画書でROEの向上や株主還元の充実などを発表した企業例
銘柄名(銘柄コード) 計画書の内容
高島(8007) ・ROE8%への引き上げ
・M&Aや設備投資などの投資
ソーダニッカ(8158) ・設備投資を積極化
・配当性向※240%以上とし、株主還元を充実
ナカバヤシ(7987) ・ROE8%への引き上げ
・配当性向30~40%の堅持
スターティアホールディングス(3393) ・ROE10%への引き上げ
・累進配当※3を実施し、配当性向30%を目指す

※2 配当性向の詳しい説明は、配当利回りや配当性向について教えてくださいをご覧ください。
※3 累進配当とは、減配せず、配当を維持したり、利益の成長に合わせて増配したりする配当方針です。あえて「累進配当」と公表することで、投資家に注目してもらえるメリットがあります。

上に挙げた4社の計画書の内容をおおまかにまとめると、下のようになります。

  • ROEの引き上げ
  • 成長のための投資
  • 株主還元の充実

このような取り組みにより、将来的に株価が上がるかもしれません。その理由を一緒に考えてみましょう。

将来に株価が上がるかもしれない理由とは?

ROEの引き上げ

ROEは「Return On Equity」の略で、日本語では自己資本利益率といいます。結論を先にお伝えすると、ROEが高くなると、株価が上がりやすくなります。今からその理由を説明します。

ROEは、1株あたりの純利益を1株あたりの自己資本で割って計算します。計算で使う自己資本には、株主が出資したお金が含まれています。つまり、ROEは株主が出資したお金を使ってどれだけの利益を生み出せているかがわかる指標なのです。

したがって、ROEが高いほど株主のお金を効率よく使えていることを意味するため、投資家にとって魅力的な会社になります。魅力的な会社であるほど、投資家からの買い注文が集まるため、需要と供給の関係から株価が上がっていくのです。

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成長のための投資

会社が成長するために必要な取り組みとして、そのひとつに「投資」があります。具体例を挙げると、製造業であれば工場の設備を新しくしたり、新たに工場を作ったりするなどの設備投資です。このほかにも、会社の事業と相乗効果の見込める事業や会社の買収や、人材への投資なども挙げられます。

以上の取り組みによって、会社の生産性が大きく高まり、売上高が伸びるでしょう。成長している会社は、投資家からの注目も集まりやすくなります。したがって、成長するための投資を計画している会社は、将来の株価上昇が期待できるのです。

株主還元の充実

株主還元の充実とは、具体的には配当金の増加(増配)が挙げられます。配当金が増えれば、投資家からの魅力が高まるため、株価の上昇要因となります。

今回、株主還元の充実を発表した会社は、累進配当配当性向の維持を掲げています。いずれの場合も、会社の成長に合わせて配当金が増えていきます。

配当利回りの計算式

配当利回り=1株あたりの配当÷株価

上は配当利回りの計算式です。配当金と株価を比べ、その株の魅力度を調べる指標となっています。この数値が高いほど魅力的と考えます。

株価が変わらない場合、株主還元の強化によって配当金が増えれば、配当利回りが高くなります。投資家から見た魅力度が高まるため、買い注文が集まり、株価が上がりやすくなるのです。

まとめ

プライム上場基準を満たさない会社は、将来的にプライム市場に上場できなくなるリスクがあるので、マイナスのイメージを持ってしまうかもしれません。しかし、裏を返せば、ROEの引き上げや株主還元の充実などをおこない、株価が上がる余地が残っていると言えます。市場再編をきっかけにお宝銘柄が見つかるかもしれないので、計画書を出している会社があったら、中身を確認すると良いでしょう。

やさしい株のはじめ方編集部

この記事の執筆者

やさしい株のはじめ方編集部 

FP2級や証券外務員二種、日本証券アナリスト協会検定会員補を持つ複数のメンバーが「株初心者の方に株式投資をわかりやすく理解していただく」をモットーに、記事を執筆しています。

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