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S&P500(エスアンドピー500)の今後(2025年10月)の見通しと9月の振り返り

やさしい株のはじめ方編集部担当:やさしい株のはじめ方編集部

最終更新日:2025年10月1日

 

S&P500(エスアンドピー500)の2025年9月の振り返りと、2025年10月の見通し、注目イベント、投資戦略についてご紹介します。

本記事のポイントは、次の3つです。

ポイント

  1. S&P500は9月に3.5%高、最高値更新
  2. 堅調な企業業績や利下げ期待が下支え
  3. 10月14日の週から主要企業の2025年第3四半期決算発表スタート

詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。

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2025年9月のS&P500(エスアンドピー500)を振り返り

2025年9月のS&P500種株価指数は前月比3.5%高となりました。年初来では13.7%高です。同指数は5か月連続で値上がりしたほか、今月も史上最高値を更新する場面が見られ、株高のモメンタム(勢い)が続いています。

<S&P500は9月も最高値を更新する展開に(年初来)> S&P500は9月も最高値を更新する展開に(年初来)

出典:TradingView

9月は企業決算が総じて堅調だったほか、月初めの「雇用統計ショック」や下旬の「ジャクソンホール会議」でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演などを受け、利下げ機運が高まったことなどが市場で好感されました。

S&P500セクター別に過去1か月の騰落率をみると、「情報技術(IT、5.9%高)」や「通信サービス(5.7%高)」の値上がりが目立ちました。一方、「素材(2.3%安)」や「生活必需品(1.6%安)」などは軟調な展開となります。

<S&P500業種別の株価パフォーマンス(過去1か月、%)> S&P500業種別の株価パフォーマンス(過去1か月、%)

出典:

ファクター別ではハイテク系の比率が高い「S&P500グロース指数」の月初来4.7%高と「S&P500バリュー指数」の同1.3%高をアウトパフォームしました。年初来でみるとグロース優位の展開が続いており、S&P500グロース指数は18.4%高と、S&P500バリュー指数(7.7%高)を依然として大きく上回っています。

<S&P500グロース指数(白線)とバリュー指数(青線)の推移(年初来)> S&P500グロース指数(白線)とバリュー指数(青線)の推移(年初来)

出典:S&Pグローバル

個別銘柄ではワーナーブラザーズ・ディスカバリー(WBD、過去1か月62.8%高)やアップラビン(APP、同49.5%高)、ウエスタンデジタル(WDC、47.2%高)、ロビンフッド・マーケッツ(HOOD、39.2%高)などの値上がりが目立ちました。

シーゲイト・テクノロジー(STX、37.2%高)、マイクロン・テクノロジー(MU、36.5%高)、インテル(INTC、35.5%高)、ラムリサーチ(LRCX、31.4%高)など人工知能(AI)関連にも買いが入っています。

一方、カーマックス(KMX、同28.0%安)やファクトセット・リサーチ・システムズ(FDS、同23.6%安)、シノプシス(SNPS、同19.0%安)など軟調な決算を発表した銘柄は失望売りが出ました。

ケンビュー(KVUE、21.0%安)も大きく売り込まれています。トランプ政権が「タイレノール」をはじめとする解熱鎮痛剤の有効性であるアセトアミノフェンを妊娠中に用いると子供の自閉症のリスクを大きく高める可能性があると発表したことを受け、リスク回避の売りに押されました。

5日に発表された8月の米雇用統計は、非農業部門の就業者数が前月比2万2,000人増と市場予想を下回りました。6月分は1万3,000人減に下方修正されており、雇用者数が減るのは2020年12月以来、4年半ぶりです。

<労働市場の失速は鮮明に(千人)> 労働市場の失速は鮮明に(千人)

出典:

雇用の減速が鮮明となり、同日の米株式市場は株安で反応するとともに、FRBによる利下げ再開を後押しする結果となりました。

8月の米消費者物価指数(CPI)は総合およびエネルギーと食品を除くコア指数が概ね市場予想と一致しています。

<米CPIの推移(%)> 米CPIの推移(%)

出典:米労働省

セントルイス連銀のムサレム総裁は9月上旬の講演で、関税による消費者物価への転嫁率は約20%に留まり、今後2~3四半期かけて経済全体に浸透していくとの見通しを示しました。価格転嫁すれば家計を圧迫して消費減退につながる一方、企業が関税コストを負担すれば利益率が悪化しかねず、中小企業を中心にむずかしい経営のかじ取りを迫られている状況です。

