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松井証券の「マーケットラボ米国株」とは?エヌビディア(NVDA)を実際に分析しながら、使い方・見方を解説

やさしい株のはじめ方編集部担当:やさしい株のはじめ方編集部

最終更新日:2025年8月6日

マーケットラボ米国株

松井証券が、米国株の投資情報ツール『マーケットラボ米国株』をリリースしました。このツールは、米国企業の概要や指標、過去10年以上の業績データなどをグラフ化した分析ツールです。

マーケットラボ米国株があれば、英語で書かれた決算書を読んだり、財務数値をExcelやスプレッドシートに転記してグラフ化したりする手間を省けます。松井証券に口座開設すれば誰でも無料で使えるので、この機会に使えるようにしておきましょう。

今回は、マーケットラボ米国株を使って、時価総額が4兆ドルを突破したことで話題のNVIDIA(ティッカーシンボル:NVDA)を徹底分析していきます。

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マーケットラボ米国株とは

NVIDIAを分析する前に、『マーケットラボ米国株』がどのようなツールなのかを説明します。

マーケットラボ米国株は米国株の財務諸表分析に特化しており、損益計算書や貸借対照表、キャッシュフロー計算書などをグラフで確認できる点が特徴です。

米国株の財務諸表は、下の画像のように表形式で書かれています。英語と数字が並んでいるだけなので、慣れていない方にとっては、財務諸表の構造を理解するのはとても大変です。

NVIDIAの貸借対照表(2025年1月期)

出典:NVIDIA | Form10-K(2025年1月期)[PDF]

マーケットラボ米国株を使えば、下の画像のように貸借対照表が図解されています。さらに、各項目が日本語で書かれているので、米国株初心者でも財務諸表をかんたんに読み解けます。

<マーケットラボ米国株:財務諸表の図解>

マーケットラボ米国株:財務諸表の図解

(出典:松井証券のマーケットラボ米国株)

「英語で書かれた決算書を読み、Excelに数字を転記してグラフを作成する」という手間を省けるので、米国株投資をしている方はぜひ有効活用したいところです。

日本株用の『マーケットラボ』とは機能が異なる

松井証券では、マーケットラボ米国株が登場する前から『マーケットラボ』という日本株の投資情報ツールを提供しています。どちらも名前は同じですが、付いている機能はまったく異なります。

日本株の投資情報ツールである『マーケットラボ』は、“長期間にわたる業績の分析”や“アクティビスト※1の情報収集”に強みを持っています。

※1 アクティビストとは、「モノ言う株主」と呼ばれる人たちです。会社の株式を取得して経営改善を提案し、会社の価値を高めることを目的にしています。

“長期間にわたる業績の分析”については、過去20年間にわたる損益計算書の数値を入手できる点が強みです。当サイトがおすすめしている「成長バリュー株投資」においては、「その企業がこれまで安定成長してきたか」が銘柄選びにおけるポイントの1つとなります。

過去10年程度の業績を振り返っておきたいものですが、実際に10年分の決算短信や有価証券報告書を開き、売上高や利益の動きを追いかけるのはとても大変です。

ここで松井証券のマーケットラボを使うと、なんと10年分どころか20年分の財務数値を一瞬で確認できてしまいます。とても便利ですね!

<マーケットラボ:中央自動車工業(8117)の財務数値>

マーケットラボ:中央自動車工業(8117)の財務数値

(出典:松井証券マーケットラボ

次に、“アクティビストの情報収集”について説明します。マーケットラボには「アクティビスト追跡機能」が備わっており、旧村上ファンド系の「南青山不動産」や、花王への株主提案などで話題となった香港の投資ファンド「オアシスマネジメント」など、有名アクティビストの保有株を検索できます。

アクティビストが投資している企業は、株主提案を受けて経営状況がよくなったり、配当や自社株買いなどの株主還元を積極的におこなうようになったりする可能性があるので注目です。

