借金の多い会社は、投資先として悪い会社ですか?
投資先として検討していた会社ですが、調べてみると借金(負債)が多いようです。借金が多い会社は、投資先としてよくないのでしょうか?
私たちの普段の生活では、「借金(負債)」と聞くとイメージがあまりよくないですよね。ギャンブルなどの派手な生活をしてお金に困っているのかなと考えてしまいます。アコムやアイフルのような、いわゆる“サラ金(サラリーマン金融)”で借りていると聞くと、もっと印象が悪いですよね。
個人ではなく、会社経営で考えるとどうでしょうか? 経営に行き詰まって、社長が金策に走る…銀行で土下座をして借りる。金利の低いところでだんだん借りられなくなって、最後には…。こんなドラマに出てくるような借金は、正直言ってよくない借金です。それでは、会社にとって良い借金というのはあるのでしょうか?
一旦、資金調達について、基本に立ち返って考えてみます。会社の運転資金は、まずは株式の発行により調達します。このお金は株主に返さなくてよいお金です。あとは、経済活動で出た利益が運転資金になります。これらのお金をまとめて自己資本と言いますが、事業拡大のためにもっとお金が必要なときに、他人資本、すなわち借金をするのです。
よって、事業拡大のための借金であれば、悪い借金とは言い切れません。よい借金か悪い借金かは、借りたお金でどのような経営ができるかにつきます。うまく成長できれば、結果的に良い借金だったと言えるでしょう。私たち投資家は、借金の多い・少ないだけでなく、その借金をうまく使った経営ができているかどうかを見極める必要があるのです。
借金が多い業種の例としては、銀行や不動産があります。何気なく銀行に預けているお金(預金)ですが、銀行側から見たら大量の借金です。言ってみれば、銀行業は借金ありきなのです。これが悪いことかと言えば、そうではありませんよね。
★余談として、お金を調達する手段は、借金をしなくても、新しく株を発行して投資家に買ってもらう方法があります。しかし、これは資本コストが高くなるので、必ずしもいい方法とは言えません。なぜなら、投資家はそれ相応のリターンを求めるからです。このあたりの話は、ちょっと脱線するので、またの機会にお話しします。
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投資歴18年目の株初心者アドバイザーです。2005年からの投資成績は+2億円を突破しました!2009年に発売した著書『はじめての株1年生 新・儲かるしくみ損する理由がわかる本』は、累計59,000部のロングセラー。その他、数多くの金融系メディアにも寄稿しています。