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追証(おいしょう)大量発生は株を安く買うチャンス!強制決済がいつのタイミングかわかりやすく解説
追証(おいしょう)とは、「追加で証拠金の預け入れが必要となった状況」のことです。信用取引では、信用買いをしたあとに株価が下がったり、信用売りをしたあとに株価が上がったりして損がふくらんだとき、追加で証券会社にお金(証拠金)を預けるシステムになっています。
相場が大きく下げているときには、信用買いによる追証が発生します。証拠金の預け入れができないと、証券会社によって信用買いした株が強制的に売られてしまいます(強制決済)。市場ではこういった事態を「追証祭り」と呼ぶことがあり、相場急落時にはSNSなどでその言葉を目にする機会も多いです。追証祭りでは業績に関係なく株価が大きく下がるため、株を安く買うチャンスとも言えるのです。
このコラムでは、追証が発生するメカニズムや強制決済のタイミングについてわかりやすく解説しています。
追証が発生するメカニズム
まずは、どのようなメカニズムで追証が発生するのか、信用買いの例を使ってみていきましょう。
注目するポイントは、保証金維持率と呼ばれる数値です。信用取引をするために担保として預け入れたお金の、信用取引総額に占める割合です。「(証拠金 - 含み損)÷信用取引総額×100」で計算され、一般的に20%を下回ると追証が発生します。
日 | 株価の動き | 含み損 | 保証金維持率 |
---|---|---|---|
12/1 (月) |
証拠金100万円を元手に、300万円分のA社株を信用買い ※信用取引では、証拠金の3倍の金額の取引ができます |
- | (100万円-0円)÷300万円×100=33.3% |
12/2 (火) |
A社株が10%下落 | 300万円×10%=30万円 | (100万円-30万円)÷300万円×100=23.3% |
12/3 (水) |
A社株がさらに10%下落 | 270万円×10%=27万円 | (70万円-27万円)÷300万円×100=14.3% 追証発生! |
追証が発生した場合、証券会社ごとに決められた期限内に追加で証拠金を預け入れる必要があります。たとえば、SBI証券では追証発生日から3営業日以内に、証拠金の預け入れが必要となります。上の例でいうと、12/8(月)までとなります。
万が一、証拠金の預け入れができなかった場合は、証券会社によって信用買いで買った株が強制的に売られてしまいます。これを「強制ロスカット・強制決済」といいます。SBI証券の場合は、追証発生後4営業日目にあたる12/9(火)に強制ロスカットされます。
ツイッターなどで追証が話題になるようなときは、相場が暴落しているときが多いです。多くの投資家が損を抱えているため、追証が発生しても証拠金の預け入れができず、強制ロスカットが増え、さらに株価が下がってしまいます。この状態が、『セリングクライマックス』と呼ばれるものです。追証の強制ロスカットでセリングクライマックスをむかえると、相場は反転し、上昇しやすくなります。
追証が株式市場に与える影響とチャンス
追証は株式市場に対して次の2つの影響をもたらします。
- 強制ロスカットが実行され、株価が下がる
- 追証を避けるため、損失覚悟で売る投資家が増え、株価が下がる
上の2つの要因によって、下落相場の中でもう一段大きくさげる「セリングクライマックス」が起きます。これは、企業の業績に関係なく株が売られている状況と考えられるため、「欲しい銘柄を安く買うチャンス」といえるのではないでしょうか。
追証による株のバーゲンセールが開催されるタイミングは、「信用評価損益率」という指標を使って、ある程度予想することができます。信用評価損益率とは、信用取引をしている人がどれくらい損をふくらませているかを数値化したものです。「-20%付近になると追証が発生する」といわれており、株のバーゲンセールが近いと考えてよいです。
楽天証券や松井証券、三菱UFJ eスマート証券(旧 auカブコム証券)などが独自に信用評価損益率を公表しています。口座開設して「株のバーゲンセール」を見逃さないようにしましょう。
証券会社別 強制決済(強制ロスカット)日
下の表は、証券会社別の証拠金支払期限と強制ロスカット日をまとめたものです。証券会社によって証拠金の支払期限や、強制ロスカットが発動される日も違うので気をつけてください。詳細は各証券会社に確認することをおすすめします。
営業日 | 証券会社 (公式サイトへ) |
証拠金支払期限 | 強制ロスカット日時 |
---|---|---|---|
1営業日後 | 松井証券 | 【維持率10%未満】 追証発生後1営業日目の11:30まで |
後場寄り |
2営業日後 | マネックス証券 | 【維持率20%未満】 追証発生後1営業日目まで |
前場寄り |
松井証券 | 【維持率10%以上20%未満】 追証発生後2営業日目の11:30まで |
後場寄り | |
SBI証券 | 【維持率20%未満】 追証発生後2営業日目の12:00まで |
||
楽天証券 | |||
GMOクリック証券 | |||
三菱UFJ eスマート証券 (旧 auカブコム証券) |
強制ロスカット日がもっとも早いのは松井証券です。追証が発生した翌日の後場には、強制ロスカットされてしまいます。また、追証発生後翌々日の後場に強制ロスカットとなる証券会社が多くなっています。
このことから、追証が発生してから2営業日までは、強制ロスカットによって株価が下がりやすいことがわかります。強制ロスカットで株価が下がるのをうまく利用して、値上がり益を手に入れましょう!
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