退職金の資産運用についておすすめがあれば教えてください
定年退職をして、まとまった退職金を受け取りました。資産運用をしてみたいという思いはあるのですが、いかんせん投資は未経験なので、何からはじめたらいいのかよくわかりません。おすすめの運用方法などあれば、アドバイスをお願いします。
退職金の運用について、大切なことは「退職金の一部を生活費として取り崩しながら、運用を続けていく」ことです。したがって、資産を大きく減らしてしまうようなリスクの高い投資は避けつつ、安定した運用を心がける必要があります。まずは、代表的な金融商品について、退職金の運用に向いているかチェックしていきましょう。
①日本株
日本株を自分で選んで投資をするのは、商品の特性上リスクが高いのでどちらかというと不向きです。ただ、サテライト的に少額を日本株に振り向けるのであれば、パフォーマンスを高めるという意味では悪くありません。
ご自身で勉強をしつつ、投資能力を磨いていく方針であれば、株を買って企業を応援しつつ、配当や株主優待を受け取るのもよいでしょう。しかしながら、株式での運用は値動きが激しいので、運用資金の大半を日本株に向けるのは、個人的にやりすぎかなと思います。日本株は証券会社で購入できます。
②外国株
外国株への投資は日本株への投資と比較すると、為替のリスクが発生して、かつ、情報も得られにくいという特性があります。日本株よりもさらにリスクが高くなるので、退職金の運用という視点からは不向きです。
ただ、日本株よりも高い成長性が期待できるので、最近は個人投資家の中では人気の投資先になっています。ハードルは高いですが、興味があれば日本株と同様に少額で挑戦してもよいでしょう。
③日本債券
日本債券は、もっとも安全性が高い金融商品です。特に、“個人向け国債”は個人にしか買えない特別な債券です。
個人向け国債は個人向けにアレンジされており、一般的な国債と比べると次の特徴があります。
個人向け国債の特徴
- 1万円から買える
- 中途解約のペナルティが軽い(元本割れしない)
このように、有利な設計になっています。キャンペーンも頻繁に実施されているので、お得な証券会社から購入するのがおすすめです。
④外国債券
外国債券(外債)は、アメリカに投資をする米国債が一番メジャーな商品です。2023年7月現在では、金利3%~4%くらいで売られています。
日本債券同様に安全性が高くリスクが低めの金融商品ですが、為替リスクがあるので、売却時に円高に振れた際には目減りすることがあります。その点はご注意ください。
⑤投資信託
投資信託は、上記で紹介した①~④の金融商品がさまざまな割合でパッケージになっている商品です。
例えば、コストが安く平均的な運用成績を目指す「インデックスファンド」や積極的にリターンを目指す「アクティブファンド」、分散投資を狙った「バランスファンド」などがあります。
いずれにしても、運用のプロが運用を代行してくれるので、管理が楽ちんです。退職金の資産運用にはうってつけの商品です。ただし、プロが運用するとはいえ、必ずしも短期間で利益が確実に出るというものではないので、その点は気を付けてください。投資信託で運用しつつ取り崩していくのが健全です。
⑥仮想通貨(暗号資産)、FXなどその他の金融商品
近年、人気の投資先でもある仮想通貨(暗号資産)はリスクが高すぎて、退職金の運用には不向きです。また同様にFXについては、リスクの高さに加えて、通貨の両替ゲームなので、長期保有をして価値が増大するような商品性でもありません。
よって、この2つの投資商品には投資するべきではありません。また、金などの別の金融商品も投資先のメインにするにはやはり不向きです。
以上のことをまとめると、投資先のメインは、株、債券、投資信託あたりになります。とくに自分でいろいろな判断を必要としない投資信託は特におすすめです。退職金運用から投資をはじめるというビギナーの方にもうってつけと言えます。
具体的にどのような投資信託を選んで投資をするかは、グループサイトの「やさしい投資信託のはじめ方」をご参考いただければと思います。
退職金運用となると、贈与や相続も意識せざるを得ない年代ですので、そのあたりも含めてトータル的にサポートを受けたい場合は、ファイナンシャルプランナー(FP)を活用するというのも一つの方法です。
FP選びもいい人に出会うことがむずかしいので、「退職金ナビ」などの検索サービスを使って、自分自身にあった人を探すというのもよいでしょう。
サイト内の参考ページ
この質問を見た人は、こちらも読んでいます
お悩みをキーワードで検索する
お悩み検索
他のお悩みを検索できます
投資歴18年目の株初心者アドバイザーです。2005年からの投資成績は+2億円を突破しました!2009年に発売した著書『はじめての株1年生 新・儲かるしくみ損する理由がわかる本』は、累計59,000部のロングセラー。その他、数多くの金融系メディアにも寄稿しています。