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NTTドコモによる住信SBIネット銀行株のTOB・買収はいつ?なぜ?今後どうなるか、公開買付代理人の証券会社も解説

やさしい株のはじめ方編集部担当:やさしい株のはじめ方編集部

最終更新日:2025年6月16日

お知らせ
(2025年6月16日追記)NTTドコモによる電通グループのCARTA HOLDINGS(3688)に対するTOBは、こちらで解説しています。
 

NTTドコモが、住信SBIネット銀行(7163)に対するTOB(株式公開買付)を実施し、1株当たり4,900円で株式を取得すると発表しました。2025年5月28日終値3,285円を基準にすると、プレミアムは49.16%です。

今回のTOBでは、住信SBIネット銀行が所有する自己株式、三井住友信託銀行とSBIホールディングスが所有する不応募合意株式を除く全株式の取得が予定されています。

なお、住信SBIネット銀行のTOBの公開買付代理人は大和証券です。住信SBIネット銀行の株を保有していてTOBに参加したい方は、口座開設しておきましょう。

住信SBIネット銀行のTOB【公開買付価格・期間・応募方法など】

NTTドコモの住信SBIネット銀行に対するTOBの概要を、下の表に整理しました。

住信SBIネット銀行のTOBに関する基礎情報
公開買付者 NTTドコモ
被買収企業 住信SBIネット銀行(7163)
公開買付価格 4,900円※1
プレミアム 49.16%※2
公開買付期間 2025年5月30日(金)~7月10日(木)
買付株数 47,674,496株
買付予定株数の下限 -
買付予定株数の上限 -
公開買付代理人 大和証券
公開買付復代理人 -
上場 廃止
目的 NTTドコモが銀行業に参入し、決済・投資・融資・保険サービスを
ワンストップで提供するため

※1 普通株式1株あたりの買付価格です。
※2 2025年5月28日終値に対して、何%の上乗せがあったかを表しています。

NTTドコモが住信SBIネット銀行を買収する理由

NTTドコモは、銀行業に参入して決済・投資・融資・保険サービスをワンストップ提供するため住信SBIネット銀行(7163)の買収を決めました。

日本の通信キャリアでは、通信と金融の融合が進められています。ソフトバンクはPayPay銀行、KDDIはauじぶん銀行、楽天グループは楽天銀行を持っており、金融サービスと携帯電話料金プランを組み合わせて独自の経済圏を築いています。

この中でNTTドコモは出遅れており、前田社長は「2024年度中に銀行業へ参入したい」との方針を打ち出していました。

各通信キャリアが保有する金融事業
NTTドコモ ソフトバンク KDDI 楽天グループ
傘下のネット銀行 住信SBI
ネット銀行※1
PayPay銀行 auじぶん銀行 楽天銀行
傘下のネット証券 マネックス証券 PayPay証券 三菱UFJ
eスマート証券
楽天証券

※1 2025年5月29日時点では保有していません。

今回、住信SBI銀行を買収することにより、大手通信キャリアが金融やポイントの経済圏を柱とした「スマートライフ事業」に注力する計画のようです。独自の経済圏を築くことにより、顧客をつなぎ止め、顧客1人あたりの収益を高めることができるとみられます。

マネックス証券との連携については、今後詳細を検討するとのことです。TOBの資料には、「預金残高に応じてお得になる新たなロイヤリティプログラムの設定などを検討している」と書かれていました。詳しい情報が発表され次第、当サイトでお知らせします。

マネックス証券では、当サイト経由で口座開設した方全員に、やさしい株のはじめ方オリジナルレポート『銘柄スカウター 完全攻略マニュアル』をプレゼントしています。まだ口座を持っていない方は、ぜひ口座開設してくださいね。

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住信SBIネット銀行の事業内容

住信SBIネット銀行は、AIを活用した住宅ローン融資に強みを持つ大手ネット銀行です。2025年5月末現在、デジタルバンク事業とBaaS(Banking as a Service)事業、THEMIX事業の3つを展開しています。

