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S&P500(エスアンドピー500)の今後(2026年1月)の見通しと12月の振り返り
S&P500(エスアンドピー500)の2025年12月の振り返りと、2026年1月の見通し、注目イベント、投資戦略についてご紹介します。
本記事のポイントは、次の3つです。
ポイント
- S&P500は一時最高値更新も0.1%安で取引終了
- 1月は底堅く推移する見通し
- 1月中旬から2025年第4四半期決算がスタート
詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
2025年12月のS&P500(エスアンドピー500)を振り返り
12月のS&P500種株価指数は一時、最高値を更新したものの、前月比0.1%安となりました。年間ベースでは16.4%高と、3年連続で2桁の値上がりとなりました。
<S&P500は最高値圏で推移(過去1年間)>
出典:TradingView
12月は高PER(※1)のハイテク中心に売りが続いたものの、金融や素材などに投資マネーが流入し、物色の広がりも見られました。米主要株価指数と比べて出遅れていた代表的な小型株指数ラッセル2000も、同月11日に史上最高値を更新しています。
※1 PERは「Price Earnings Ratio」の略で、日本語では「株価収益率」と呼ばれます。株価が1株あたりの利益の何倍にあたるかを示す指標です。PERが高いほど、投資家はその企業の将来性や成長性を高く評価していると考えられます。
S&P500セクター別に過去1か月の騰落率をみると、「金融(3.4%高)」や「素材(2.2%高)」、「資本財(1.9%高)」の値上がりが目立ちます。一方、「公益(4.6%安)」と大きく値下がりしました。
<S&P500業種別の株価パフォーマンス(過去1か月)>
出典:TradingView
ファクター別では「S&P500バリュー指数」が月初来0.2%高と、ハイテク系の比率が高い「S&P500グロース指数」(同0.2%安)をアウトパフォームしました。年初来でみるとグロース優位の展開が続いており、S&P500グロース指数は21.4%高と、S&P500バリュー指数(11.0%高)を依然として大きく上回っています。
<S&P500グロース指数(白線)とバリュー指数(青線)の推移(年初来)>
出典:S&Pグローバル
個別銘柄ではマイクロン・テクノロジー(ティッカーシンボル:MU、過去1か月22.9%高)やノルウェジアン・クルーズ・ライン(NCLH、同22.5%高)、ダラー・ゼネラル(DG、同21.6%)、など、人工知能(AI)や消費・サービス関連の一角に買いが集まりました。
一方、ラム・ウエストン・ホールディングス(LW、同29.1%安)やレナー(LEN、同20.5%安)など、軟調な決算を発表した銘柄を中心に大きく値下がりしています。
12月最大のイベントとなった米連邦公開市場委員会(FOMC)では、事前の予想通り3会合連続の利下げを決定し、政策金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利を0.25%引き下げました。米国債の買い入れを通じた流動性供給が継続されたことも、結果的に金融環境の緩和につながり、投資家心理の改善を後押ししました。
<FF金利の推移(%)>
出典:セントルイス連銀
パウエル議長は政策金利が経済を熱しも冷ましもしない中立金利の推計範囲に入ったとして、追加的な緩和については都度、最新のデータを慎重に評価する姿勢を示しました。
市場で注目されていたFOMC参加者による経済見通しでは、当時の時点で2026年の利下げ回数を1回(中央値、0.25%の利下げ)と想定しており、前回9月の見通しから大きな変化はありませんでした。
<FOMC参加者の経済見通し(中央値、%)>
出典:FRB
パウエル議長は雇用の下振れリスクを懸念しており、今後も労働市場の動向を注視する必要があるでしょう。
16日に発表された11月の雇用統計は、非農業部門の就業者数が前月から6万4,000人増と市場予想の4万5,000人を上回りました。
<労働市場は減速傾向(千人)>
出典:米労働省(BLS)
ただし、9月分が下方修正されたほか、10月は連邦政府職員の早期退職プログラムの影響が出て10万人超減りました。6、8月分はマイナスに転じています。11月の失業率は4.6%とじりじりと高まっている状況です。総じて、労働市場は減速傾向にあると言えるでしょう。