FRBが重視する米個人消費支出(PCE)物価指数(9月)、エネルギーと食品を除くコア指数の伸びはいずれも市場予想と一致したことから、市場では利下げ期待が高まりました。

8月の米小売売上高は前月比0.6%増と市場予想を上回っており、堅調な個人消費が印象づけられています。

<米小売売上高(上段は前月比増減率、季節調整済み、百万ドル)> 米小売売上高(上段は前月比増減率、季節調整済み、百万ドル)

出典:

労働市場の減速が鮮明となるなか、10月最大のイベントとなった米連邦公開市場委員会(FOMC)では9か月ぶりに利下げを決定し、政策金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利を0.25%引き下げました。

<FF金利の推移(%)> FF金利の推移(%)

出典:セントルイス連銀

FOMC後に米主要株価指数は最高値を更新したことを踏まえると、市場は概ね利下げの再開を好感した模様です。

市場で注目されていたFOMC参加者による経済見通しは、2025年中の利下げ回数を2回と想定しており、前回6月の見通しより利下げペースが加速しました。

<FOMC参加者の経済見通し(中央値、%)> FOMC参加者の経済見通し(中央値、%)

出典:

ただし、0.5%の大幅利下げを求めたのはトランプ大統領が指名したミラン理事のみだったほか、パウエル議長は「リスク管理のための利下げ」と述べて慎重な姿勢を維持しています。予防的利下げを実施したとみられ、2026年も利下げ回数は1回と、利下げペースは市場の想定よりも緩やかなものとなりました。

PCE物価指数の伸び率は2025年10~12月期に3.0%と前回から維持されたものの、2026年10~12月期には2.6%と前回の2.4%から上方修正されています。目標とする2%を大幅に上回っており、トランプ関税によるインフレ懸念が燻っている状況です。

2025年10月のS&P500(エスアンドピー500)の見通し

2025年10月の米株式市場は利下げ期待や堅調な企業業績を背景に引き続き底堅い展開になると予想します。

9月のFOMCは予防的利下げを実施したとみられ、必ずしも利下げを継続的に実施していくものではないとの姿勢が示されました。FOMCメンバーの利下げ見通しどおりに経済や物価の状況が進んでいくか、引き続きデータを丹念に確認していく必要があります。

米金利先物の値動きから金融政策を予想する「CME FedWatchツール」によると、10月のFOMCで政策金利の引き下げ確率は9割弱に達しています(9月28日時点)。

<FedWatch(2025年10月FOMC)> FedWatch(2025年10月FOMC)

出典:CME Group

12月のFOMCでの利下げ確率は6割強と、市場の想定通りに年内2回の利下げが実施される機運が高まれば相場の下支え要因となるでしょう。ただし、雇用関連の一部の指標は減速が鮮明ですが、市場の想定よりも利下げペースが緩やかなものとなるとの見方が強まれば、失望売りを誘う可能性もあります。

米国経済の底堅さを示す指標も散見されており、例えば、9月25日に発表した2025年4~6月期の米実質国内総生産(GDP)確定値は前期比年率3.8%増と、改定値(3.3%増)から上方修正されました。米アトランタ連銀が経済指標から自動算出する「GDPナウ」は7〜9月期が3.9%の成長率と、2%程度とされる潜在成長率を上回る成長率が続く見通しです(9月26日時点)。

米国では10月からはじまる新会計年度において政府運営を続けるための「つなぎ予算案」が成立していません。政府機関の一部が閉鎖に陥り、3日予定の9月の雇用統計などの発表が延期されれば、利下げを検討するFRBに大きな影響を与えるため、関連したヘッドラインによって市場が不安定な値動きになる可能性があります。米労働省はすでに政府機関が閉鎖された場合、経済指標の発表を含むすべての業務を停止すると発表しました。

ただし、政府機関の閉鎖を巡っては、その前に相場が下がったのちに閉鎖後は値上がりする傾向にあるため、仮に大きく値下がりした際は好業績銘柄を買う機会になるとみられます。

ミクロ面では10月半ばより米主要企業の2025年第3四半期決算がスタートします。

2025年第3四半期のS&P500採用企業の1株あたり利益(EPS※1)成長率は7.9%と、9四半期連続で拡大する見込みです。6月末時点では7.3%増だったことから、アナリストが利益見通しを上方修正していることがわかります。

※1 EPSとは、「Earnings Per Share」の略で、企業の「収益力」と「成長力」を評価する際に使われる指標の1つで、1株あたりの利益がどれだけあるのかを示すものです。基本的に数値が高いほど企業の収益力は高いとみることができます。

