コロナバブルはいつまで続く?日経平均の今後の見通しを予想しました

コロナバブルはいつまで続く?日経平均の今後の見通しを予想しました

担当:西尾

担当・西尾

最終更新日:2020年11月25日

(2020年11月25日追記)
日経平均株価が、一時26,000円台後半に突入しました!このきっかけとなったのは、アメリカの政権移行作業が始まったことです。政治的な不安要素がなくなったため、11月24日にはNYダウが史上初の3万ドルを回復しました。この影響で、日経平均株価も上昇が続いています。

“コロナバブル”によって、日経平均株価の上昇が止まりません。2020年6月8日には23,000円を超えており、コロナショック前の水準に一気に戻ってきました。

これほど急激に株価が戻ると、「いつまで続くのか」疑問に思う方がいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、コロナバブルがいつまで続くのか、現状を整理しつつ予想していきます。

日経平均株価が23,000円を回復

<日経平均株価の推移(6か月)>

日経平均株価の推移

(出典:SBI証券

上の図は、日経平均株価の6か月チャートです。コロナショックが起きた3月にかけて株価が急落し、一旦19,000円付近まで回復、5月後半からはコロナショック前に近い水準まで、一気に株価が上昇しているのがわかりますね。

景気後退が予想されている中で、急激に株価が回復するのは少し気持ち悪く感じます。なぜなら、株価は企業の価値によって決まるからです。景気後退局面で業績が悪くなった企業が多く、企業の価値は以前よりも下がっている場合が多いので、株価が下落しないと“つじつま”が合いません。それにも関わらず、どうして株価が上がったのでしょうか?

中央銀行の金融緩和が株価を押し上げた

景気が悪いのに株価が上がっていく裏側には、中央銀行の存在があります。中央銀行とは、「国の金融システムの中核を担う銀行」であり、日本であれば日本銀行(以下、日銀)が、これに当たります。

以前、「日銀が金融緩和の強化を発表」で紹介したとおり、日銀はコロナショックの対応策として、金融緩和を実施しています。金融緩和とは、世の中にお金がスムーズに流れるようにするための施策です。具体例を出すと、国債やETF※1の購入などがあります。特に意識されたのが、ETFの積極的な買入れです。日銀がETFを買うと、その分だけ株価には上昇圧力が加わります。

投資家たちは日銀のETF買いによって株価が上昇すると予想し、その波に乗るかのように株式を買いました。そのため、日経平均株価が上昇したと考えられます。

このほかにも、政府による財政対応や経済回復への期待が、株価を押し上げた可能性があります。

※1 ETFとは、上場投資信託を表します。詳しくは「ETF(国内ETF)」をご覧ください。

日経平均株価の今後はどうなる?

日経平均株価の今後を予想するのはとてもむずかしいので、上昇シナリオと下落シナリオに分けて考えていきます。

上昇シナリオ

日経平均株価が上昇するとしたら、次のようなシナリオが考えられます。

  • 中央銀行の金融緩和期待で、株価が上がる
  • 政府の経済対策への期待で、株価が上がる

1つ目の「中央銀行の金融緩和期待で株価が上がる」は、現在の株式市場と同じ状況です。「株価が下がっても中央銀行が買い支えてくれる安心感があるので、投資家は積極的に株式に投資できます。そのため、株価に上昇圧力がかかっているのです。

2つ目の「政府の経済対策への期待で、株価が上がる」について説明します。景気が悪くなってくると、政府は大規模なインフラ整備などに資金を投資し、経済を動かそうとします。インフラ整備を中心として新しい仕事がたくさん生まれるため、企業の業績が良くなり、従業員が受け取る給料も増え、景気がだんだん回復していくのです。その過程で株価に上昇圧力がかかります。

下落シナリオ

日経平均株価が下落するとしたら、次のようなシナリオが考えられます。

  • 割高感が意識されて、株価が下がる
  • 地政学リスクの高まりで、株価が下がる
  • 中央銀行の金融緩和が終了し、株価が下がる

1つ目の「割高感が意識されて、株価が下がる」について考えます。後ほど詳しく説明しますが、騰落レシオRSIといった指標を見ると、かなり割高感が出ているような印象です。そのため、割高感から利益確定のために株式を売る投資家が増えてくれば、株価が下落する可能性があります。

2つ目の「地政学リスクの高まりで、株価が下がる」についてです。アメリカと中国の関係性悪化や香港での暴動、北朝鮮と韓国の関係性悪化などの地政学リスクが高まっています。これによって経済活動が停滞する可能性があり、もしそうなれば、株価にはマイナスの影響が及ぶのです。

3つ目の「中央銀行の金融緩和が終了し、株価が下がる」を見ていきます。この理由はかんたんです。現在の株高は金融緩和を期待して起きているので、金融緩和が終了する“逆のできごと”が起きれば、株価が下がってしまうでしょう。

相場急変時は温度計をチェック

相場が急騰したり急落したりしたときは、“相場の温度計”をチェックしましょう。おすすめの温度計は以下の3つです。

  • 日経平均PER
  • 騰落(とうらく)レシオ
  • RSI(アールエスアイ)

日経平均PER

まずは、「日経平均PER」から紹介します。日経平均PERは、株式市場が割高な水準にあるのかどうかをチェックできる指標です。日経平均に組み入れられている銘柄のEPS(1株あたり純利益)の何倍の株価となっているかを表します。数値が高ければ高いほど割高と判断する指標です。