なお、政府閉鎖の影響を受けて家庭調査を行えなかったため、10月分の失業率などは算出できませんでした。調査の回答率も低水準であり、市場ではデータのゆがみを懸念する声が上がっています。
同日に発表された10月の米小売売上高は前月比横ばいの7,326億ドルと、市場予想の0.1%増を下回りました。
<米小売売上高>
出典:米商務省(Census)
小売売上高の基調を判断するうえで重要な自動車・自動車部品を除く小売売上高は0.4%増と、予想の0.2%増を上回っています。
雇用統計および小売売上高はまちまちの結果となったほか、ともに特殊要因の影響も踏まえると、金融政策の先行きを判断するには慎重な見極めが必要な状況でした。
18日に発表された11月の米消費者物価指数(CPI)の伸び率は、総合およびエネルギーと食品を除くコア指数がともに市場予想を大きく下回りました。
<米CPIの推移(%)>
出典:米労働省
CPIは春先以降に高まっていましたが、再び落ち着く兆しを示しています。ただし、10月のCPIを公表できなかったことから、パウエル議長が指摘したように、11月のCPIもゆがみが生じている可能性があります。市場でもデータの信頼性に疑念を抱く見方が多いなか、引き続きデータを注視する必要があるでしょう。
23日に発表された7〜9月期の実質国内総生産(GDP、季節調整済み)は前期比年率4.3%増と、市場予想の3.2%、潜在成長率とされる1.8%を大幅に上回りました。
<米国のGDP推移(前期比年率増減率)>
出典:米商務省(BEA)
特に個人消費がけん引役となり、同期には3.5%の伸びを示し、4~6月期の2.5%から勢いが強まっています。
<実質GDPの伸び率への寄与度(2025年第3四半期)>
出典:米商務省(BEA)
一方、米調査会社コンファレンス・ボードが同日に発表した12月の米消費者信頼感指数は89.1と5か月連続で低下し、2025年4月以来8か月ぶりの低水準に落ち込みました。軟調な労働市場を受けて消費者の先行き不安が広がっている模様です。
<米消費者信頼感指数の推移>
出典:コンファレンス・ボード
2026年1月のS&P500(エスアンドピー500)の見通し
1月の米株市場は底堅い景気や企業業績を背景に底堅い展開が続くと予想します。
同月13日からは米主要企業の2025年第4四半期の決算発表が始まります。
S&P500構成銘柄の同期の予想1株あたり利益(EPS※2)は、12月19日時点において前年同期比8.3%増と、10四半期連続で増益となる見通しです(出所:ファクトセット)。9月末時点の同7.2%増から上昇修正されています。
※2 EPSとは、「Earnings Per Share」の略で、企業の「収益力」と「成長力」を評価する際に使われる指標の1つで、1株あたりの利益がどれだけあるのかを示すものです。基本的に数値が高いほど企業の収益力は高いとみることができます。
2026年第1四半期は13.1%、第2四半期は14.6%、第3四半期は14.7%、第4四半期は18.1%と高い伸びが続く見通しです。通年でみると2025年は12.3%、2026年通期は15.0%と、3年連続で2桁での利益成長が見込まれています。
<S&P500採用企業のEPS成長率見通し(%)>
出典:ファクトセット
2026年も堅調な企業業績が株高を下支えする大きなドライバーの1つとなるでしょう。セクター別ではIT、素材、資本財、通信サービス、一般消費財が2桁の利益成長が見込まれています。
<S&P500業種別の2026年利益成長率見通し>
出典:ファクトセット
S&P500構成銘柄の予想PER(12か月フォワード)は21.8倍と、過去5年の平均である20.0倍、過去10年平均の18.7倍と比較して割高感があります。
<S&P500のPERの推移(12か月フォワード)>
出典:ファクトセット
企業業績は3年連続で2桁成長が続く見通しであり、業績拡大を踏まえるとバリュエーションの割高感は薄れるとみられます。
投資戦略、注目イベント
12月に発表された主要な経済指標がまちまちの結果となったことを受け、1月のFOMCでの利下げ期待は高まっていない状況です。米金利先物の値動きから金融政策を予想する「CME FedWatchツール」によると、1月のFOMCでは政策金利を維持する確率が8割強に上ります(12月30日時点)。
