固定資産とは?

固定資産とは?

担当:西尾

担当・西尾

最終更新日:2020年5月28日

固定資産と聞くと、「固定資産税」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。家や土地を持っていると固定資産税が発生するので、「固定資産=家や土地」のイメージが強いですよね。

貸借対照表に載っている固定資産も同じで、オフィスの建物や土地、工場の機械など企業を経営するために必要な資産が含まれます。すぐに売って現金化する資産ではないので、固定資産として資産の部の下側(下の図でいうと左下)に表示されています。

貸借対照表の内訳

それでは、固定資産の具体的な中身や、業種によって生まれる差を学んでいきましょう。

固定資産の中身は?

固定資産の中身は、大きく分けると下の3つがあります。

  • 有形固定資産
  • 無形固定資産
  • 投資その他の資産

それぞれ紹介します。

有形固定資産

建物や機械、土地などの“企業を経営するのに必要な設備”が含まれます。そのため、製造業など工場が必要な企業は有形固定資産が多くなります。反対に、本社の建物だけあれば事業ができるIT企業は有形固定資産が少ないです。

慣れてくるまでは、「飲食店だから建物が多い」、「鉄道会社だから電車や線路が計上されている」と理解できれば十分です。まずは業種ごとに特徴をつかみましょう。業種の傾向が理解できたら、「土地や建物を持つリスクを避けるため、地主から借りている」のように、経営戦略と紐づけて考えていくと、企業への理解が深まります。

貸借対照表では、「建物」や「土地」のように大まかなくくりで資産が載っています。より細かく知りたい方は、有価証券報告書の「主要な設備の状況」を見るとよいでしょう。「主要な設備の状況」が読めるようになると、企業をより深く理解できておもしろいです。例として、東京ディズニーランドなどを運営するオリエンタルランド(4661)の場合を紹介します。

「主要な設備の状況」には、東京ディズニーランド全体の資産価格が載っているほか、「設備の新設、除却等の計画」に今後作られる新しいアトラクションの予算が載っています。2019年3月期の有価証券報告書を見ると、2019年夏に開業したソアリンや開発中のトイ・ストーリーホテルの予算が書かれていました。

オリエンタルランド「設備の新設、除却等の計画」

(出典:オリエンタルランド 2019年3月期有価証券報告書

また、有形固定資産が多い場合は、“減損損失”に注意が必要です。減損損失は、資産を使って稼ぎ出せるお金が減った時に計上する損失です。2020年に起きたコロナショックでは、工場を持つ企業が操業停止に陥りました。その結果、減損損失を計上して業績が悪化したのです。減損損失について詳しく知りたい方は、「減損損失とは?株価への影響を解説」をご覧ください。

無形固定資産

有形固定資産と違って、イメージが湧きにくい資産です。無形固定資産には、企業を買収した際に発生する“のれん”や企業が持っている“ソフトウェア”などが含まれます。

特に「のれん」は、無形固定資産の中で最もイメージが湧かない勘定科目です。かんたんに意味を説明すると「ブランド力」となります。のれんは、企業を買収したときに発生するものです。通常、買収する企業の値段に加えて、ブランド力の対価を支払います。この金額が「のれん」として計上されるのです。

のれんについてかんたんに説明しましたが、とてもむずかしい考え方なので、ここでは説明しきれません。もっと詳しく勉強したい方は、「のれんとは?」で説明しているので、こちらもあわせてご覧ください。

また、のれんを持っている企業は“減損”が発生する可能性があります。むずかしい内容なのでここでは書きませんが、「のれんの減損とは?株主への影響は?」で詳しく説明しています。

投資その他の資産

投資その他の資産には、投資有価証券などがあります。投資有価証券とは、関連会社や取引先などの株式※1です。たとえば、トヨタ自動車は関連会社のSUBARUや、取引先の三菱UFJフィナンシャル・グループなどの株式を持っています。このような株を持つのは、関連会社や取引先との関係性を強めるためです。

投資有価証券の割合で投資判断が変わるわけではありませんが、「ほかの企業とのつながりがある」ことを意味するので、その企業を深く知るきっかけになります。投資有価証券を持っている企業は、有価証券報告書の中で「特定投資株式」と検索すると、その企業が持っている関係会社の株式を確認できます※2。企業同士のつながりや取引先を調べたいときに役立つので、興味がある方は一度検索してみてください。

※1 関連会社や取引先の株式は、新聞などで「政策保有株式」と書かれる場合が多いです。
※2 投資有価証券を持つ企業すべてが、その内訳を開示しているわけではありません。中小企業などは開示していない場合が多い点に注意してください。

業種による傾向

固定資産も、流動資産と同じように業種によって差が出ます。固定資産の大きさからビジネスモデルを特定できるので、業種ごとにどういう傾向があるのかつかんでおくとよいでしょう。

固定資産が大きい業種には、遊園地や鉄道業、製造業など大量の土地や建物が必要な業種があります。例として、東京ディズニーランドなどを運営するオリエンタルランド(4661)の貸借対照表を見てみましょう。赤枠の固定資産の割合がとても高くなっています。ディズニーランドの土地やアトラクションが大量に計上されているのが原因です。

オリエンタルランドの貸借対照表

(出典:GMOクリック証券の財務分析ツール)

反対に固定資産が小さい業種には、IT業や卸売業などがあります。IT企業は本社の建物とパソコンさえあれば成り立つビジネスなので、大量の土地や建物は必要ありません。卸売業は卸売先への売掛金や棚卸資産が多くなるので、固定資産の割合が小さく見えます。

IT企業の例として、クックパッド(2193)の貸借対照表を見てみましょう。赤枠の固定資産の割合がとても小さいのがわかりますね。

クックパッドの貸借対照表

(出典:GMOクリック証券の財務分析ツール)

貸借対照表の調べ方

貸借対照表を調べる方法には、次の2つがあります。

  • 企業の有価証券報告書を読む
  • GMOクリック証券の財務分析ツールを使う

おすすめなのは、GMOクリック証券財務分析ツールを使う方法です。先ほど紹介したオリエンタルランドやクックパッドのように、貸借対照表をビジュアルで確認できます文字や数字の羅列を見なくてもイメージがつかめるので、企業分析をはじめたい方におすすめです。

財務分析ツールは、GMOクリック証券に口座開設するだけで誰でも無料で使えます。口座開設の手順は、「GMOクリック証券の口座開設ガイド」で詳しく紹介しているので、ぜひご覧ください。

まとめ

固定資産の中身は、「有形固定資産」と「無形固定資産」、「投資その他の資産」の3つに分けられます遊園地や鉄道業、製造業など、土地や建物が大量に必要な企業ほど、固定資産の割合が高くなります。企業のビジネスモデルを読み解くヒントになるので、中身にも目を向けられるようになりたいですね。

西尾のプロフィール

・やさしい株のはじめ方の資産運用担当
・ファイナンシャルプランナー2級、証券外務員の資格あり
・年間200銘柄以上を分析中

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