住信SBIネット銀行の事業内容
事業名 事業内容
デジタルバンク事業 モバイルアプリ・インターネットを使った預金業務・貸出業務などの銀行業務を提供
BaaS事業 銀行の機能やサービスを、提携先企業に提供する事業
THEMIX事業 データマーケティングや広告などの非金融業務を展開

特に、BaaSは注目度が高い事業です。銀行の機能やサービスを提携先企業に提供しており、提携先企業はそれを自社のサービスと組み合わせて、自社の顧客に提供できます。

住信SBIネット銀行では、日本航空(JAL)や百貨店の高島屋などに銀行機能・サービスを提供しています。例えば、JALの場合は“マイルがたまる銀行サービス”として、住信SBIネット銀行の機能やサービスを組み込んだ「JALマイレージバンク会員向けの銀行サービス」を提供中です。

JALマイレージバンク会員向けの銀行サービス

出典:日本航空 | JAL NEOBANK

住信SBIネット銀行の株式を保有している場合はどうすれば良い?

NTTドコモによる住信SBIネット銀行のTOBは「全株式取得」です。住信SBIネット銀行の株式を保有している方は、下の画像の「全部買付の場合」に書かれているように「①市場で売る」、もしくは「②指定の証券会社で申し込む」のどちらかを選択することになります。

自分の保有株がTOBされた場合のイメージ例

それでは、どちらを選べば良いのでしょうか。いますぐに利益確定したい方は「①市場で売る」を、公開買付価格ぴったりで売りたい方は「②指定の証券会社で申し込む」を選ぶのがおすすめです。その理由をかんたんに説明しますね。

いますぐに利益確定したい方

いますぐに利益確定したい方は「①市場で売る」がおすすめです。

TOBが発表された後、その株式の市場価格は市場売買を通じて、公開買付価格付近まで上昇します。公開買付価格ぴったりでは売れませんが、売却ボタンを押すだけで手続きが完了するので、特別な手続きは不要です。手間をかけずに利益確定できます。

指定の証券会社で申し込む場合は、申込手続きが必要です。現金化までに時間がかかるので注意しましょう。

公開買付価格ぴったりで売りたい方

一方で、公開買付価格ぴったりで売りたい方は「②指定の証券会社で申し込む」がおすすめです。

指定の証券会社で申し込んだ場合、保有する株式を公開買付価格で買い取ってもらえます。市場で売る場合には、公開買付価格ぴったりでは売れず、それよりも少し安い価格で取引することになります。

TOBのプレミアムをまるっと受け取りたい場合は、市場では売らず、TOBに申し込みましょう。申込は、次に紹介する指定の証券会社でおこなってください。

住信SBIネット銀行の公開買付代理人・復代理人はどこの証券会社?

住信SBIネット銀行のTOBに応募する場合、指定の証券会社で申し込む必要があります。指定の証券会社のうち、公開買付者から業務・権限を委託された証券会社を「公開買付代理人」、公開買付代理人の業務を請け負う証券会社を「公開買付復代理人」と呼びます。

住信SBIネット銀行の公開買付代理人
公開買付代理人 大和証券
公開買付復代理人 -

住信SBIネット銀行の株式を保有している方で、市場で売却せずTOBへの応募を考えている方は、大和証券に口座開設して株式を移管する必要があります。

公開買付代理人や復代理人には、SBI証券マネックス証券などのネット証券が指定されるケースがあります。TOBの応募をスムーズに進めるためにも、今のうちに口座開設しておくのがおすすめです。

住信SBIネット銀行のTOBに応募する方法

続いて、TOBに応募する方法を説明します。3つの手順で応募可能です。

住信SBIネット銀行のTOBに応募する方法

  1. 大和証券に口座開設する
  2. 大和証券に株式移管する
  3. TOBに申し込む

それぞれ説明しますね。

① 大和証券に口座開設する

大和証券の口座を持っていない方は、口座開設しましょう。

② 大和証券に株式移管する

住信SBIネット銀行のTOBに応募するためには、大和証券の口座に、住信SBIネット銀行の株式を入れておかなければなりません。

ほかの証券会社の口座で株式を持っている方は、株式移管の手続きが必要です。株式移管の方法については、大和証券にお問合せください。

③ TOBに申し込む

大和証券にログインして、TOBに申し込みましょう。具体的なTOBの応募方法については、大和証券のQ&Aページや、問い合わせフォームから確認してください。

TOBの公開買付代理人に選ばれやすい証券会社

最後に、TOBの公開買付代理人や公開買付復代理人に選ばれやすい証券会社がどこかを紹介します。2024年に開始したTOB事例を基に、公開買付代理人・公開買付復代理人に選ばれた証券会社とその件数をまとめました。ぜひ参考にしてください。