2025年第4四半期は7.3%、2026年第1四半期は11.7%、同年第2四半期は12.7%、2025年通期は10.8%、2026年通期は13.8%と予想されています。

<S&P500採用企業のEPS成長率見通し> S&P500採用企業のEPS成長率見通し

出典:

概ねトランプ関税の影響が当初の想定よりも小さく、利下げによる下支えも加わり、2025年第3四半期以降の企業業績は市場予想よりも堅調に推移する可能性があるでしょう。

S&P500業種別では、11セクターのうち8セクターが前年同期比で増益となる見込みであり、IT、公益、素材、金融セクターが牽引役となります。一方、3セクターは前年同期比で減益が予想されており、エネルギーと生活必需品セクターの減益が目立ちます。

<S&P500業種別の利益成長率見通し(2025年第3四半期)> S&P500業種別の利益成長率見通し(2025年第3四半期)

出典:ファクトセット

S&P500構成銘柄のPERは22.5倍と、過去5年の平均である19.9倍、過去10年平均の18.6倍と比較して割高感があります。

<S&P500のPERの推移(12か月フォワード)> S&P500のPERの推移(12か月フォワード)

出典:ファクトセット

企業業績は通期でみると2桁成長が続く見通しであり、業績拡大によりバリュエーション(投資尺度)の割高感は薄れるでしょう。

投資戦略、注目イベント

10月から年末にかけてはアノマリー(経験則)的に株価が値上がりする傾向にあります。

1928年から2025年7月までの長期ヒストリカルデータでみると、10月から12月まで3か月連続で値上がりしており、良好な株価パフォーマンスを期待できそうです。

<S&P500の月次パフォーマンス(1928年~2025年)> S&P500の月次パフォーマンス(1928年~2025年)

出典:ヤルデニリサーチ

堅調な企業業績やFRBによる利下げなどを背景に、ウォール街のストラテジストによる2025年末のS&P500目標株価の引き上げが続いており、7,000ポイントの大台が視野に入ってきました。

他方、アナリストのボトムアップ分析によると、S&P500の12か月後の目標株価(中央値)は7,358.64と、9月25日終値の6,504.72と比較して11.4%の値上がり余地があります。セクター別ではヘルスケアや不動産、素材などが、ボトムアップの目標株価と終値の差が大きなものとなっています。

<S&P500業種別のボトムアップ目標株価と終値の比較(9月25日時点)> S&P500業種別のボトムアップ目標株価と終値の比較(9月25日時点)

出典:ファクトセット

米国株は2025年末および1年後にかけて値上がりが見込まれており、突発的なイベントにより指数が大きく値下がりした際は押し目を拾う好機になりそうです。仮に大きな押し目がなかった場合、時間を分散して丹念に買うのが有効な戦略となるでしょう。

主要経済指標の発表スケジュール
日付 指標名 補足
10月1日 ADP雇用統計 民間雇用の変動
10月1日 ISM製造業景況感指数 製造業の景況感
10月3日 雇用統計 労働市場の動向
10月3日 ISM非製造業景況感指数 サービス業の景況感
10月8日 FOMC議事要旨 金融政策の見通し確認
10月15日 米消費者物価指数(CPI) インフレの注目指標
10月16日 小売売上高 個人消費の動向
10月29〜30日 FOMC政策金利 政策金利の決定会合
10月30日 7~9月期GDP(速報値) 経済成長の初期評価
10月31日 PCEデフレーター インフレを測る重要指標

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まとめ

10月以降の米国株式市場は、歴史的なアノマリーに加え、堅調な企業業績や利下げ期待などを背景に、引き続き上昇基調が意識される展開が予想されます。

ウォール街ではS&P500の年末および12か月先の目標株価が相次いで引き上げられており、7,000ポイント超えも視野に入ってきました。アナリストのボトムアップ分析では、特にヘルスケアや不動産、素材セクターに大きな上値余地が見込まれています。

今後も経済指標や政策動向次第では一時的な値下がり局面も想定されますが、そのような場面は好業績銘柄への押し目買いの好機となるでしょう。また、大きな押し目がなかった場合は、時間を分散してコツコツと積み上げるスタンスが有効と考えられます。

やさしい株のはじめ方編集部

この記事の執筆者

やさしい株のはじめ方編集部 

FP2級や証券外務員二種、日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)を持つ複数のメンバーが「株初心者の方に株式投資をわかりやすく理解していただく」をモットーに、記事を執筆しています。

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