株主優待をタダ取りできる方法はあるのでしょうか?
普通に株を保有していなくても、「株主優待をタダでもらえる」方法があるという話を聞いたのですが、本当でしょうか?
結論から言いますと、株主優待をタダでもらえる方法はありません。しかし、株の売買手数料だけでお得にもらう方法は存在します。クロス取引(通称:つなぎ売り、優待クロス)と呼ばれる手法です。
まず、株主優待をもらう方法は、株を買ってそのまま権利確定日をまたぐことです。しかし、権利を取った次の日(権利落ち日)に売ろうとすると、たいていの場合、株価が下がっています。よって、権利確定日付近で買って、ちゃっかり優待だけもらおうとすると、株価下落分損をすることになってしまいます。
それを防ぐためには、買いの同数分(100株購入した場合は100株)の株を信用売りする必要があります。信用売りと言うのは、「信用取引の売り建て」のことで、株価が下落すると儲かる注文方法です。現物株を100株保有しながら、信用取引で100株売り建てすることで、権利確定日前後の株価変動の影響をゼロにすることができます。
実質的なコストは、現物株の売買手数料と、信用取引の往復の手数料と金利となります。このコストが株主優待の価値を上回ったときに、お得に株主優待がもらえるというわけです。
関連記事
実際の例を見てみましょう。今回はSBI証券を使って、10万円の株をクロス取引した場合を考えます。まず、現物取引と信用取引の売買手数料はどちらも0円です。信用取引の貸株料(無期限)は年1.1%なので、仮に2日間保有すると約6円(=10万円×1.1%÷365日×2日)となります。費用をすべて足すと、6円(=現物取引0円+信用取引0円+貸株料6円)です。よって、この場合は、6円より価値が高い優待であれば、クロス取引をする価値があると言えます。
ちなみに、信用取引を使って優待クロスを行う時には、できるだけ「一般信用取引」を使いましょう。制度信用取引(6か月返済)では、逆日歩という手数料が発生することがあり、株券の品薄がひどいときには、何万円と言う高値が付くこともあります。思わぬ出費になることがあるので、注意が必要です。
関連記事
- 逆日歩(ぎゃくひぶ)とは?(楽しい株主優待&配当)
- 一般信用取引と制度信用取引の違い
★ご興味を持たれた方は、「クロス取引でお得に株主優待をゲット!」をご覧ください。こちらで、かなり詳しく解説しています。
サイト内の参考ページ
この質問を見た人は、こちらも読んでいます
お悩みをキーワードで検索する
お悩み検索
他のお悩みを検索できます
投資歴18年目の株初心者アドバイザーです。2005年からの投資成績は+2億円を突破しました!2009年に発売した著書『はじめての株1年生 新・儲かるしくみ損する理由がわかる本』は、累計59,000部のロングセラー。その他、数多くの金融系メディアにも寄稿しています。