<マーケットラボ:アクティビスト追跡ツール>

マーケットラボ:アクティビスト追跡ツール

(出典:松井証券マーケットラボ

『マーケットラボ米国株』と『マーケットラボ』は、名前が似ていますが機能は大きく異なります。それぞれの強みを理解した上で使いこなしたいですね。マーケットラボについては、下記のページで詳しく解説しています。気になる方はぜひご覧ください。

マーケットラボ米国株の開き方

次に、マーケットラボ米国株の開き方を説明します。松井証券にログインしたあと、下の2つのステップを踏む必要があります。実際の画面を使って説明していくので、この記事を見ながらお手元で開いてみてください。

①米国株の取引ページを開く

松井証券にログインしたら、画面上にある「米国株」をクリックしましょう。下の画像のような画面が出てくるので、画面左上の「$ 米国株」と書かれた緑色のボタンをクリックしてください。

<マーケットラボ米国株の開き方>

マーケットラボ米国株の開き方

(出典:松井証券

②マーケットラボ米国株を開く

米国株の取引ページが開くので、画面上にある青色のボタン「マーケットラボ米国株」をクリックしましょう。

<マーケットラボ米国株の開き方>

画面上の「マーケットラボ米国株」をクリック

(出典:松井証券

マーケットラボ米国株が立ち上がります。「銘柄を探す」のところに、調べたい銘柄名を入れて検索してください。

<マーケットラボ米国株の開き方>

画面上の「マーケットラボ米国株」をクリック

(出典:松井証券のマーケットラボ米国株)

例えば「NVIDIA(ティッカーシンボルのNVDAでもOK)」を入れて検索すると、下のようなページが表示されます。

<マーケットラボ米国株:NVIDIAのページ>

マーケットラボ米国株:NVIDIAのページ

(出典:松井証券のマーケットラボ米国株)

このページ内に、分析に必要な情報がたくさん詰まっています。

NVIDIAの基礎情報

実際にマーケットラボ米国株を使って分析していきましょう。今回は例として「NVIDIA」を分析していきます。手始めに、NVIDIAが「どんな事業を展開しているか」を見ていきましょう。

事業内容は、銘柄個別ページの「サマリー」の中(下の画像の赤枠部分)に書かれています。

<マーケットラボ米国株:NVIDIAのページ>

マーケットラボ米国株:NVIDIAのページ

(出典:松井証券のマーケットラボ米国株)

NVIDIAの事業内容を2点に要約しました。

それぞれ見ていきましょう。

①GPUの大手開発企業である

特徴1つ目は「GPUの大手開発企業である」点です。

「GPU(ジーピーユー)」は「Graphics Processing Unit(グラフィックス・プロセッシング・ユニット)」の略で、日本語では「画像処理半導体」と呼ばれます。あまり聞きなれない用語ですが、ひとことで言えば「動画やゲームを作るのに欠かせない装置」と考えておけばよいでしょう。

NVIDIA データ センター GPU

出典:NVIDIA | データセンター製品(データセンターGPU)

GPUの役割

動画を作る場合を例に説明します。私たちが普段YouTubeなどで楽しんでいる動画は、まるで肉眼で見ている世界と同じように動いて見えますよね。動画の仕組みは「超高速なパラパラまんが」であり、実は1秒間に24~60枚もの画像を高速で画面に表示しているのです。

このため、動画の作成にはものすごく時間がかかります。そこで登場するのが「GPU」です。GPUは画像を複数のブロックに分けて、同時並行で作成します。画像1枚あたりの作成時間を短縮できるので、とても重宝されているのです。

GPUは画像処理以外でも活躍

もともと画像処理用に開発されたGPUですが、本質的には「同時並行の作業」や「大量の作業」を扱うのが得意です。このため、大量のデータを学習し、質問に合った回答を作成する「生成AI」にも使われています。

NVIDIAは2013年からAI用にGPUを開発

NVIDIAは、業界に先駆けて2013年からAI用にGPUを開発してきました。生成AIブームが起きたのは2023年なので、その10年前からAIが普及する未来を見越して動いていたのです。

