グロース指数(旧マザーズ指数)に連動する、おすすめのETF・投資信託を教えてください
グロース指数(旧マザーズ指数)が大きく下がっていて、今が投資のチャンスかなと思っていますが、グロース株全体に投資をするにはどのような方法がありますか?また、グロース指数に連動する、おすすめのETF・投資信託があれば教えてください。
グロース市場に連動するETFや投資信託を紹介する前に、グロース市場に関連した指数について説明しますね。「グロース指数」とひとくちに言っても、2024年9月現在は以下の3種類が存在します。
指数名 | 概要 |
---|---|
東証グロース市場指数 | 東証グロース市場に上場する全銘柄を対象とした株価指数 |
東証グロース市場Core指数 | 東証グロース市場に上場する銘柄のうち、上場時価総額や流動性を考慮して選定された20銘柄で構成される株価指数 |
東証グロース市場250指数 | 旧東証マザーズ指数。東証グロース市場に上場する銘柄のうち、時価総額を基準にJPX総研が選定した主力250銘柄で構成される株価指数 |
これらの3つの指数に投資したい場合、次の4つの方法があります。
- ETF(上場投資信託)
- ETN(指標連動証券)
- 投資信託
- 商品先物
4つのうち、投資初心者の方であれば、④の「商品先物」はおすすめしません。レバレッジを10倍以上かけて取引できるので、うまくいけば大きな利益を出せますが、うまくいかなかった場合は、元本以上に損をしてしまう可能性があるからです。気になる方は東証グロース市場250指数先物(旧東証マザーズ指数先物)について解説したこちらの記事で解説しているので参考にしてください。
そのため、ここでは①~③についてご紹介します。
グロース指数への投資
グロース指数に投資したい場合は「東証グロース市場指数や東証グロース市場Core指数などの動きに連動する金融商品」を売買します。直接東証グロース市場指数などに投資できないので注意が必要です。
指数の動きに連動する金融商品とは、ETF(上場投資信託)・ETN(指標連動証券)・投資信託の3つです。いずれも、1つの商品を購入するだけで指数全体に分散投資ができるので、個別株に投資するよりもリスクを抑えて投資ができます。中長期の資産形成に向いているので、これから投資をはじめる方におすすめです。
ETF・ETN・投資信託の違いを、かんたんに説明します。
ETF・ETN | 投資信託 | |
---|---|---|
価格 | リアルタイムの価格 | 1日1回決まる基準価額 |
投資金額 | 数万円~ | 100円~ |
指値注文 | できる | できない |
信用取引 | できる | できない |
ETF・ETNは、株と同じようにリアルタイムで売買ができ、指値注文や信用取引などもできます。投資信託は、少額からコツコツと投資できるのが特徴です。ご自分の投資スタイルや資金に合わせて選びましょう。
- 株式投資感覚で投資したい→ETF・ETN
- 積み立て投資で資産形成をしたい→投資信託
それでは、グロース指数に投資できる商品を見ていきましょう。
グロース指数に連動するETF・ETN・投資信託
グロース指数に連動するETF・ETN・投資信託には、次の商品があります。
カテゴリ | 商品名 | 概要 |
---|---|---|
ETF (上場投資信託) |
東証グロース・コアETF (1563) |
東証グロース市場Core指数に連動 |
東証グロース250ETF (2516) |
東証グロース市場250指数に連動 | |
ETN (指標連動証券) |
NEXT NOTES 東証グロース市場250ETN (2042) |
東証グロース市場250指数に連動 |
投資信託 | DIAM新興市場 日本株ファンド |
新興市場(東証グロース市場)に上場している銘柄を主要投資対象とする |
楽天日本新興市場株 ダブル・ブル |
東証グロース市場指数に2倍連動 |
グロース指数全体に投資するなら投資信託一択
「グロース指数に投資したい」と考えると、どうしても市場全体に投資できる金融商品が第一候補に浮かぶと思います。上の表からも明らかなように、市場全体に投資する場合は投資信託の「DIAM新興市場 日本株ファンド」一択となります。
類似商品として「楽天日本新興市場株ダブル・ブル」という投資信託がありますが、こちらは投資初心者の方や長期投資には向いていません。理由は、東証マザーズ指数の値動きに対して2倍の動きをするためです。東証マザーズ指数が上がれば2倍の利益を出せますが、下がれば2倍損をします。このような点から、レバレッジ型の投資信託はリスクが高くなっているのです。
ただし、レバレッジ型の投資信託は、東証グロース指数が大きく上昇しそうな「ここ一番のタイミング」であれば高いリターンを狙えるかもしれません。タイミングを計ることはとてもむずかしいので、中級~上級者向けの投資信託と言えるでしょう。
手軽に投資したい場合はETF・ETNがおすすめ
手軽にグロース指数に投資したい方は、ETFやETNの活用がおすすめです。具体的には、東証グロース市場Core指数に連動する東証グロース・コアETF(1563)や東証グロース市場250指数(旧東証マザーズ指数)に連動する東証グロース250ETF(2516)・NEXT NOTES 東証グロース市場250ETN(2042)が挙げられます。
東証グロース・コアETF (1563) |
東証グロース250ETF (2516) |
NEXT NOTES 東証グロース市場250ETN (2042) |
|
---|---|---|---|
連動対象 | 東証グロース市場 Core指数 |
東証グロース市場250指数 | |
価格 | 2,376円 | 520.6円 | 7,063円 |
出来高 | 65,279口 | 1,564,600口 | 2,912口 |
(2024年12月2日時点)
選択肢が3つもあると、どれに投資すれば良いか迷いますよね。“投資初心者の方でも取引しやすいもの”という観点で考えると、「東証グロース250ETF(2516)」がおすすめです。
上の表から明らかなように、このETFは3つの中で最も価格が安く、出来高も多くなっています。1口約500円から購入できるので、「お試しで1,000円分買ってみる」といった挑戦の仕方も可能です。出来高も十分にあるので、売りたいときに売れる安心感もあります。
東証マザーズは2022年4月4日から「グロース市場」に変わりました
高い成長性を持つ銘柄が上場している東証マザーズは、2022年4月4日におこなわれる東証の市場区分見直しにより、多くの銘柄が「グロース市場」に移行しました。
東証が市場再編をする目的は、「各市場に特徴を持たせ、上場銘柄を整理すること」です。日本株を売買しやすい環境を整えることで、海外投資家の資金が集まって日本市場が盛り上がることが期待されています。
2024年現在、中央銀行の利上げなどが原因でグロース市場が上昇しづらい状況が続いていますが、将来的に金利が落ち着けばグロース市場に資金が流入するかもしれません。そのときには、グロース指数の上昇にも期待したいです。
東証の市場再編については、「東証が市場再編!プライム・スタンダード・グロース市場の条件についてわかりやすく解説します」で解説しているので、詳しく知りたい方はぜひ参考にしてください。
サイト内の参考ページ
- 東証グロース市場250指数先物(旧東証マザーズ指数先物)とは?構成銘柄一覧や買い方、手数料を紹介
- ETF(上場投資信託)
- 投資信託
- 東証が市場再編!プライム・スタンダード・グロース市場の条件についてわかりやすく解説します
- 成長株(グロース株)投資法
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投資歴18年目の株初心者アドバイザーです。2005年からの投資成績は+2億円を突破しました!2009年に発売した著書『はじめての株1年生 新・儲かるしくみ損する理由がわかる本』は、累計59,000部のロングセラー。その他、数多くの金融系メディアにも寄稿しています。