会社四季報に載っている、日本トラスティ信託口や日本マスター信託口とは何ですか?
会社四季報の中に、日本トラスティ信託口や日本マスター信託口が出てくるのですが、これらはどのような株主でしょうか?
会社四季報を読んでいると、株主構成の大株主の欄で、“○○信託口”という名前をよく見かけますよね。まず、あまりなじみのない「信託口」について、かんたんに解説していきます。
信託口とは?
信託口とは、言い換えると、信託会社(信託銀行)のことです。信託銀行と言われても、普段の生活ではあまりなじみがありませんよね。信託銀行の仕事をひとことでいうと、「お客様の資産を預かり、管理すること」です。(他の業務もありますが、ここでは割愛します)
大株主の欄に“○○信託口”と載っていると、「信託銀行がお金持ちで、株を買いまくっているのか?」と疑問に思うかもしれませんが、そうではありません。実は、信託銀行を通して、年金基金や、投資信託、保険会社などの、いわゆる機関投資家のお金が入っているのです。彼らは、投資している株券を信託銀行に預けて管理してもらっています。
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どんな信託口があるのか?
代表的な信託口としては、次の「2大信託銀行」があります。
会社四季報での名前 | 正式名称 |
---|---|
日本トラスティ信託口 | 日本トラスティ・サービス信託銀行※1 |
日本マスター信託口 | 日本マスタートラスト信託銀行 |
※1 日本トラスティ・サービス信託銀行は、資産管理サービス信託銀行とJTCホールディングス(金融持株会社)が合併し、2020年7月に「日本カストディ銀行」となりました。
日本マスタートラスト信託銀行のウェブサイトを見ると、「約400兆円もの資産を管理している」と書かれていました。たしかに、大株主に名を連ねるのも納得ですね。
(出典:SBI証券 チャーム・ケア・コーポレーションの株主構成)
また、機関投資家の資産は、信託銀行の名義で会社四季報に載るので、四季報を見ただけでは、実態を把握することができません。もし、大株主が誰なのかを知りたいときには、「大量保有報告書+会社名」でネット検索して調べてみてください。「5%ルール」というものがあり、発行済み株式数の5%を超えて保有している場合には、届け出が出ているはずです。
株主構成としての信託口(信託銀行)の影響は?
繰り返しになりますが、信託口(信託銀行)と四季報に載っている場合は、実質的には、年金基金や投資信託(運用会社)、保険会社などの機関投資家の運用資金の受け皿です。彼らは運用資金が多いので、大企業に投資していることが多いです。また、大株主に信託銀行が入っていているのであれば、さまざまな機関投資家から一定の評価を得ていると見て問題ないでしょう。だからと言って、株価が上がるかどうかは、また別の話ですが…。
以上のことを総合すると、大株主の欄に「○○信託口」という名前があれば、年金基金や投資信託、保険会社などの大口によって買われているなぁというくらいにとらえてください。ちなみに、私は、株主欄に信託口が載っていても、投資判断としてはあまり気にはしていません。
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投資歴18年目の株初心者アドバイザーです。2005年からの投資成績は+2億円を突破しました!2009年に発売した著書『はじめての株1年生 新・儲かるしくみ損する理由がわかる本』は、累計59,000部のロングセラー。その他、数多くの金融系メディアにも寄稿しています。