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【地方銀行株・関連銘柄】地銀株で大儲けできる?今後の見通し(2024年)やおすすめ銘柄を解説
地方銀行(地銀)は、特定の都道府県や地域を対象としている銀行のことを指します。地銀株は、地方銀行の株または地方銀行や関連会社をひとつのグループにまとめた持ち株会社の株です。
銀行株は金利敏感株であり、金利の動きに株価が左右されます。そのため「金利が上がる」と期待されると銀行株は値上がりし、「金利が下がる」と予想されると株価も下がるのです。
2023年11月現在、短期金利※1はマイナス金利※2ですが、足元のインフレや円安の進行にブレーキが必要であるとして、利上げの期待が高まっています。銀行株は、この一年で約3割ほど値上がりしました。
※1 短期金利は、返済期限が一年未満の貸し借りに使われる金利のことです。日本銀行が利率を決めています。
※2 マイナス金利は、民間の銀行が日本銀行に預けると金利がもらえず、逆にお金(金利)を取られる利率のことです。投資や貸付にお金を回りやすくする効果があります。
出典:Bloomberg「銀行株8カ月ぶり急落、金利低下嫌気-日銀総裁発言に失望との声」
円安と人手不足でモノの値段が上がっており、日本銀行が利上げの条件としているインフレ率2%が安定的に達成されつつあります。
2024年以降、インフレに負けない賃上げが実現されれば、いよいよマイナス金利が引き上げられることになるでしょう。株価の値上がりが先行していた地銀株ですが、名実ともに復活する日が近づいていると言えそうです。
地方銀行関連株・銘柄一覧
近年は、複数の地方銀行やその関連会社が集まって、ひとつの大きな金融グループを作る動きが目立っています。
政府の後押しもあり、これらの統合や合併、連携の動きは今後も続くと考えられるでしょう。そこで、ここでは規模の大きい地銀を中心に紹介していきます。
銘柄名 (クリックタップで最新株価) |
事業内容 |
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いよぎんホールディングス(5830) | 愛媛県首位の伊予銀行を中心とする金融グループとして2022年10月に発足。リースや証券、保証会社などを傘下に持つ。県内に住友グループ拠点や、紙パルプ国内2位の宇摩地域。 |
しずおかフィナンシャルグループ(5831) | 静岡銀行を中心とする金融グループとして2022年10月に発足。リースやコンサルティング、投資、保証会社などを傘下に持つ。ネット証券大手のマネックスグループの筆頭株主。 |
めぶきフィナンシャルグループ(7167) | 水戸、宇都宮を拠点とする大手地銀グループ。常陽銀行と足利銀行を子会社に持つ足利ホールディングスが経営統合して発足。足利銀行には上場廃止と国有化を経て再上場した経緯がある。 |
コンコルディア・フィナンシャルグループ(7186) | 首都圏を代表する大手地銀グループ。横浜銀行と東日本銀行が経営統合して発足。傘下に証券、リース、カード会社、研究所なども擁する。配当性向は40%程度を目安としている。 |
西日本フィナンシャルホールディングス(7189) | 西日本シティ銀行、長崎銀行、西日本信用保証の3社の持ち株会社として発足。傘下にはこの3社のほか証券会社やリース、カード会社、派遣、情報システム会社、研究所などを擁する。 |
りそなホールディングス(8308) | りそな銀行を中心に、埼玉りそな銀行、関西みらいフィナンシャルグループを擁する持ち株会社。3大メガバンクに次ぐ規模を誇るが、中小企業や個人向けのビジネスを主としている。 |
千葉銀行(8331) | 千葉県首位の地銀。地銀トップクラスの収益力と資産規模を持つ。証券・資産運用や調査・コンサルティング、リースやカード会社などを傘下に擁する。「仕組み債」の不適切な販売で2023年6月に業務改善命令を受けた。 |
七十七銀行(8341) | 仙台市を拠点とする宮城県首位の地銀。リース、証券、カード、リサーチ&コンサルティング、保証会社などを傘下に持つ。デジタル化支援、人材紹介、ファンド運営会社を相次いで設立。 |
ふくおかフィナンシャルグループ(8354) | 福岡銀行を中核とした九州を代表する大手地銀グループ。傘下に熊本銀行、長崎の十八親和銀行、福岡中央銀行、スマホ銀行のほか、証券、システム開発、カード、債権回収会社などを傘下に擁する。 |
山口フィナンシャルグループ(8418) | 山口・広島・北九州地域に展開する金融グループ。山口銀行、もみじ銀行、北九州銀行およびリース、証券、保険会社などを傘下に擁する。配当性向の方針を40%程度に引き上げた。 |
地方銀行関連株・銘柄の見通し
地銀株の見通しを「良い・普通・悪い」で表すと、「良い」と考えられます。今後、金利が上がって地銀の儲けが増えると期待できるからです。
それぞれ見ていきましょう。
① 金利の引き上げ
銀行の主な収入のひとつは、短期金利と長期金利の差である利ざやです。銀行は、短期金利で安く調達したお金を、長期金利で高く貸し出して儲けています。
長期金利が引き上げられると、住宅ローンなどの貸出金利も連動して上がるので、利ざやが大きくなるのです。長期金利は返済期限が一年以上の貸し借りに使われる金利で、日本銀行が上限を決めてコントロールしています。
日本銀行は、長期金利の上限を2023年10月末に1.0%→1.0%超に引き上げました。
出典:日本銀行[PDF]
2024年以降は、マイナス金利(短期金利)の解除も予想されています。短期金利が上がると、貸出金利はさらに押し上げられることになるでしょう。
② 資金需要の増加
円安の長期化で製造業の国内投資が増えています。なかでも半導体ブームにわく熊本周辺の資金需要は大きいです。
熊本銀行を傘下に持つふくおかフィナンシャルグループ(8308)に期待がかかります。
③ 政策保有株式の売却
地銀の多くは貸付先の会社の株を持っています。このような株を政策保有株式と呼びます。
政策保有株式の売却益を、配当や自社株買いにあてたり債券の売却損をおぎなう動きが出てきているため、政策保有株式の値上がり益は業績にも株価にもプラス材料です。
地方銀行株の注意点
地方銀行株の見通しは良いですが、2つの注意点があるので、把握しておきましょう。
貸し倒れが増えると損失になる
コロナ禍の雇用を支えてきた助成金が廃止され貸付金の返済もはじまり、物価高が追い打ちをかける形で倒産が増加。貸付先が倒産すると、銀行は貸したお金を取り戻せなくなります。
今後、住宅ローンの変動金利の引上げが始まれば、返済できなくなる個人も増えるでしょう。
保有資産の価格次第で損失が増える
地銀の約半数が、日本国債や外国債券、投資信託の含み損を抱えています。買い値が市場の価格を下回る(上回る)と、損失(利益)が出ている分が含み損(含み益)になります。債券の市場価格と金利は逆方向に動くので、今後、金利が上がると債券の含み損は大きくなっていきます。
出典:日本資産運用基盤グループ[PDF]
銘柄を選ぶ際は、地銀の抱える債券の含み損が、株式などのその他証券の含み益でおぎなえる状態かどうかに注意が必要です。
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まとめ
地銀株の先行きにはようやく明るい兆しが見えてきました。金利が上がって銀行の利ざやが大きくなる可能性が高まっているからです。地銀の業績を押し上げる利上げの実現は、インフレに負けない賃上げが継続しておこなわれていくかどうかにかかっています。
地銀株の売買を検討する際は、各行の業績や資産の状況に加えて、円レートや物価、賃金の動向、そして金利を操作する日本銀行の動きを注意深く見守っていく必要があるでしょう。