きっかけは、2012年にカナダの研究者がGPUを使って高性能AIを開発したことです。NVIDIAでCEOを務めるフアン氏は、これを勝機と考えて経営資源をAI用GPUに振り向けました。

業界に先駆けてAI用のGPU開発に取り組んできた結果、NVIDIAはGPUの大手開発企業としての地位を確立したのです。

②ソフトウェアプラットフォーム『CUDA』も手掛けている

特徴2つ目は「ソフトウェアプラットフォーム『CUDA』も手掛けている」点です。

『CUDA』とは、GPUを使ったコンピュータ処理をおこなうためのソフトウェアをセットにしたものです。詳しい説明は省略しますが、CUDAを使うと複数の仕事を一度に速く処理できたり、AIの学習や画像処理、専門的な計算がスムーズにできたりします。

NVIDIA CUDA-X

出典:NVIDIA | CUDA-X

CUDAのような開発ソフトは他社も提供しています。しかし、CUDAの性能がとても高いため、多くの企業がこちらを導入しているようです。GPUだけでなく、GPUを効率よく活用するための開発ソフトも提供している点が、NVIDIAの強みと言えるでしょう。

投資に関する指標一覧

続いて、NVIDIAの指標を確認しましょう。先ほど確認した「基本情報」のすぐ下に「指標一覧」があります。

特に注目したい指標がROE(下の画像内①)です。115.46%と驚異的な高さになっています。一般的にはROEは10%程度あれば優秀な企業と言われますし、半導体業界の平均的なROEは20%程度なので、かなり効率のよい経営ができていることがわかります。

さらに、売上高成長率(②)は3年平均で69.3%と、かなり高くなっています。ROEと売上高成長率の高さが株式市場で高く評価された結果、PERは56.04倍(③)と高水準です。

<マーケットラボ米国株:投資に関する指標一覧>

マーケットラボ米国株:投資に関する指標一覧

(出典:松井証券のマーケットラボ米国株)

ROEが業界平均よりも高いのはなぜでしょうか。結論は「GPUの需要が急激に高まり、高い付加価値を持つGPUが大量に売れたから」です。詳しい背景は、次の「通期業績推移」で説明します。

通期業績推移

NVIDIAの通期業績推移を見ていきましょう。先ほど確認した「指標一覧」のすぐ下に「通期業績推移」があります。特に何もいじっていないデフォルトの状態では、売上高と営業利益の推移が表示されています。

<マーケットラボ米国株:NVIDIAの通期業績推移(グラフ)>

マーケットラボ米国株:NVIDIAの通期業績推移(グラフ)

(出典:松井証券のマーケットラボ米国株)

NVIDIAの業績を見ると、売上高(青色の棒グラフ)と営業利益(赤色の折れ線グラフ)のどちらも、2024年1月期以降に急成長していますね。

成長率を確認すると、2024年1月期は売上高が前年比125.9%で営業利益が491.2%、2025年1月期は売上高が114.2%で営業利益が147.0%となっています。とんでもないスピードで業績が成長したことがわかりますね。

<マーケットラボ米国株:NVIDIAの通期業績推移(数値)>

マーケットラボ米国株:NVIDIAの通期業績推移(数値)

(出典:松井証券のマーケットラボ米国株)

NVIDIAが高成長を遂げた背景には、2023年に起きた生成AIブームがあります。世界中で『ChatGPT』に代表される生成AIが普及したため、AIの学習や推論などに必要なGPUに対する需要が急増したのです。

また、この成長に合わせてNVIDIAの営業利益率やROEも急上昇しています。下のグラフを見ると、2025年1月期の営業利益率は62.4%、ROEは115.46%と驚異的な高さとなっています。

<マーケットラボ米国株:NVIDIAの利益率推移>

マーケットラボ米国株:NVIDIAの利益率推移

(出典:松井証券のマーケットラボ米国株)

収益性や効率性が大幅に改善した理由として、NVIDIAが製造しているGPUの付加価値が高い点が挙げられます。「①GPUの大手開発企業である」で説明したように、NVIDIAは2013年からAI用のGPUを開発してきた信頼と実績があります。