通常時は12~15倍で推移していますが、2020年6月5日には20倍となっています。通常時と比べてかなり割高感が出ているのがわかりますね。

<日経平均PER>

日経平均PER

(出典:日経平均PER 日経平均比較チャート

日経平均PERは、「日経平均PER 日経平均比較チャート」で確認できます。PERであれば、株初心者でもなじみやすいので、まずはこの指標からチェックをはじめましょう。PERについて詳しく知りたい方は、PERを知るをご覧ください。

騰落(とうらく)レシオ

次に、「騰落レシオ」を紹介します。騰落レシオは、株式市場の過熱感がチェックできる指標です。騰落レシオが高ければ相場が過熱しており、低ければ相場が閑散していると判断します。

こちらの画像のように、騰落レシオには25日、15日、10日、6日の4種類があります。一般的には10日を見る場合が多いので、とりあえず10日の数値を追っていけば問題ありません。

<騰落レシオ>

騰落レシオ

(出典:騰落レシオ 日経平均比較チャート

2020年6月5日時点では、騰落レシオ(10日)が173.31%となっており、相場がかなり過熱しているのがわかります。騰落レシオは、「騰落レシオ 日経平均比較チャート」で確認できます。

RSI(アールエスアイ)

最後に、RSIを紹介します。RSIとは日本語で「相対力指数」と言われ、株価の方向性をチェックできる指標です。0~100%の間で推移し、株価の上昇局面に入ると50%以上で推移します。反対に下落局面に入ると50%以下で推移するので、50%が上昇か下落の境目になっています。

また、RSIが70%以上であれば買われすぎ、30%以下であれば売られすぎと判断できるので、相場の天井や底値を推測するのに役立ちます。

RSIは、SBI証券で確認できます。以下の画像の赤枠部分がRSIです。

<日経平均株価のRSIの推移(6か月)>

RSIの推移

(出典:SBI証券

直近のRSIは100%に近い水準で推移しており、買われすぎと判断できます。

コロナバブルで日経平均と金の両方が上昇

コロナバブルによって日経平均株価は大幅に上昇し、2020年7月29日現在は22,000円~23,000円台で推移しています。

<日経平均株価の推移(6か月)>

日経平均株価の推移

(出典:SBI証券

ここ1か月ほど日経平均株価の動きが落ち着いているものの、コロナ前に近い水準まで戻ってきているため、「好調」と表現してもよいでしょう。このような相場であれば、安全資産である「金の価格」は上がりません。しかし、下のチャートを見るとわかるように、最近になって金の価格が上昇してきています。

<金価格の推移(6か月)>

金価格の推移

(出典:SBI証券

なぜ、金の価格が上昇しているのでしょうか?考えられる理由は2つあります。

  • ①金融緩和で自国通貨の価値が下がっており、逃避先として金が買われている
  • ②実体経済と日経平均株価が乖離しすぎており、暴落への備えから安全資産の金が買われている

以上2つの理由から、日経平均株価が好調でありながら、金の価格が上がっていると考えられます。現状、金融緩和の継続や日経平均株価と実体経済の乖離、新型コロナウイルスの感染者数の増加などのリスクがあるため、今後も金の価格が上がりやすい状況が続くのではないでしょうか。

日経平均株価が1991年以来の最高値2万5,000円を突破(2020年11月10日追記)

<日経平均株価の推移(2日間)>

金価格の推移

(出典:SBI証券

2020年11月10日、日経平均株価が2万5,000円台を突破しました。この水準は1991年以来です。株価が大幅に上昇したのは、11月9日に報道されたアメリカの製薬大手ファイザーが、新型コロナウイルスワクチンの治験で有効性が9割を超えたと発表したからです。

新型コロナウイルスのワクチンが実用化されれば、感染が拡大するリスクが大きく下がるため、コロナ前の水準に経済活動を戻せます。経済活動が戻れば、企業の業績が回復するため、利益が増加し株価の上昇につながるのです。投資家たちは明るい未来を織り込んで、リスクをとって株式に資金を回しています。

スムーズに実用化まで進めば、株高の状態が続くかもしれません。しかし、万が一実用化に至らなかった場合は、失望感から株が売られる可能性があります。明るい未来が見えていますが、最悪のケースも想定しながら、株式投資をしていきたいですね。

まとめ

新型コロナウイルスワクチンの治験で有効性が9割を超えたため、経済活動がコロナ前に戻るとの期待が高まり、日経平均株価が1991年以来の最高値を更新しました。無事実用化されれば、企業の業績が良くなると考えられるので、株高が続くかもしれません。

しかし、実用化されないリスクがゼロではない点に加え、アメリカのバイデン政権化で富裕層への課税が発生する可能性などを踏まえると、不安要素が残っています。株価には割高感があるため、万が一のことが起きると、株価が下がるかもしれません。株高の波に乗ることも大事ですが、株価が下がった場合への備えも万全にしておきたいですね。日経平均PERや騰落レシオといった”相場の温度計”のチェックも忘れないようにしましょう。

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西尾のプロフィール

・やさしい株のはじめ方の資産運用担当
・ファイナンシャルプランナー2級、証券外務員の資格あり
・年間200銘柄以上を分析中

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