株を探す際に、おすすめのスクリーニング条件を教えてください
どんな株を買ったらよいかわからないので、証券会社の「スクリーニング機能(ふるい分け)」を使おうと思っています。おすすめのスクリーニング条件があれば教えてください。
ご質問のように、銘柄探しの1つとして、スクリーニング(ふるい分け)を使った方法があります。今回はSBI証券のスクリーニング機能を例におすすめ条件について紹介しますが、証券会社に口座開設をしていれば無料で使えるツールです。
(出典:SBI証券)
さて、私が設定する条件は以下のとおりです。なぜこのような設定にしているのか、それぞれについて解説します。
条件項目 | 内容 |
---|---|
①規模:小型株(時価総額501位以下) | 事業規模 |
②PER:15倍以下 | 収益から見た割安性 |
③ROE:10%以上 | 資金の効率性 |
④自己資本比率:30%以上 | 財務健全性 |
⑤過去3年平均売上高成長率:10%以上 | 成長性 |
⑥売上高営業利益率:10%以上 | 収益性 |
①時価総額:小型株(時価総額501位以下)
事業規模をチェックする指標です。時価総額の計算式は「株価×発行済み株式数」です。つまり、その会社を丸ごと買ったときの値段です。時価総額に制限を設けている理由は、成長バリュー株投資をおこなうときに、大きくなりすぎた企業は成長余地が乏しく、株価上昇という“うまみ”が少なくなる可能性が出てくるからです。
②PER:15倍以下
割安性をチェックする指標です。PERは株価収益率と訳され、数字が低い方が割安とされています。ちなみに、PERの計算式は「株価÷純利益」です。PER15倍以下というのは、株価に15年分の利益を反映させているという意味になります。言い換えると、6.6%の利回り(=1÷15×100)を見込んでいることになります。
③ROE:10%以上
収益性をチェックする指標です。ROEは自己資本利益率と訳され、数字が高い方が資金の効率性が高いとされています。ちなみに、ROEの計算式は「純利益÷自己資本」です。ROE10%以上というのは、自己資本の活用効率や収益性が高いといえる目安の数値です。高い方が、少ない資金で効率的に利益を上げていることを示します。
④自己資本比率:30%以上
財務健全性をチェックする指標です。自己資本比率が高いほど、倒産しにくい企業と判断します。自己資本比率の計算式は、「自己資本÷総資産」です。自己資本は株主から集めたお金で、返済の義務がありません。そのため、自己資本比率が高いほど経営が安定します。日本企業の自己資本比率の平均である30%以上でスクリーニングをかけると、財務健全性の高い企業が見つかります。
⑤過去3年平均売上高成長率:10%以上
成長性をチェックする指標です。過去3年平均売上高成長率が高いほど、今後も業績が伸びる可能性が高いと判断します。ただし、成長率が高すぎると「成長を維持できなくなる」危険性が高まるため、注意が必要です。一般的には「5以上、20%以下」が望ましい水準と言われており、私は「売上高成長率10%」をよく使います。これは、売上高が10年でおよそ2.5倍になる水準です。
⑥売上高営業利益率:10%以上
収益性をチェックする指標です。売上高営業利益率が高いほど、儲ける力が強いと判断します。売上高営業利益率の計算式は、「営業利益÷売上高×100」です。目安としては、売上高営業利益率が10%以上であれば、多くの場合は優良企業と判断します。そのため、スクリーニングの基準を10%以上としています。
実際に、以下の順番で条件項目を選び、数字を打ち込んでいきます。
(出典:SBI証券)
(出典:SBI証券)
スクリーニング結果で、「85銘柄」が残りました。ここから、さらに業種選択で、「ビジネスモデルが理解できる会社」に絞り込みます。比較的わかりやすいのは、「小売業・サービス業・通信業・食料品」などです。
(出典:SBI証券)
すると、「8銘柄」まで絞り込めました。あとは、投資先として除外したい銘柄があれば、目視ではじいてください。それで残った銘柄は、会社四季報や決算短信などの決算資料をくまなく読んで、より精度を上げてください。
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投資歴18年目の株初心者アドバイザーです。2005年からの投資成績は+2億円を突破しました!2009年に発売した著書『はじめての株1年生 新・儲かるしくみ損する理由がわかる本』は、累計59,000部のロングセラー。その他、数多くの金融系メディアにも寄稿しています。