1. ホーム
  2. 米国株投資のはじめ方
  3. テスラの株価がおかしい?買うべきか?M7の一角なのに「成長なき成長企業」の理由や買い方、今後の目標株価も紹介

テスラの株価がおかしい?買うべきか?M7の一角なのに「成長なき成長企業」の理由や買い方、今後の目標株価も紹介

やさしい株のはじめ方編集部担当:やさしい株のはじめ方編集部

最終更新日:2024年5月14日

お知らせ
moomoo証券では、米国株の上場全銘柄の注文状況を把握できる「Nasdaq TotalView」を無料でお試しできるキャンペーンが実施されています!(~2024年7月31日まで)

moomoo証券の代表取締役社長に、おすすめの使い方をインタビューしているので、ぜひチェックしてみてください!
→インタビュー記事を読む

電気自動車(EV)のテスラ(TSLA)が低迷を続けています。このコラムでは、テスラが低迷している原因について、株初心者向けにわかりやすく解説しています。

この記事のポイントは、次の3つです。

ポイント

  • テスラ株は年初来で30%安と低迷
  • EV販売低迷、リコール、マスク氏に疑念
  • アナリストの目標株価の平均は4月11日終値を7%上回る

それでは、詳しく見ていきましょう。

テスラの株価をチェック

テスラの株価がおかしい?年初来で30%安

テスラ株は年初来で30%安と、多くの機関投資家※1が運用指標とするS&P500を大きく下回っている状況です(4月11日時点)。

※1 機関投資家とは、顧客から拠出された資金を運用・管理する法人投資家の総称です。例えば、「投資信託会社」や「信託銀行」、「生命保険会社」、「損害保険会社」などが挙げられます。みなさんの年金積立金の管理・運用をおこなっている「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)」も機関投資家です。

テスラの株価推移

出典:TradingViewより筆者加筆

テスラは「マグニフィセン・セブン(M7)※2」の一角を占めますが、2024年の株価パフォーマンスはM7を構成する他社と比較しても大きく見劣りしています。

※2 マグニフィセント・セブンとは、GAFAM(アップル、マイクロソフト、アルファベット、アマゾン・ドットコム、メタ・プラットフォームズ)と呼ばれる主要5銘柄に、エヌビディアとテスラを加えた7銘柄を指します。

テスラの株価をチェック

M7の年初来の株価パフォーマンス(4月11日時点)

市場ではテスラに代わる新たなM7を推奨する声が挙がっているほか、ウェルズ・ファーゴはテスラを「成長なき成長企業」と見なし、目標株価および投資判断を引き下げました。

テスラ株が低迷する要因として、主に以下の3つ挙げられます。

EV販売の減速

テスラ株が低迷する最大の要因はEV販売が低迷していることでしょう。

4月2日に発表した2024年1〜3月期の世界販売台数が、前年同期比9%減と、15四半期ぶりにマイナスになりました。マスク氏はこれまで平均50%の伸び率でEV販売台数の成長が続くと説明してきており、明らかに成長が鈍化していることがわかります。生産台数が販売台数を上回る状態も続いています。

過去8四半期のうち7四半期で生産台数が販売台数を上回っている

出典:ブルームバーグ

EV販売の減速の背景にあるのが、BYDをはじめとする中国EVメーカーとのし烈な競争です。3月末には、中国スマートフォン大手の小米(シャオミ)が、競合するテスラ「モデルS」の半分以下の価格で高性能を誇る衝撃的なEVを発売したことが市場で話題になりました。

テスラにとって主要市場である中国では、地場メーカーによる価格攻勢により、販売が減速しています。

さらに、もう1つの主力市場である米国では、政府が3月20日にEV販売の長期目標を下げました。これまで「2032年の乗用車販売のうち67%をEVとする」とした目標を、最高で56%、最低で35%に下方修正しています。

バイデン政権が2024年11月におこなわれる大統領選挙を見据えた目標の修正と見られていますが、EV専業のテスラにとっては販売鈍化につながりかねません。下方修正のニュースが報じられた翌日の株式市場では、ダウ工業株30種平均が過去最高値を更新する一方、テスラ株は1.6%安と冴えない展開となりました。

販売競争が激しくなる中、2023年以降実施してきた値下げの拡販効果は薄れ、採算悪化も目立ちます。一時は営業利益率が20%に近づく異次元の収益力を誇りましたが、2023年10~12月期には8.2%と大きく低下しており、徐々に「普通の自動車メーカー」の域に近づいている模様です。

リコールに伴うブランド力の低下

株価低迷の2つ目の要因が、リコール(回収・無償修理)に伴うブランド力の低下です。

テスラは大規模リコールが続いています。マスク氏が注力する自動運転分野では、運転支援システム「オートパイロット」を巡り、米中合わせて360万台を超えるリコールを起こしました。テスラの2023年の世界販売台数は約180万台です。

