自社株買いは、設定された自社株取得枠を消化しないことがありますか?
日本ハムが2018年に「自社株買い」の発表をしました。 “上限500万株200億円”としていましたが、その半分弱で終了しました。発表時の内容と違うことはよくあることですか?
残念ですが、上限まで買われないことはちょくちょく見かけます。自社株の取得枠は、必ずしもすべて消化する必要はないので、法律に違反しているようなことはありません。
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さて、日本ハム(2282)の例を詳しく見てみましょう。IR情報(会社発表の投資家向け広報)を見てみると、以下のように自社株を株式市場から取得していることがわかります。
自社株買いをおこなった日 | 株数 | 金額 |
---|---|---|
①2018年12月18日~12月20日 | 約37万株 | 約16億円 |
②2019年1月4日~1月31日 | 約190万株 | 約85億円 |
③2019年2月1日~2月21日 | 約230万株 | 約100億円 |
これらを合計すると、自社株取得枠の「200億円」とほぼ一致しており、日本ハムは設定枠いっぱいまで買い付けたことがわかります。よって、質問者の方は③のリリース情報だけ見て勘違いしたかもしれませんね。
ちなみに、設定枠いっぱいまで買うかどうかは、過去の自社株買いの履歴を調べてみるとよいです。なぜなら、自社株買いをする会社は、何度もすることが多く、過去に枠いっぱい買っていれば、今後も期待できるからです。
仮に、中途半端な金額しか自社株買いしなかったとしても、私は自社株買いをする会社に対してはポジティブに考えています。その理由は、経営に使わずに金庫に眠っているようなお金を株主に対して、自社株買いや配当でお返しする姿勢は、経営効率的には理にかなっているからです。無論、自社のサービスに投資して、業績を上げることが一番良いのでしょうが…。
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投資歴18年目の株初心者アドバイザーです。2005年からの投資成績は+2億円を突破しました!2009年に発売した著書『はじめての株1年生 新・儲かるしくみ損する理由がわかる本』は、累計59,000部のロングセラー。その他、数多くの金融系メディアにも寄稿しています。