2024年のTOBで公開買付代理人・公開買付復代理人を担当した証券会社
証券会社 担当件数
野村證券 32
みずほ証券 27
SMBC日興証券 24
大和証券 17
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 13
三菱UFJ eスマート証券(旧 auカブコム証券)
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10
東海東京証券 8
三田証券 7
楽天証券 5
SBI証券
現金2,500円オリジナルレポートがもらえる
3
マネックス証券
オリジナルレポートがもらえる
3
フィリップ証券 2

公開買付代理人を務めた件数が最も多かったのは、総合証券の野村證券で32件の取り扱いがありました。2位がみずほ証券で27件、3位がSMBC日興証券で24件となっています。

ネット証券では、三菱UFJ eスマート証券の取り扱い件数が13件と最多です。三菱UFJ eスマート証券を追う形で、楽天証券が5件、SBI証券マネックス証券が3件となっています。

TOBに応募する際は、株式の移管手続きやTOBの申込手続きが必要です。手続きに加えて口座開設もしなければならない場合、どうしても時間がかかってしまいます。スムーズにTOBへの応募ができるよう、今のうちから複数の証券会社に口座開設しておくと良いでしょう。次に紹介するおすすめネット証券では、当サイト限定のキャンペーンを展開中です。この機会にぜひ口座開設してください。

おすすめネット証券①:三菱UFJ eスマート証券

三菱UFJ eスマート証券(旧 auカブコム証券)は、ネット証券の中で公開買付代理人の実績が最も多い証券会社です。三菱UFJモルガン・スタンレー証券と同じMUFGグループの一員ということもあり、協働している三菱UFJモルガン・スタンレー証券が公開買付代理人を引き受けた場合に、復代理人として担当するケースが多くなっています。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の担当件数がそれなりにあるので、三菱UFJ eスマート証券に口座開設しておくのもおすすめです。

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おすすめネット証券②:SMBC日興証券

SMBC日興証券は、信頼のおける総合証券の一角です。オンラインの取引サービスも提供しており、大手ネット証券に近い手数料で取引できます。TOBやMBOの取り扱い件数が多いため、TOB・MBO狙いで投資したい方は口座開設しておきましょう。

また、SMBC日興証券はIPO投資に有利な証券会社です。IPOの取り扱い件数が多く、ダイレクトコース限定で当選確率が上がる「IPO優遇特典」もあるので、ぜひとも有効活用したいですね。

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おすすめネット証券③:楽天証券

楽天証券は、2024年5月からみずほ証券の公開買付復代理人業務を開始しました。現状、みずほ証券が担当するTOB・MBO案件の一部について、楽天証券が復代理人を務める構図となっています。

すべての案件で復代理人を務めているわけではありませんが、みずほ証券が代理人を務めるTOB・MBOの件数は野村證券に次ぐ2位の多さを誇っています。今後TOB・MBOの件数が増えれば、楽天証券が復代理人を担当する件数も増えるかもしれません。

楽天証券に口座開設し、楽天銀行と連携させてマネーブリッジに登録すれば、もれなく現金2,000円がプレゼントされるキャンペーンが実施中です(~2025年6月30日まで)。

また、楽天証券に口座開設するだけで、日経テレコン(楽天証券版)や投資関連の書籍が無料で読めるサービスがあります。口座開設するだけでもかなりお得なので、まだ楽天証券の口座を持っていない方は、ぜひ口座開設しておきましょう。

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やさしい株のはじめ方編集部

この記事の執筆者

やさしい株のはじめ方編集部 

FP2級や証券外務員二種、日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)を持つ複数のメンバーが「株初心者の方に株式投資をわかりやすく理解していただく」をモットーに、記事を執筆しています。