【米国株】TESLA[テスラ](TSLA)

公開日:2020年11月30日

成長性 4.0
割安性 1.0
収益性 0.0
財務健全性 2.0

電気自動車の開発・製造で有名な、米国株のTESLA[テスラ](TSLA)について、企業分析しました(TESLAの公式ホームページ)。

このページでは、マネックス証券の「銘柄スカウター米国株」を使い、次のポイントに注目して分析していきます。

  1. どんなビジネスを展開しているのか?
  2. 業績はどうなっているのか?
  3. 今後の展開は?

さっそく、見ていきましょう!

注意

分析方法や予測、結果などは管理人の個人的な見解です。 銘柄を推奨するものではございません。投資判断等は自己責任にてお願いいたします。

基礎情報

まずは、基礎情報の確認です!マネックス証券銘柄スカウター米国株を開くと、ページの上にまとまっています。

基礎情報

(出典:マネックス証券の銘柄スカウター)

こちらでは、時価総額PERPBRなどの株価指標が確認できます。TESLA(以下、テスラ)のPERは1,091.3倍PBRは33.9倍とかなり割高感があります。後ほど紹介しますが、テスラは業績の成長性の高さから投資家の人気が高く、それがPERやPBRに表れているようです。

株価推移(最近6か月)

株価推移は、画面上にある「株価/チャート」をクリックすると確認できます。

株価推移(最近6か月)

(出典:マネックス証券の銘柄スカウター)

株価の動きを確認しましょう。銘柄スカウターでは、最大6か月分の株価が確認できます。直近はもちろん、半年の間、株価が上昇基調となっています。

半年前と比べて株価が上昇した理由には、次の2つの理由があると考えられます。

  1. 小型車「モデル3」が追い風となり、販売台数が大幅に増えた
  2. S&P500種銘柄に採用された

まずは、小型車「モデル3」についてです。「モデル3」は、日本円では約390万円からとなっており、テスラが販売している電気自動車の中で最も安い価格帯の商品です。

従来の電気自動車よりもお手頃に買えるとあって、「モデル3」の売れ行きは好調でした。当然、業績にもプラスの影響が及びます。成長の期待が高まり、株価が上昇しました。

次に、S&P500種銘柄への採用です。これに採用されると、S&P500に連動した投資信託などによる「買い」が入ります。投資信託は莫大な資金を運用しているため、彼らがテスラ株を買えば、株価が上昇するのです。

事業内容の要約

続いて、企業の概要をつかみましょう!企業概要は、先ほど確認した基礎情報の下にまとまっています。

企業情報

(出典:マネックス証券の銘柄スカウター)

テスラの事業内容は、「垂直統合型再生可能エネルギー企業」と紹介されています。「テスラ=電気自動車」と想像する方が多いと思いますが、なぜエネルギー企業と書かれているのでしょうか?

テスラ自体は、電気自動車メーカーとして創業した会社ですが、会社の果たすべき使命に、「世界における持続可能エネルギーへの移行を加速させること」を掲げています。そのため、太陽光発電業者を買収し、クリーンエネルギーの開発から販売までトータルで提供しています。

このような特徴を持っているため、「垂直統合型再生可能エネルギー企業」と紹介しているようです。それでは、売上高の内訳はどうなっているのでしょうか?『セグメント業績』を確認してみましょう。

セグメント業績

(出典:マネックス証券の銘柄スカウター)

主力事業は、「Automotive(電気自動車事業)」となっています。そのため、テスラを分析する際は、電気自動車事業を中心に見ていけばOKです。

財務諸表分析

損益計算書

銘柄スカウター米国株では、損益計算書の推移を確認できます。画面上の「企業分析」をクリックすると、「通期業績推移」と「四半期業績推移」に載っています。さっそく、「通期業績推移」から見ていきましょう。

通期業績推移

(出典:マネックス証券の銘柄スカウター)

青色の棒グラフが売上高を、赤色の折れ線グラフが営業利益を表しています。売上高は右肩上がりで伸びていますが、営業利益は2017年までは赤字が拡大2018年以降に赤字が縮小という動きをしています。

2017年に営業赤字が拡大した理由は、当時の新型モデル『モデル3』の生産障害です。2017年時点では、モデル3の量産体制が整っておらず、研究開発費や設備投資を回収するだけの売上を上げられませんでした。

2018年になると、モデル3の納車が進んで売上高が積み上がったため、営業赤字幅が縮小しました。その後もモデル3の売れ行きが好調だったため、2019年には営業利益が黒字転換しました。

続いて、営業利益率の推移を見ましょう。

営業利益率の推移

(出典:マネックス証券の銘柄スカウター)

2008年以降は、営業利益率にあまり動きがないように見えますよね。これは、2007年に営業利益率が△114,185.7%という恐ろしい数字になっていたためです。銘柄スカウターで売上高を確認すると「0」となっているので、営業利益率の数値が異常なのはこれが原因のようです。

そのため、注目するべきは2008年以降の営業利益率の推移です。しかし、「すべて」の期間を表示していると確認しづらいので、「10期」表示に切り替えてみましょう。

営業利益率の推移

(出典:マネックス証券の銘柄スカウター)

2010年と2019年の営業利益率を比べると、大幅に収益性が改善しているのがわかりますね。これは、電気自動車の販売台数が増えたためです。2019年時点で営業利益率は0.3%と黒字になっており、今後も販売台数が増えていけば、営業利益率がプラスの状態で推移するかもしれませんね。

最後に、四半期業績推移を確認します。

営業利益率の推移

(出典:マネックス証券の銘柄スカウター)