さらに、GPUを効率よく動かすための高性能ソフトも用意しているのです。高品質で付加価値が高く、収益性の高い商品を大量に売ることができたため、営業利益率やROEが劇的に改善したと考えられます。

貸借対照表の時系列推移

次に、貸借対照表を確認しましょう。貸借対照表の情報は、画面上側にある「財務」タブの中に載っています。

NVIDIAの貸借対照表について、過去5年分の推移を見ていきましょう。生成AIブームで業績が拡大した2024年1月期以降、貸借対照表の大きさも拡大していることがわかります。

<マーケットラボ米国株:NVIDIAの貸借対照表>

マーケットラボ米国株:NVIDIAの貸借対照表

(出典:松井証券のマーケットラボ米国株)

NVIDIAの貸借対照表で特徴的なのは、有形固定資産の少なさです。

<マーケットラボ米国株:NVIDIAの有形固定資産>

マーケットラボ米国株:NVIDIAの有形固定資産

(出典:松井証券のマーケットラボ米国株)

「NVIDIAはGPUを作っている」と説明してきました。いわゆる「製造業」と考えると、工場設備を持っているはずであり、総資産に占める有形固定資産の割合は高いはずですよね。

しかし、NVIDIAの貸借対照表を見ると、有形固定資産の割合が小さいのです。これは、NVIDIA自身が工場を持っていないことが影響しています。

このように、自社で工場を持たない経営スタイルを専門用語で「ファブレス経営」と呼びます。実際の製造は他社に任せることで、NVIDIA自身はGPUの研究開発や販売に集中できるメリットがあるのです。

ファブレス経営のメリットの1つとして、工場運営に関するコストが発生しないことが挙げられます。一般的に工場を自社で持つ場合、工場の電気代や水道光熱費といった費用が発生します。ファブレスの場合はこういった費用が発生しないので、利益率が高くなる仕組みです。

実際、NVIDIAの通期業績推移を確認すると、生成AIブームでGPUの需要が急増する2024年1月期以前であっても、営業利益率は10~30%程度と高収益体質でした。

<マーケットラボ米国株:NVIDIAの営業利益率>

マーケットラボ米国株:NVIDIAの営業利益率

(出典:松井証券のマーケットラボ米国株)

キャッシュフロー推移

最後に、キャッシュフロー計算書の項目をチェックしましょう。マーケットラボ米国株では「キャッシュフロー推移」という名前で、先ほど確認した「貸借対照表」の下に載っています。

<マーケットラボ米国株:NVIDIAのキャッシュフロー推移>

マーケットラボ米国株:NVIDIAのキャッシュフロー推移

(出典:松井証券のマーケットラボ米国株)

キャッシュフロー推移を見ると、営業CF(赤色の棒グラフ)が2024年1月期以降に急増しています。売上高の成長と連動していますね。GPU需要の拡大で業績が伸びた結果、NVIDIAは多額の現金を獲得したことが読み取れます。

獲得できる現金の量が増えれば、より積極的に成長投資や株主還元へお金を回すことができます。今後も営業CFの推移に要注目です。

ここまで分析してきたNVIDIAについて、1株から投資する方法や配当利回りなどを下記のページで紹介しています。NVIDIAへの投資を考えている方は、こちらのページもご覧ください。

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まとめ

松井証券のマーケットラボ米国株を使って、NVIDIAを分析してきました。生成AIの普及を背景に、GPUの需要が急拡大したことで、売上高と利益が急激に増加しました。さらに、ROEが100%を超える水準まで上昇したことも相まって、時価総額が4兆ドルを突破したと考えられます。

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やさしい株のはじめ方編集部

この記事の執筆者

やさしい株のはじめ方編集部 

FP2級や証券外務員二種、日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)を持つ複数のメンバーが「株初心者の方に株式投資をわかりやすく理解していただく」をモットーに、記事を執筆しています。

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