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【無電柱化(電柱地中化)関連株・銘柄まとめ】本命はどこ?電線やコンクリート製品メーカーなどの関連業種や今後の見通しも解説

やさしい株のはじめ方編集部担当:やさしい株のはじめ方編集部

最終更新日:2025年11月6日

無電柱化(電柱地中化)関連株は、電力・通信ケーブルを地中に埋めて電柱を減らす国の政策に関わる会社の株です。国土交通省の調べによれば、全国の電柱は約3,600万本に上ります。

電柱は街並みの美しさを損なうだけでなく、災害時や交通安全上のリスクが高いとして、国は無電柱化を進めています。無電柱化にかかわる会社は、コンクリート製品・電線メーカーや、工事会社、建設コンサルタントなどです。

この記事では、無電柱化関連株を大型株から小型株まで紹介するほか、今後の見通しについても株初心者向けにわかりやすく解説しています。ぜひ参考にしてください。

無電柱化(電柱地中化)関連株が注目を集める理由

はじめに、無電柱化関連株が注目を集める理由について解説します。理由は大きく分けて下の3つです。

無電柱化(電柱地中化)関連株が注目を集める理由

それぞれ見ていきましょう。

① 国の方針

2016年に整備された関連法に基づき、無電柱化推進計画が進行中です。無電柱化は、1980年代には都市部の幹線道路を中心に、2000年代には観光地や再開発地域に広がり、近年は防災拠点や住宅地などに展開が進んでいます。今後はインフラ強化の5か年計画(約20兆円)や補正予算による後押しが期待されます。

無電柱化事業を実施した事例

出典:国土交通省 | 無電柱化の概要について[PDF]

② 東京都の動き

東京都では、特定の新たな住宅地の電柱を禁止します。2026年にも条例化される見通しであり、実現すれば住宅地の電柱設置を禁止する全国初の条例となります。

無電柱化推進計画:電線共同溝のイメージ

出典:東京都建設局 | 無電柱化のしくみ

③ 都市部の再開発

順調な不動産投資と都市政策によって、東京や大阪の都市部の再開発が活発化しています。都市の再開発は、無電柱化を実現する絶好のチャンスです。

無電柱化(電柱地中化)関連株・銘柄一覧

無電柱化をリードする東京都でも、2022年3月末時点で無電柱化されている道路は5%台であり、伸びしろは大きいと言えます(国土交通省調べ)。国と自治体(都道府県や市町村)の政策によって、資材・工事・リサイクルなど幅広い分野に成長が期待できるでしょう。

無電柱化の整備状況(都道府県)

出典:国土交通省 | 無電柱化の整備状況(都道府県)

今回は、下記4つの分野から関連株をピックアップしました。

それぞれ見ていきましょう。

① コンクリート製品

電力・通信ケーブルの収納ボックスを提供するイトーヨーギョー(5287)日本ヒューム(5262)の中小型株2銘柄を取りあげます。中でも、イトーヨーギョー(5287)は無電柱化の本命銘柄と言われているようです。

② 電力ケーブル・資材・リサイクル

電柱を取り払い、地中に電力・通信ケーブルを埋めます。新しいケーブルや保護管(ケーブルを通す管)が必要となると共に、リサイクル需要が生まれます。

電線メーカー御三家の住友電気工業(5802)古河電気工業(5801)フジクラ(5803)に加えて、保護管を提供する積水化学工業(4204)未来工業(7931)をピックアップしました。

③ 工事

地上の電柱と電力・通信ケーブルを撤去し、地中にケーブルを引き直す工事が必要となります。電気設備工事会社から関電工(1942)、通信建設会社からミライト・ワン(1417)を取りあげました。

