証券会社のレーティング情報は意味がありますか?
保有株に対して、証券会社がレーティングを発表して株価が上がりましたが、これは何の意味があるのでしょうか?また、「目標株価」が同時に出されましたが、信ぴょう性はある情報でしょうか?
結論から言って、あまり気にする必要はありません。その理由を順番に解説していきます。
まず「レーティング(投資判断)」情報とは、各証券会社のアナリスト(分析家・評論家)が、企業を分析した結果を投資家のために公表するサービスです。今後の株価の目安のようなものを示しています。
例えば、野村證券の場合は、以下の3段階で示しています。
- Buy(買い)
- ニュートラル(中立)
- Reduce(売り)
証券会社によっては5段階のところもあります。基本的には、投資家に株を買ってもらうためのレーティング情報なので、買い推奨になっていることが多いです。目標株価が同時に設定されることがあります。これは、「絶対にこの株価になる」という株価を保証するという意味ではなく、言うなれば、アナリストの希望的観測の株価です(笑)。ですから、株価が下がってきたときに、平気で目標株価を下げてくることがあります…。
ここで、実際にレーティングされている状況を見てみましょう。グラフの①~⑤時点のレーティングを、下表にまとめました。

(出典:SBI証券)
日付 | 証券会社名 | レーティング | 目標株価 |
---|---|---|---|
①8月20日 | いちよし | 中立→買い | - |
②8月21日 | 東海東京 | ニュートラル → アウトパフォーム | 10,320円→ 11,300円 |
③8月23日 | 岩井コスモ | 新規B+ | 11,500円 |
④8月28日 | エース | 強気 | 14,600円 |
⑤9月5日 | 大和 | 中立→アウトパフォーム | 11,700円→ 13,000円 |
グラフを見ると、確かにレーティング発表直後は、株価の反応が見られることはありますが、あくまで短期的な株価変動の材料としてとらえてください。業績などの企業価値に影響を与えるものではないので、長期的な株価上昇には結びつかないと考えています。
★証券会社のレーティング情報は、“占い”程度のあいまいな情報ととらえてください。出たらラッキー!ぐらいの認識がちょうどよいです(笑)
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投資歴18年目の株初心者アドバイザーです。2005年からの投資成績は+2億円を突破しました!2009年に発売した著書『はじめての株1年生 新・儲かるしくみ損する理由がわかる本』は、累計59,000部のロングセラー。その他、数多くの金融系メディアにも寄稿しています。