また2024年2月には、米国で新たに約219万台のリコールを実施することが判明しました。2023年11月に出荷をはじめたばかりの新型車「サイバートラック」を含む、テスラがこれまで米国で売ってきたほぼすべてのEVがリコールの対象となります。

このようなリコールが立て続けに起こっていることは、テスラ車の品質への信頼やブランド力の低下につながっているでしょう。

マスク氏への疑念

マスク氏は自身が買収したX(旧ツイッター)を通じた過激な言動が目立ち、一部のユーザーの離反が起きている模様です。

市場調査会社キャリバーは、米国でテスラ車の購入を希望する人が減っており、その一因がマスク氏の右傾化を強める言動にあると指摘しています。

キャリバーが算出するテスラ車の「購入検討スコア」は2月には31%に低下し、ピークをつけた2021年11月の70%から半分以下に落ち込みました。キャリバーは、テスラの評判とマスク氏の評判の間に強い関連性があることも言及しています。

購入検討スコア

出典:ロイターを基に筆者翻訳

ウォール街のアナリストによる目標株価引き下げ相次ぐ

テスラを取り巻く市場環境に逆風が吹く中、足元ではアナリストの目標株価引き下げも相次いでいる状況です。

モルガン・スタンレーのアダム・ジョナス氏も、目標株価を345ドルから320ドルへと引き下げました。引き下げ後の目標株価は依然として現在の株価を大きく上回るものですが、テスラに対して強気派として知られる同氏による引き下げは注目に値するでしょう。

ジョナス氏は「自動車事業のEBIT(利払い・税引き前利益)が赤字になる可能性があるとしたら、それは今年かもしれない」と指摘しています。

それでは、ウォール街のアナリストによるテスラ株の目標株価を見ていきましょう。

アナリスト32名のコンセンサス・レーティングは「Buy(買い推奨)」です。目標株価の平均値(12か月後)は187.16ドルであり、4月11日終値と比較して7%の値上がり余地があります。アナリスト予想の最高値は310ドル、最安値は23.53ドルです。

4月5日には、2万5000ドル以下とされる低価格EVの開発から撤退を検討していることが伝えられています。テスラが安価な中国製EVに対抗するためのラインナップとして見られていたため、ロイターの報道を受け、テスラ株は同時に一時6%超値下がりしました。ただし、マスク氏は報道を否定しています。

4月23日発表の2024年1~3月期決算では、最終的な利益が55%減となりました。これは2021年以来の水準です。

テスラ株の買い方は?

テスラ株は、米国株を取り扱っている証券会社の口座を持っていれば、国内株と同じように取引できます。証券会社によって取引コストが大きく変わるので、なるべく低コストの証券会社を選びましょう。

米国株の取引コスト比較
証券会社 取引コスト ネット証券
詳細情報へ
売買手数料
(税込)
為替手数料
(1ドルあたり)
moomoo証券moomoo証券
(ベーシックコース)
0.088% 無料

詳細

DMM株 無料 25銭

詳細

ウィブル証券 0.22% 15銭

詳細

松井証券 0.495%
(最低0米ドル※1
無料

詳細

SBI証券 0.495%
(最低0米ドル※1
無料

詳細

楽天証券 0.495%
(最低0米ドル※1
無料

詳細

マネックス証券 0.495%
(最低0米ドル※1
無料

詳細

auカブコム証券 0.495%
(最低0米ドル※1
20銭

詳細

SMBC日興証券 0.495%
(最低0米ドル※1
25銭または50銭※2

詳細

PayPay証券 0.5%~0.7%※3 35銭

詳細

野村證券 2,389円~※4 25銭または50銭※5

詳細

2024年6月現在)

※1 約定代金が2.22米ドル以下の取引なら、売買手数料は0米ドル(無料)になります。
※2 10万米ドル未満は50銭、10万米ドル以上80万米ドル未満は25銭になります。
※3 日本時間の23時半~6時(夏時間は22時半~5時)は0.5%、それ以外の時間帯は0.7%のスプレッドがかかります。
※4 オンラインサービスで、約定金額20万円以下の取引をした場合の手数料です。約定金額に応じて手数料額が加算され、最大約25万円の手数料が発生します。
※5 約定金額10万米ドル以上は25銭、10万米ドル未満は50銭です。

まとめ

今後も、テスラのきびしい状況が想定されます。競争激化によるEV販売台数の低下、大規模リコールによるブランド力の低下、マスク氏への不信感など問題が山積みだからです。

また、アナリストによる目標株価引き下げも相次いでいます。マスク氏がどのように問題を解決していくのか注視していきましょう。

やさしい株のはじめ方編集部

この記事の執筆者

やさしい株のはじめ方編集部 

FP2級や証券外務員二種、日本証券アナリスト協会検定会員補を持つ複数のメンバーが「株初心者の方に株式投資をわかりやすく理解していただく」をモットーに、記事を執筆しています。

ページ上部へ移動