通期業績推移と同じように、青色の棒グラフが売上高を、赤色の折れ線グラフが営業利益を表しています。

四半期ごとの業績を見ると、「4Qに売上高が積み上がる」などの特徴が見えてくるのですが、テスラの場合はあまり季節要因はなさそうですね。

以上、損益計算書からテスラが成長する様子を見てきました。2018年までは、費用ばかりが先行していましたが、テスラ車の販売台数が増加して売上高が積み上がり、2019年には営業利益が黒字になりました。今後も販売台数が増えていけば、黒字を維持できると考えられます。

キャッシュフロー計算書

キャッシュフロー分析

(出典:マネックス証券の銘柄スカウター)

上のグラフは、テスラのキャッシュフロー(CF)の推移です。

まずは、赤色の棒グラフで表される営業キャッシュフローを確認します。テスラは2018年まで赤字だったので、営業キャッシュフローも赤字が続いていました。

しかし、2018年には販売台数が増加した関係で、研究開発費や設備投資を回収し、利益が出るようになってきました。そのため、営業キャッシュフローがプラスに転換しています。

続いて、緑色の投資キャッシュフローの推移を追っていきます。2017年に巨額のマイナスが計上されていますが、これは巨額の設備投資をおこなったためです。

どんな設備だったかというと、モデル3を製造するための工場設備です。量産体制を整えるための投資で、2018年以降の販売台数増加に寄与しました。

最後に、紫色の財務キャッシュフローを追いましょう。投資キャッシュフローの動きとは反対に、年々金額が増えています。この理由は、工場建設などの投資資金を得るために、転換社債を発行して資金調達しているからです。

このように、キャッシュフロー計算書を読み解くと、会社がしっかりと現金を稼げているのかはもちろん、経営戦略までわかります。ぜひチャレンジしてみてくださいね。

配当をチェック

銘柄スカウター米国株では、配当金の推移を確認できます。下の画像のように、「配当」をクリックすると配当金の情報が表示されます。

年間配当履歴

(出典:マネックス証券の銘柄スカウター)

上の画像は、年間配当履歴です。テスラは配当金を出しておらず、ずっと無配となっていました。テスラが配当金を出さない理由は、その分のお金を使って設備投資し、売上高を成長させようとしているからです。

このほかにも、配当金を出している会社であれば、配当利回りや配当性向も確認できます。ぜひ活用してください。

株価指標をチェック

各銘柄のPERPBRの推移が確認できます。下の画像のように、「株価指標」をクリックするとページが出てきます。

PERの推移

(出典:マネックス証券の銘柄スカウター)

上の画像はPERの推移です。赤色の折れ線グラフがPERの推移を、青色の折れ線グラフが株価の推移を表しています。

2020年11月25日時点のPERは1,091.3倍で、過去2年間の平均値よりも割高な水準です。上の株価チャートでは、最新時点が2020年10月30日でPER737.7倍となっていますが、実際はもっと割高感が出ているので注意してください。

なお、株価とPERが上昇した理由には、テスラがS&P500種銘柄に採用されたためです。これによって、S&P500に連動した投資信託などによる「買い」が入って株価が上昇しました。

続いて、PBRの推移を確認しましょう。

PBRの推移

(出典:マネックス証券の銘柄スカウター)

赤色の折れ線グラフがPBRの推移を表しています。2020年11月25日時点のPBRは33.9倍です。過去2年間の平均値が15倍前後なので、かなり割高感が出ているのがわかりますね。理由はPERと同じで、S&P500種銘柄に採用されて株価が上がったためです。

このほかにも、配当利回りの推移が載っているので、慣れてきたらチェックしてみてください。

まとめ

テスラの企業分析はいかがでしたか?銘柄スカウターを使って分析すると、ビジネスの内容や業績、今後の展開が見えてきます。下に、今回の注目ポイントを整理します。

注目ポイントのまとめ

  • どんなビジネスを展開しているのか?
    →電気自動車メーカー
  • 業績はどうなっているのか?
    →電気自動車の量産体制が整ってきており、売上高が右肩上がりで増加中営業利益も黒字転換を果たした
  • 今後の展開は?
    販売台数が増えていけばさらに業績アップが可能。電気自動車だけでなく、再生可能エネルギー事業にも参入し、業績の成長を目指す

これまで、米国株の情報を得るためには、このページでも紹介した「Form10-K」を読むのが基本でした。英語で書かれているので読むのが大変でしたが、銘柄スカウター米国株の登場によって、その手間が省略できます!サクサク米国株の分析ができるので、米国株への投資を考えている方はぜひ使ってみてください!銘柄スカウター米国株は、マネックス証券に口座開設※7するだけで、誰でも無料で使えます!

※7 2020年3月16日以降にマネックス証券に口座開設された方は、米国株の取引口座も自動で作られます。そのため、別で手続きする必要はありません。
ただし、2020年3月16日以前にマネックス証券に口座開設された方は、米国株を取引するためには新たに米国株の取引口座を作る必要があります。手続きの方法は、「マネックス証券で見る、米国株口座開設」をご覧ください。

注意

ここで紹介している分析方法や結果等は個人的な視点のもので、銘柄を推奨するものではございません。投資判断等は自己責任にてお願いいたします。また、このページの分析は、記事公開時の情報に基づいています。同日以降に発表されたIR情報は反映していませんので、あらかじめご了承ください。

やさしい株のはじめ方編集部

この記事の執筆者

やさしい株のはじめ方編集部 

FP2級や証券外務員二種、日本証券アナリスト協会検定会員補を持つ複数のメンバーが「株初心者の方に株式投資をわかりやすく理解していただく」をモットーに、記事を執筆しています。

ページ上部へ移動