ミライト・ワン(1417)は、京都市先斗町や青梅街道(東京)の電力ケーブルの地中化を手がけています。こちらも無電柱化の本命銘柄として見られているようです。

④ 建設コンサルタント

公共工事の設計を省庁や自治体から請け負います。大手の建設技術研究所(9621)をご紹介。

銘柄名
クリックタップで最新株価)
事業内容
イトーヨーギョー
(5287)
コンクリート製品メーカー。低コストの無電柱化に強み。浅い地中に管路(ケーブル束を通す地中の管)を埋める方法と、小型ボックスによる収納方式の2つを実用化。地中にケーブルを直に埋める方法を実証実験中。小型株。
日本ヒューム
(5262)
コンクリート製品メーカー。基礎杭(建物を支える杭)や下水道管が主力製品。同社の『光ファイバーケーブル敷設システム』は、人が入れない小口径の下水道管の中で、ロボットが光ファイバーケーブルを敷設する工法。
住友電気工業
(5802)
電線メーカーの世界的大手。自動車、光回線、電力向けのさまざまな用途に対応したケーブルを提供。無電柱化に利用できる直接埋設用の難燃・硬質外被付きダクトケーブルを開発した。
古河電気工業
(5801)
古河グループの大手電線メーカー。無電柱化の低コスト化・省スペース化を実現する電線保護管『角型エフレックス』を開発した。電力ケーブルの束を効率よく収納できる。電線のリサイクルもおこなう。
フジクラ
(5803)
大手電線メーカー。細いケーブルに光ファイバーをたくさん詰め込む技術は世界トップクラス。AI向けの引き合いが強い。地下埋設向けの金属を使わない光ファイバーケーブルを実用化した。グループ会社がリサイクルを手がける。
積水化学工業
(4204)
総合化学メーカー。無電柱化に対応した電力・通信ケーブルの塩化ビニール製の保護管が広く採用されている。同社の『SEライナー工法』は、古くなった電力ケーブル保護管の中に新しい管を入れ、新たな管路を作る仕組み。
未来工業
(7931)
電設資材メーカー。無電柱化向けの埋設管や保護管、ボックス類を幅広く扱っている。地中ケーブルのシロアリ対策(地下に埋設されたケーブルはシロアリの被害を受けやすい)の提案もおこなう。
関電工
(1942)
東京電力ホールディングス(9501)グループの大手電気設備工事会社。道路を地上から掘削せずに地中の管路へ電力ケーブルを引き込める『小口径カーブ配管工法』をトーメック社と共同開発した。
ミライト・ワン
(1417)
通信建設会社。通信を中心に電気、交通、水道、エネルギー関連の工事をおこなう。傘下に測量大手の国際航業。京都市先斗町や青梅街道(東京)の電力ケーブルの地中化を手がけている。
建設技術研究所
(9621)
建設コンサルタント会社。地中に埋まっているガス・通信管などを三次元(3D)で確認するシステムを開発した。国土交通省「無電柱化のコスト縮減の手引き」掲載の3D探査技術は、同社の技術が採用されたとみられる。

無電柱化(電柱地中化)関連株・銘柄の見通し

無電柱化関連株の見通しを「良い・普通・悪い」で表すと、「良い」と言えるでしょう。無電柱化は国の方針であり、2024年度までに291市区町村と47都道府県が推進化計画を作成済みです。東京をはじめとする大都市を中心に、群馬や山梨でも取り組みが進んでいます。

無電柱化事業ははじまってから約40年が経ちましたが、実現に時間がかかっています。地中にある下水管や一部の通信ケーブルとの調整がむずかしいうえ、高いコストや交通規制の負担が大きかったからです。

地下工事が地中で完結する技術が開発され、コストダウンと政策支援が進んだ今、無電柱化の需要は高まりつつあります。

それでは、無電柱化関連株の見通しを、一覧に紹介していない銘柄を交えつつ、もう少しくわしく説明しましょう。

① コンクリート製品

電力・通信ケーブルを地中にまとめて収納するコンクリートボックスを電線共同溝と呼びます。一覧に挙げたメーカー2社のほか、ベルテクスコーポレーション(5290)日本コンクリート(5269)などが手がけています。

② 電力・通信ケーブル・資材

電線メーカーのSWCC(5805)JX金属(5016)グループのタツタ電線は、シロアリ対策用地中ケーブルを開発・販売しています。また、タイガースポリマー(4231)は地中ケーブルの防護管を、那須電機鉄工(5922)は無電柱化向けの通信引き込み線や通信分岐箱を提供しています。

③ 工事

電気工事会社、通信建設会社などのサブコンと呼ばれる会社が無電柱化工事を担います。今後、無電柱化が地方で本格化することになれば、関西電力グループの電気工事会社きんでん(1944)や、九州電力グループのクラフティア(1959)などにもプラスとなるでしょう。

※サブコンとは、「Subcontractor(サブコントラクター)」の略で、ゼネコンから電気・通信などの専門的な工事を請け負う会社です。

④ 建設コンサルタント

オリエンタルコンサルタンツホールディングス(2498)は、電線共同溝の3D設計支援システムや維持管理の仕組み作りなどを手がけています。また、オオバ(9765)には、「市街地開発事業における無電柱化推進のためのガイドライン」の作成を国土交通省から受注した実績があります。

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まとめ

無電柱化は、街並みを美しくするだけでなく、災害対策や交通安全の観点からも、国の重要な政策として位置づけられています。無電柱化が進む東京都では、条例化や再開発の進展によって、住宅地にも対象が広がる見通しです。

電力・通信ケーブルの地中化には、コンクリート製品・電線・資材メーカー、リサイクル業者、工事会社、設計コンサルタントなど幅広い会社が関わります。近年は、AI向けデータセンター用の通信インフラの地下埋設需要も、関連銘柄の業績や株価を押し上げる材料となっています。

中長期的には、新しい技術の普及によってコストが下がり、無電柱化の加速が期待できるでしょう。国がリードする成長テーマの一つとして注目していきたいですね。

やさしい株のはじめ方編集部

この記事の執筆者

やさしい株のはじめ方編集部 

FP2級や証券外務員二種、日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)を持つ複数のメンバーが「株初心者の方に株式投資をわかりやすく理解していただく」をモットーに、記事を執筆しています。

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