<FedWatch(2026年1月FOMC)>
出典:CME Group
3月のFOMCでの追加利下げ(0.25%以上の利下げ)の確率は53.1%と、1か月前の46.6%から徐々に利下げ観測が広がっています。9日の雇用統計や13日のCPIなど労働市場とインフレ動向に関する指標を引き続き注視する必要があるでしょう。
1月は株高となりやすい「1月効果」というアノマリー(経験則)があります。1928年から2025年11月までの長期ヒストリカルデータでみると、1月は1.18%高と良好な株価パフォーマンスを期待できそうです。
<S&P500の月次パフォーマンス(1928年~2025年11月末)>
出典:ヤルデニリサーチ
2026年通年でみると、ウォール街のストラテジストの間で強気ムードが広がりつつあります。
例えば、米国株に対する慎重な見方を撤回したJPモルガンチェースは、2026年末までにS&P500が7,500に達するとの見通しを示しました。堅調な企業業績やFRBの利下げが追い風になるとみています。ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレー、ドイツ銀行なども2桁の値上がりを見込んでいる状況です。
<主要金融機関による2026年末のS&P500予想>
多くのストラテジストが強気に傾くなか、S&P500は年ベースで4年連続高になるとの予想が大勢を占めています。
ただし、大統領選サイクルとS&P500との関係を振り返ると、中間選挙の年は最もパフォーマンスが悪く(3.3%高)、トランプ政権を巡ってボラティリティが高まる場面もみられると予想されます。高値警戒感が広がるなかで、人工知能(AI)投資の過熱や金融政策を巡る不確実性もくすぶっており、より銘柄選別が重要な局面となりそうです。
米国株は向こう1年にかけて値上がりが見込まれるなか、高成長が期待されるハイテクに加え、好業績の金融やヘルスケア、資本財銘柄などの一角にも分散投資することで、より強固な投資ポートフォリオを構築できるでしょう。
経済指標としては6日にISM製造業景況感指数、7日にADP雇用統計、8日にISM非製造業景況感指数、9日に雇用統計、10日にミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)、13日にCPI、14日に小売売上高実施されました。
また、27~28日にFOMC、29日にPCEデフレータなどの発表を控えています。
| 日付 | 指標名 | 補足 |
|---|---|---|
| 1月6日 | ISM製造業景況感指数 | 製造業の景況感 |
| 1月7日 | ADP雇用統計 | 民間雇用者数の動向 |
| 1月8日 | ISM非製造業景況感指数 | サービス業の景況感 |
| 1月9日 | 雇用統計 | 雇用・賃金動向の注目指標 |
| 1月10日 | ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値) | 消費者マインドの先行指標 |
| 1月13日 | 米消費者物価指数(CPI) | インフレ動向の重要指標 |
| 1月14日 | 小売売上高 | 個人消費の動向 |
| 1月27~28日 | 米連邦公開市場委員会(FOMC) | 金融政策の決定会合 |
| 1月29日 | 個人消費支出(PCEデフレーター) | FRBが重視する物価指標 |
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まとめ
2026年1月の米国株式市場は、堅調な景気と企業業績に支えられ、底堅い展開が続くと見込まれます。主要企業の決算発表が本格化するなか、S&P500採用企業の利益成長率は引き続き高水準が予想されており、株価の下支え要因となるでしょう。
一方で、バリュエーション面では割高感も意識されやすく、金融政策やインフレ動向を巡る不確実性には注意が必要です。FOMCや雇用統計、物価指標など重要イベントが相次ぐなか、相場の変動が大きくなる局面も想定されます。
こうした環境下では、指数全体の動きに一喜一憂するよりも、好業績が見込まれる銘柄を中心とした選別投資が重要になりそうです。ハイテクに加え、金融や資本財など業績の裏付けがあるセクターへの分散投資を意識することで、安定したポートフォリオ構築につながるでしょう。























