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【米国株】Netflix[ネットフリックス](NFLX)
公開日:2020年11月16日
成長性 | 2.0 | |
---|---|---|
割安性 | 2.0 | |
収益性 | 2.5 | |
財務健全性 | 2.0 |
サブスクリプション型(月額課金制)の動画配信サービス『Netflix』を全世界で展開している、米国株のNetflix[ネットフリックス](NFLX)について、企業分析しました(Netflixの公式ホームページ)。コロナ禍で「おうち時間」が増えたため、Netflix(以下、ネットフリックス)を契約して楽しんだ方も多いのではないでしょうか?
このページでは、マネックス証券の「銘柄スカウター米国株」を使い、次のポイントに注目して分析していきます。
- どんなビジネスを展開しているのか?
- 業績はどうなっているのか?
- 今後の展開は?
さっそく、見ていきましょう!
注意
分析方法や予測、結果などは管理人の個人的な見解です。 銘柄を推奨するものではございません。投資判断等は自己責任にてお願いいたします。
基礎情報
まずは、基礎情報の確認です!マネックス証券の銘柄スカウター米国株を開くと、ページの上にまとまっています。
(出典:マネックス証券の銘柄スカウター)
こちらでは、時価総額やPER、PBRなどの株価指標が確認できます。Netflix(以下、ネットフリックス)のPERは76.0倍、PBRは20.1倍とかなり割高感があります。後ほど紹介しますが、ネットフリックスは業績の成長性の高さから投資家の人気が高く、それがPERやPBRに表れているようです。
株価推移(最近6か月)
株価推移は、画面上にある「株価/チャート」をクリックすると確認できます。
(出典:マネックス証券の銘柄スカウター)
株価の動きを確認しましょう。銘柄スカウターでは、最大6か月分の株価が確認できます。470~580ドル付近で上がったり下がったりを繰り返しており、直近は株価が下がっています。
下落のきっかけとなったのは、10月20日に発表された決算でした。決算発表前にはアナリストの強気予想が出ており、投資家の期待が高まっていました。しかし、会員数の伸びが市場の予想に届かなかったため、失望感から株価が下がったようです。
事業内容の要約
続いて、企業の概要をつかみましょう!企業概要は、先ほど確認した基礎情報の下にまとまっています。
(出典:マネックス証券の銘柄スカウター)
ネットフリックスの事業内容は、ストリーミング動画配信事業です。もう少しなじみのある言葉に直すと、サブスクリプション型の動画配信サービスとなります。日本国内だと、月額880円(税込)で海外の映画やオリジナル作品が楽しめる、あのサービスです。新型コロナウイルスの流行により、自宅時間が大幅に増えたので、ネットフリックスを契約して映画を楽しんだ方が多いのではないでしょうか。
ネットフリックスと言えば、このように「動画配信サービス」のイメージが強いと思いますが、会社が設立された当初は「DVDレンタル」の会社でした。このDVDレンタル事業は、アメリカ国内で現在も続けられています。そのため、セグメント業績を見ると、DVDレンタルによる売上がまだ残っています。
(出典:マネックス証券の銘柄スカウター)
とはいえ、ネットフリックスの売上高の99%は動画配信サービスで成り立っているので、分析する際はこちらを重点的にチェックすれば十分です。
財務諸表分析
損益計算書
銘柄スカウター米国株では、損益計算書の推移を確認できます。画面上の「企業分析」をクリックすると、「通期業績推移」と「四半期業績推移」に載っています。さっそく、「通期業績推移」から見ていきましょう。
(出典:マネックス証券の銘柄スカウター)
青色の棒グラフが売上高を、赤色の折れ線グラフが営業利益を表しています。どちらも右肩上がりで増加しているのがわかりますね。
業績の成長が続いているのは、ネットフリックスの有料会員数が増え続けているからです。人気の映画はもちろん、ネットフリックス自身が作る映像コンテンツが多くの人に支持されて、会員数が増加しています。2020年9月時点には、有料会員数が1億9,500万人に達しました。日本の人口を超える数の人が使っている、世界的なサービスだと言えますね。
続いて、営業利益率の推移を見ましょう。
(出典:マネックス証券の銘柄スカウター)
売上高や営業利益の推移と違い、営業利益率は年によってブレが生じています。2012年の下落と2016年以降の上昇が気になりますよね。それぞれ理由を紹介します。
まずは、2012年の営業利益率下落についてです。ネットフリックスはDVDレンタルの会社として創業したとお伝えしましたが、ちょうど2012年はDVDレンタル会社から動画配信サイトの会社への移行期にあたります。
2012年の決算を読むと、動画配信事業における売上高の増加以上に、DVDレンタルからの売上高が減少したため、営業利益率が大きく減ってしまったようです。
次に、2016年以降の営業利益率上昇についてです。2015年から、ネットフリックスは自社コンテンツの制作に力を入れたのがポイントとなります。ネットフリックスの自社コンテンツはとても評判が良く、会員数が増加しました。
動画配信コンテンツを作ったり、サービスを運営したりするための費用は、売上高に合わせて増えるわけではありません。つまり、会員数が増えれば増えるほど、費用の負担が小さくなるので、営業利益率が上昇するわけです。
最後に、四半期業績推移を確認します。
(出典:マネックス証券の銘柄スカウター)
通期業績推移と同じように、青色の棒グラフが売上高を、赤色の折れ線グラフが営業利益を表しています。
ネットフリックスは、四半期ごとに見ても売上高が右肩上がりで成長しています。順調に会員数を増やしている様子が読み取れますね。
営業利益はブレが生じていますが、特に季節要因はなさそうです。会社によっては「4Qに営業利益が多く計上される」などの傾向があるので、四半期業績推移を見て把握しておく必要があります。
