- ホーム
- 株投資10万円チャレンジ!
- 教えて、ひっきーさん!
- 日本のGDPが3位なのはなぜ?アメリカのGDPが高い理由も解説
日本のGDPが3位なのはなぜ?アメリカのGDPが高い理由も解説
- お知らせ
- 2022年11月15日に日本のGDP(7~9月期)が発表されました。年率▲1.2%となっており、予想の+1.2%を下回る結果となっています。個人消費や設備投資は増えているものの、GDPから差し引く輸入が増えたことが影響したようです。
先日Twitter上で見かけた「アメリカの実質GDP確報値が0.6%減少」というニュースをきっかけに、2021年の世界のGDPランキングを調べてみました。日本経済は落ち目だ…と聞きますが、GDPランキングでは堂々の3位となっています!
なぜ日本がGDPランキングで3位なのか気になったので、ひっきーさんに質問してみました。また、アメリカのGDPが高く世界ランキング1位の理由もまとめています!ぜひ最後まで読んでくださいね。
日本がGDPランキングで3位の理由は?
順位 | 国名 | GDP |
---|---|---|
1位 | アメリカ | 約23.0兆ドル |
2位 | 中国 | 約17.5兆ドル |
3位 | 日本 | 約4.9兆ドル |
4位 | ドイツ | 約4.2兆ドル |
5位 | イギリス | 約3.2兆ドル |
(出典:IMF World Economic Outlook Databases)
※1 名目GDPとは、国内で生産されたモノやサービスの付加価値を表す指標のひとつで、モノやサービスの生産量に市場価格を掛け算して、それを合計することで求められます。名目GDPは単純に生産量と価格を掛けただけなので、物価の変動の影響を受けてしまいます。この物価変動を取り除いた指標として、「実質GDP」も用意されています。
日本のGDPって下に挙げたようなネガティブな要素が目立ち、「日本経済は落ち目だ」という意見をよく耳にします。
それなのに、世界GDPランキングでは堂々の3位にいる理由って何ですか?
まゆ
- GDP成長率が低い(20年以上横ばいになっている)
- 1位のアメリカ、2位の中国から大きく差を付けられている
- 1人あたりGDPが低い
ひっきー
おもしろいところに目を付けましたね!
日本が世界GDPランキングで3位の理由として、次のようなものが考えられます。
- 人口が多い(世界人口ランキング11位)
- 高品質なモノを生産できる技術力を持っている
- ビジネス環境が整っている
- 地政学的に重要な場所にある
ひっきー
地政学的なお話は今回パスして、経済学的なお話にしておきます!まず、何といっても人口が多いです。
GDP(国内総生産)は下の式で計算できるので、1人あたりGDPが変わらないとすれば、人口が多いとGDPも大きくなるのがわかると思います。
GDPの計算式
GDP=1人あたりGDP×人口
なるほど!これは直感的にイメージしやすいですね。では、「高品質なモノを生産できる技術力を持っている」というのは、どういうことですか?
まゆ
ひっきー
これは日本が豊かになるために必要な要素です。日本は資源を持たない国なので、経済を発展させるためには海外から資源を輸入しないといけなせん。
そのためには外貨が必要なのですが…、日本はそれを「高品質なモノの輸出」によって手に入れています。
日本の主な輸出品目(TOP10)
出典:一般社団法人日本貿易会JFTC きっずサイト
日本って自動車や半導体、鉄鋼を多く輸出しているんですね!自動車は日本が得意なイメージがあります。
社会科の教科書で、日本車のクオリティが高すぎてアメリカと貿易摩擦になったエピソードが載っていましたし…。
まゆ
ひっきー
そのとおり!日本人は昔から勤勉で物事を突き詰めるのが得意でした。そんな国民性を活かした「高品質なモノづくり」を武器に、外貨や資源を効率よく手に入れています。
手に入れた資源を使えばもっとたくさんのモノを作ることができますから、GDPも大きくなるわけですね。
じゃあ、「ビジネス環境が整っている」について教えてください!
まゆ
ひっきー
わかりました。ここまでに紹介した「人口が多い」点、「高品質なモノを作る技術力を持っている」点の2つが関係しています!
外資系企業による日本市場の評価
出典:日本貿易振興機構JETRO 世界3位の経済大国、日本
ひっきー
まずは市場規模の大きさです。日本はモノづくりを武器に経済発展してきた国で、所得水準が高く、市場規模が大きくなっています。
それゆえ、海外から企業が参入しやすく、海外企業の日本支社が生み出した付加価値がGDPに加算されていきます!
外資系の会社ってたくさんありますもんね!私の友達も外資系の消費財メーカーに入っていますし、GDPに影響しているのも何となくわかります。
まゆ
ひっきー
そして、市場規模が大きいため、企業が新製品や新サービスを投入しやすくなります!
企業がさらなる成長を目指して、どんどん付加価値を生み出してくれるので、GDPも高くなるというわけです。
なるほど!日本が世界3位のGDPを誇る理由がわかりました!
まゆ
人口が減少している日本のGDPはどうなる?
