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【輸出関連株・銘柄まとめ】円安メリットで株価が上がる理由や、今後の見通しも解説
輸出関連株とは、モノを作って輸出している会社の株を指します。中でも、製造業の株が「輸出関連株」と呼ばれることが多く、村田製作所(6981)、トヨタ(7203)、キヤノン(7751)は、日本からの輸出が多い製造業の会社です。
輸出関連株は為替に影響されます。今のように円安になると、日本でモノを安く作り海外で高く売れる一方、材料の輸入価格も値上がりするので、高度な技術で高価なモノを製造する会社のほうが、利益は大きくなります。
海外の工場が多くなったので、どの通貨の動きがどれくらい業績に影響するかは会社によって違いますが、おおむねドル安(円高)になると業績が悪くなり、ドル高(円安)になると業績が良くなります。
ドルが目安になる理由は、米国は世界最大の経済規模を持ち、企業活動への影響が大きいからです。次に影響が大きい通貨はユーロ、そして中国元です。売上だけでなく、為替の動向にも注目して輸出関連株の業績を考えましょう。
輸出関連株・銘柄一覧
輸出関連株から円安メリットが大きい株を探すには、各社の「為替感応度※1」に着目するとわかりやすいです。
※1 「為替感応度(かわせかんのうど)」とは、為替の変動によって、企業の売上高や利益にどのくらい影響を与えたかを示す金額のことです。ここでは、為替が1円変化した時の営業利益の増減を表します。
たとえば、トヨタ自動車(7203)の為替感応度は対ドルで約450億円(2023年3月期)です。同社が想定する為替レートは1ドル115円ですが、実際のレートは2022年4月以降125円~135円と想定を超える円安が続いているので、その差額10円~20円前後×450億円=4,500~9,000億円前後の利益が上乗せされることになります。
今回は、為替感応度が高く円安メリットが大きい銘柄を紹介します。
| 銘柄名 (クリックタップで最新株価) |
事業内容 |
|---|---|
| イビデン(4062) | 電子部品メーカー。半導体パッケージ基板で世界首位。海外売上高比率は8割弱。 |
| 資生堂(4911) | 化粧品メーカー国内首位。海外売上高比率は6割超。中国に強い。外国人旅行客による売上増期待。 |
| ワコム(6727) | クリエイティブ向けペンタブレット世界首位。JPX日経中小型株指数の構成銘柄。テレワークの定着やリスキリングの拡大も追い風。 |
| TDK(6762) | 電子部品大手。リチウムイオン電池に強み。海外売上高比率は9割超で中国が過半を占める。 |
| 村田製作所(6981) | 電子部品大手。スマートフォンやPCに使われる積層セラミックコンデンサで世界シェア4割。海外売上高比率は9割超で中国が過半を占める。 |
| 三菱重工業(7011) | 重工業メーカー首位。エネルギーを中心に防衛・宇宙分野にも期待がかかる。海外売上高比率は6割弱。 |
| トヨタ自動車(7203) | 世界首位の自動車メーカー。海外売上高比率は7割超。米国市場に強い。国内生産比率が高く円安メリットが大きい。 |
| 本田技研工業(7267) | 輸送機器メーカー。二輪車世界首位。海外売上高比率は約8割でアジアに強い。 |
| キヤノン(7751) | カメラと複写機・複合機の国内最大手。海外売上高比率は7割超。 |
| 任天堂(7974) | マリオで知られる世界的なゲームメーカー。海外売上高比率7割超。 |
輸出株の見通し
輸出関連株全体の見通しを「良い・普通・悪い」で表すと、「良い」と言えます。円安ドル高で、輸出関連会社の利益(円換算)が押し上げられているからです。
銘柄一覧にあげた製造業の会社は為替感応度が高く、想定為替レートを実際のレートより円高に設定しているので、今期(2023年12月期または2024年3月期)の業績は会社予想を上回ると期待できます。
輸出関連会社に有利にはたらく円安は、まだしばらく続くと考えられるでしょう。理由は3つあります。
