PERの基礎を学ぶ②
前のページ(PERの基礎を学ぶ)で『PERの数字の出し方』や『PERの意味するところ』を理解されたと思います。次に考えたいのは、このPERという指標を使って、どうやって割安性を計るかです。漠然と“PER(株価収益率)”という数字を出すだけでは、あまり意味がありません。
まず一つの例として、純利益と時価総額の関係から、PERが10倍と出たとしましょう。ここから考えてみます。このPER10倍というのは、時価総額(=発行済み株式数×株価)が純利益(株主の取り分)の10倍という意味でしたね。このときのPER10倍を、この会社だけで“絶対的”に考えると、『純利益10年分で時価総額と同じになる』という意味になります。
つまり、投資家がこの会社の株を時価(今の株価)で買うと、その投資額は広い意味で『10年間で投資額分が稼げる』ということを示しています。…ということは、PERが5倍であれば5年間で、20倍であれば20年間で投資額分が稼げるということを示します。
このような理由から、PERが低い株は、投資額の回収までの期間が短いと言う意味で割安と言われています。
次に、PER(株価収益率)という数字を全体の平均や他の会社と比べる、“相対的”な視点で考えてみましょう。例えば、先ほど使った『PER=10倍』という会社があったとします。仮に、この会社は東証プライムに上場していて、電力会社(東京電力や中部電力など)だったとします。
相対的に比較できるのは、所属する業界全体から見たPERです。この場合は電力会社を例に取っているので、【電気・ガス業】という欄を参照してください。“東証プライム”と仮定していますので、【東証プライム】の欄を見てください。業界全体のPERが15倍だった場合、この電力会社のPER10倍というのは割安という判断になります。
あとは、具体的に東京電力や中部電力など個別の電力会社のPERをいくつか持ってきて、それと比較をし、PERが高いか低いかを判断することです。このやり方は、「電力会社に投資をしたいけど、どの電力会社にしようか迷う~!!PERという利益の面から見た指標で判断をしたい!」という時にも、きっと役に立つと思います。(※業界平均のPERが知りたい場合は、相互リンク先の【初心者のための割安株ドットコム】さんのサイトが便利です)
☆PERは絶対的にも相対的にも利用できるので、
いろいろな角度から活用してください。