以上、損益計算書からネットフリックスが成長を続けている様子が読み取れました。
キャッシュフロー計算書
(出典:マネックス証券の銘柄スカウター)
上のグラフは、ネットフリックスのキャッシュフロー(CF)の推移です。
まずは、赤色の棒グラフで表される営業キャッシュフローを確認します。ネットフリックスのように、売上高が成長している会社であれば、営業キャッシュフローも右肩上がりで伸びているケースが多いです。
しかし、ネットフリックスは営業キャッシュフローが2015年ごろからマイナスになっており、赤字幅が拡大しています。理由は、ネットフリックスは2015年ごろから映像コンテンツの取得に力を入れたからです。
ふつうは、映像コンテンツの取得は「投資」と考えられるので、営業キャッシュフローではなく投資キャッシュフローのマイナスとして表示されます。しかし、ネットフリックスは営業キャッシュフローに含めているので、他の会社とは違った動きをしているのです。
このような特徴を持っているため、ネットフリックスの投資キャッシュフロー(緑色の棒グラフ)は比較的おだやかな動きとなっています。投資キャッシュフローが小さいからといって、投資を怠っているわけではないので、注意しましょう。
最後に、紫色の財務キャッシュフローを確認しましょう。財務キャッシュフローは営業キャッシュフローの動きとは正反対で、2015年以降毎年拡大しています。この理由は、映像コンテンツを取得するための資金を、借金で調達しているからです。
このように、キャッシュフロー計算書を読み解くと、会社がしっかりと現金を稼げているのかはもちろん、経営戦略までわかります。ぜひチャレンジしてみてくださいね。
配当をチェック
銘柄スカウター米国株では、配当金の推移を確認できます。下の画像のように、「配当」をクリックすると配当金の情報が表示されます。
(出典:マネックス証券の銘柄スカウター)
上の画像は、年間配当履歴です。ネットフリックスは配当金を出しておらず、ずっと無配となっていました。ネットフリックスが配当金を出さない理由は、その分のお金を使って映像コンテンツに投資し、売上高を成長させようとしているからです。
このほかにも、配当金を出している会社であれば、配当利回りや配当性向も確認できます。ぜひ活用してくださいね。
株価指標をチェック
各銘柄のPERやPBRの推移が確認できます。下の画像のように、「株価指標」をクリックするとページが出てきます。
(出典:マネックス証券の銘柄スカウター)
上の画像はPERの推移です。赤色の折れ線グラフがPERの推移を、青色の折れ線グラフが株価の推移を表しています。
2020年11月13日時点のPERは78.0倍で、過去2年間の最小値で推移しています。PERのピークは、2019年の上半期です。有料会員数の成長が好感されて、PERが高くなっていたようですね。
しかし、その後は株価とPERが下がっていきました。この理由は、競合の参入が激化したからです。ディズニーやアップルなどが動画配信サービスに参入してきたため、ネットフリックスのシェアが落ち込むと考えられたのです。
さらに、ディズニーが独自で動画配信サービスを展開した関係で、ネットフリックスへの作品供給を止めました。今まで観られていた作品が配信されなくなれば、ユーザーが離れてしまうのも納得ですよね。当然、株価にはマイナスの影響が及びます。
続いて、PBRの推移を確認しましょう。
(出典:マネックス証券の銘柄スカウター)
赤色の折れ線グラフがPBRの推移を表しています。2020年11月16日時点のPBRは20.6倍です。PBRの数字のみを見ると割高感がありますが、直近ではPBRが最小値に向かって下がって来ています。
理由はPERと同じで、競合の参入による業績の悪化を懸念して、株価が下がったことが影響を及ぼしました。
このほかにも、配当利回りの推移が載っているので、慣れてきたらチェックしてみてください。
まとめ
ネットフリックスの企業分析はいかがでしたか?銘柄スカウターを使って分析すると、ビジネスの内容や業績、今後の展開が見えてきます。下に、今回の注目ポイントを整理します。
注目ポイントのまとめ
- どんなビジネスを展開しているのか?
→ストリーミング動画配信事業。月額料金で映画やドラマが見放題となるサービス。 - 業績はどうなっているのか?
→売上高・営業利益どちらも右肩上がりで成長中。ただし、競合サービスの増加によって業績の成長が鈍化する可能性も。 - 今後の展開は?
→競合の参入がネットフリックスの成長にマイナス要因。成長が鈍化する可能性があるものの、「映像を楽しみたいならネットフリックス」という印象が根強く、オリジナルコンテンツの人気も高いため、業績が落ち込むことは考えにくい
これまで、米国株の情報を得るためには、このページでも紹介した「Form10-K」を読むのが基本でした。英語で書かれているので読むのが大変でしたが、銘柄スカウター米国株の登場によって、その手間が省略できます!サクサク米国株の分析ができるので、米国株への投資を考えている方はぜひ使ってみてください!銘柄スカウター米国株は、マネックス証券に口座開設※7するだけで、誰でも無料で使えます!
※7 2020年3月16日以降にマネックス証券に口座開設された方は、米国株の取引口座も自動で作られます。そのため、別で手続きする必要はありません。
ただし、2020年3月16日以前にマネックス証券に口座開設された方は、米国株を取引するためには新たに米国株の取引口座を作る必要があります。手続きの方法は、「マネックス証券で見る、米国株口座開設」をご覧ください。
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注意
ここで紹介している分析方法や結果等は個人的な視点のもので、銘柄を推奨するものではございません。投資判断等は自己責任にてお願いいたします。また、このページの分析は、記事公開時の情報に基づいています。同日以降に発表されたIR情報は反映していませんので、あらかじめご了承ください。