では、それぞれ見ていきましょう。
① 日米欧の金融政策の違い
欧米は金融を引き締めて世の中に出回るお金を減らしているので、金利が上昇しています。反対に、日本では金融緩和をして出回るお金を増やしているので、金利が低いです。
一般に金利が高い国の通貨の価値は高くなり、金利の低い国の通貨は安くなるので円安になります。我が国の金利引き上げの判断は、インフレに見合った賃上げが行われるかどうかにかかっています。2024年春の賃上げの状況を確認するまでは金融政策に大きな変更はないと予想されるので、円安傾向は当面のあいだ続くと思われます。
円安が続くと考えられる1つ目の理由は、日米欧の金融政策の違いです。
欧米では、金融を引き締めて世の中に出回るお金を減らしているので、金利が上昇しています。反対に日本では、金融を緩和して出回るお金を増やし金利を低く抑えており、日米欧では金融政策がまるで違うのです。
一般的に、金利が高い国の通貨は価値が高くなり、金利の低い国の通貨は価値が低くなります。そのため、金利を低く抑えている日本の通貨価値は下がり、円安の進行が考えられるのです。来春に日銀総裁が任期をむかえるまで、金融政策に大きな変更はないと予想されるので、円安傾向は続くでしょう。
② エネルギーを輸入に頼る日本の貿易赤字が増加
円安が続く2つ目の理由は、原油やLNGなどが不足して価格が上がり、エネルギーを輸入に頼る日本の貿易赤字が増加していることです。財務省が公表する2021年度の貿易統計確報によると、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は5兆3,940億円の赤字となりました。
基本的に、貿易赤字国の通貨は安くなるので、円安が進むと考えられます。
原油やLNGが不足し価格が高止まりしている理由は、ウクライナ侵攻をめぐるロシアへの経済制裁で、多くの国がロシア産原油の輸入を禁止したからです。戦争が早く終わったとしても経済制裁は続くと予想されるので、原油やLNGの高い輸入価格が輸入総額を押し上げる形の貿易赤字が続き、円安も長引くと予想されます。
円安が続くなかでコロナ後の世界の経済活動が本格的に再開すれば、輸出関連会社は需要増と円安メリットの二重の効果により利益を増やすでしょう。銘柄一欄にあげた製造業の会社は為替感応度が高く、各社とも想定為替レートを現実のレートより円高に設定しているので、今期(2022年12月期または2023年3月期)の業績は会社の予想を上回ると期待できます。
ただし、円安により輸入する材料の価格が値上がりして製造コストが増える点と、欧米で金融を引き締めしすぎて、景気にブレーキがかかり売上に影響する恐れがある点などが懸念されるので、注意しておきましょう。
次に、輸出関連株について注意すべき点を3つご紹介します。
注意
記載の見通しは、当サイト編集部の見解なので、結果を保証するものではありません。いかなる不利益が生じた際にも当サイトは一切の責任を負いませんので、すべてにおける最終判断はご自身でおこなってください。
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まとめ
輸出関連株の今後の見通しは明るいです。日本からの輸出が有利になる円安が当面続くと考えられるうえ、コロナ明けの経済再開で今後は世界的な需要の拡大が期待されるからです。
需要の増加と円安の長期化を見越して、国内生産を増やす会社が増えています。コロナ禍で海外の生産が滞るなど多大な影響が出て国内工場の良さが見直されつつあったところに円安が追い風となっているのです。
トヨタ自動車(7203)や村田製作所(6981)など、従来から国内生産を重視してきた会社だけでなく、キヤノン(7751)、資生堂(4901)などにも生産拠点を国内に移す動きが目立っています。国内生産を増やせば、製品の安定的な供給と輸出を通じた円安メリットの両方が実現できるからです。
このように、先行きのリスクや円安に対して会社がどのように対応しているかは、銘柄を選ぶうえで大事な視点の一つで株価にも影響する可能性があります。