日本のGDPが世界3位の理由はよくわかったんですが、最近は人口が減っていますよね…。
高齢化も進んでいるし、日本のGDPが3位を維持できるかわからないなって思うんですけど…。
まゆ
ひっきー
確かに、人口が減るとGDPは小さくなってしまいます。
そこで、政府は「特定技能制度」と呼ばれるものを作り、外国人労働者の受け入れをしやすい環境を整備しています!
在留資格「特定技能」
出典:公益財団法人国際人材協力機構JITCO 在留資格「特定技能」とは
あれ?外国人が日本でモノを作っても、それは日本のGDPには含まれないんじゃないですか?
まゆ
ひっきー
GDPは「国内」総生産なので、国籍は関係なく日本国内で生み出された付加価値を表すんですよ。
また、人口が減少することをビジネスチャンスと捉え、「課題解決先進国」を目指す取り組みもされています!
日本は「課題解決先進国」を目指す
出典:https://www.jetro.go.jp/invest/investment_environment/whyjapan/ch1.html
ひっきー
日本が直面している少子化・高齢化などは、他の先進国も無関係ではいられない課題です。
このような課題を企業と一緒に解決することで、新たなモノやサービスが生まれて企業が成長していきます。
新しいモノやサービスが生まれれば、GDPも増えていきますね!日本の未来に希望が見えてきました!
まゆ
アメリカが世界GDPランキング1位なのはなぜか?
順位 | 国名 | GDP |
---|---|---|
1位 | アメリカ | 約23.0兆ドル |
2位 | 中国 | 約17.5兆ドル |
3位 | 日本 | 約4.9兆ドル |
4位 | ドイツ | 約4.2兆ドル |
5位 | イギリス | 約3.2兆ドル |
(出典:IMF World Economic Outlook Databases)
最後に、アメリカが世界GDPランキングで1位の理由を知りたいです!
まゆ
ひっきー
わかりました!結論から先に申し上げると、「世界の資本を引き付けられるため」と考えられます。
順位 | 国名 | GDP |
---|---|---|
1位 | アイルランド | 約20.7万ドル |
2位 | ルクセンブルク | 約15.9万ドル |
3位 | アメリカ | 約14.1万ドル |
4位 | スイス | 約13.2万ドル |
5位 | ベルギー | 約12.7万ドル |
(出典:IMF World Economic Outlook Databases)
※2 労働生産性とは、従業員1人が1年間でどれだけの付加価値を生み出したかを表す指標です。この数値が高いほど、効率よく生産できていることを表します。
ひっきー
実はアメリカは世界労働生産性ランキング3位で、世界的に見て効率よく付加価値を生み出している国なのです!
すごい!企業や投資家の視点に立って考えると、効率よく生産できるアメリカに進出したくなりますね!
まゆ
ひっきー
そうなんです!世界中から資本が集まるため、アメリカの企業は大規模な投資ができます。
その結果、GAFAをはじめ世界的に事業を展開する企業が多く生まれました!
GAFAができた背景には、こういう仕組みがあったんですね!
アメリカで株式投資が盛んなのは、世界中でビジネスを展開する企業が多いからなんですか?
まゆ
ひっきー
それも要因のひとつだと考えられます!
また、世界中から投資家が集まるので、株主還元が充実していたり、投資家にとって魅力的な上がる指数が用意されていたりすることも影響しているようです。
スターバックス(SBUX)は債務超過
出典:Starbucks Corporation 2021 Annual Report[PDF]
ひっきー
私もスタバをよく使うんですが、まさかそんな状態になっているとは思いませんでした。他の企業も債務超過になっているんですか?
まゆ
ひっきー
月見バーガーで話題のマクドナルド(MCD)や航空機メーカーのボーイング(BA)なども債務超過で有名です!
ひっきー
また、アメリカの代表的な株価指標のひとつS&P500が過去10年間右肩上がりで上昇してきたことも、世界中から投資家が集まる理由のひとつと言えます。
この指数に含まれる企業は、毎期確実に利益を積み上げている企業ばかりです。
株価の計算式
株価=PER×EPS(1株あたり純利益)
ひっきー
株価は上の式で計算できるので、利益を毎期積み上げている企業だけを集めた指数を作れば、右肩上がりで上がっていくことはイメージしやすいと思います!
S&P500に投資する人が多い理由って、そういうことなんですね!確かに右肩上がりで上がっているチャートを見たら投資したくなります。
まゆ
ひっきー
このように、アメリカは投資家にとっても魅力的な市場だからこそ、ビジネスが盛んになり、経済大国になっているのです!
納得できました!説明ありがとうございました!
まゆ
まとめ
今回は日本が世界GDPランキングで3位の理由と、アメリカが1位の理由を議論してきました。日本経済に対してマイナスな印象を持っている人が多く、私もそのひとりだったのですが、今回のコラムをとおして日本経済に希望が持てました!
また、アメリカが世界1位のGDPを誇っている理由は、世界中からお金が集まる仕組みを構築しているからだと知って、とてもおもしろいなと思いました!日本もいままで以上に企業が進出しやすくて、投資家にとっても魅力的な市場になっていけば、アメリカのようにGDPを高められるかもしれないですね!
Twitterで「アメリカの実質GDP確報値が0.6%減少」というニュースを見てから、世界のGDPが気になってランキングを調べてみました!