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米国株(アメリカ株)の今後(2025年12月)の見通しと11月の振り返り

やさしい株のはじめ方編集部担当:やさしい株のはじめ方編集部

最終更新日:2025年12月5日

米国株市場の2025年11月の振り返りと、2025年12月の見通し、注目イベント、投資戦略についてご紹介します。

本記事のポイントは、次の3つです。

ポイント

  • 11月は主要3指数が高安まちまち
  • 12月は底堅い推移見通しもFOMC注視
  • 良好な企業業績は下支え

詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。

S&P500の見通しはこちら

2025年11月の米国株(アメリカ株)を振り返り

11月の米国株式市場は「ダウ工業株30種平均」と「S&P500」、「ナスダック総合株価指数」の主要3指数が高安まちまちの展開となりました。

<11月は主要3指数が高安まちまち(11月1日~28日)> 11月は主要3指数が高安まちまち(11月1日~28日)

出典:TradingView

月間ベースではダウ平均が0.3%高と、2017年4月〜18年1月以来となる7か月連続高となりました。S&P500は0.1%高、ナスダック総合は1.5%安です。

S&P500セクター別に過去1か月の騰落率をみると、「ヘルスケア(8.3%高)」や「通信サービス(4.5%高)」、「エネルギー(2.5%高)」の値上がりが目立ちます。一方、「情報技術(IT、6.1%安)」が相場全体の足を引っ張りました。

11月は人工知能(AI)への過剰投資やバリュエーション(投資尺度)の高さに対する警戒感が広がり、これまで相場をけん引してきた高PERのハイテク株を中心に売りに押される場面が目立ちました。

※1 PERは「Price Earnings Ratio」の略で、日本語では「株価収益率」と呼ばれます。株価が1株あたりの利益の何倍にあたるかを示す指標です。PERが高いほど、投資家はその企業の将来性や成長性を高く評価していると考えられます。

一方、ヘルスケアやエネルギー、生活必需品といった出遅れ銘柄は相対的に底堅い展開となりました。米連邦準備理事会(FRB)高官の発言を受け、月末にかけて12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ機運が高まったことは相場を下支えしています。

米連邦政府機関の一部閉鎖が史上最長の43日間続いたことを受け、労働市場をはじめとする経済環境や景気の先行き分析に大きな支障をきたしましたが、12日に閉鎖が解除されたことでいくつかの経済指標を確認できました。

20日に発表された9月の雇用統計では、非農業部門の就業者数が前月から11万9,000人増と、市場予想の5万人を上回りました。

<非農業部門就業者数の推移(千人)> 非農業部門就業者数の推移(千人)

出典:米労働省

ただし、7月および8月分が下方修正されたほか、失業率は約4年ぶりの水準に高まるなど、まちまちの内容だったことから、利下げ判断の決め手には欠けました。

25日に発表された9月の米小売売上高は前月比0.2%増と、4か月連続でプラスを維持したものの、市場予想をわずかに下回りました。

小売全体は依然として底堅く推移していますが、スポーツ・趣味用品(2.5%減)や衣料品(0.7%減)など、トランプ関税に伴いインフレの影響を受ける品目も散見されます。

米労働省は、政府閉鎖の影響により10月分の消費者物価指数(CPI)のデータを調べられなかったと発表しました。ただし、CPIの代替指標となる民間データ(オープンブランド、プライススタッツ)では、10月のインフレ鈍化が示唆されています。

FRBが19日に発表した10月28~29日のFOMC議事要旨では、政府閉鎖の影響で経済データが乏しい中、参加者の間で意見の隔たりが目立つ内容となりました。

月の下旬にはFRB高官から12月会合での利下げに慎重な姿勢を示す発言が相次ぎましたが、一方でFOMCで常に投票権を持つニューヨーク連銀のジョン・ウィリアムズ総裁が12月の利下げを示唆したことから、利下げ期待は急速に高まっています。

2025年12月の見通し

12月の米株市場は堅調な企業業績を背景に底堅い展開になると予想します。12月9~10日のFOMCで市場の想定通り、追加利下げが実施されれば米株式市場にとって追い風となるでしょう。ただし、追加利下げ観測が高まるなかで利下げが停止されれば、米株市場は一時的に不安定な値動きになると予想されます。

米主要企業の2025年第3四半期決算は総じて良好なものとなりました。

11月21日時点において、S&P 500構成企業の95%が決算を発表するなか、そのうち83%の企業の1株あたり利益(EPS)がポジティブサプライズとなりました(出所:ファクトセット)。過去10年間の平均である75%を上回っています。

2025年第3四半期のS&P 500採用企業のEPS成長率は13.4%と、4四半期連続で2桁成長を達成する見込みです。9月末時点では7.9%だったことから、アナリストの利益見通しを上回る力強い成長を遂げていることがわかります。

2025年第4四半期は7.5%、2026年第1四半期は12.2%、同年第2四半期は13.3%、2025年通期は11.8%、2026年通期は14.2%と予想されています。

<S&P500採用企業のEPS成長率見通し> S&P500採用企業のEPS成長率見通し

出典:ファクトセット

企業業績が今後も堅調に推移していけば、株高を後押しする大きなドライバーの1つとなるでしょう。

S&P500構成銘柄の予想PER(12か月フォワード)は21.5倍と、過去5年の平均である20.0倍、過去10年平均の18.7倍と比較して割高感があります。企業業績は2025年、2026年と2桁成長が続く見通しであり、業績拡大を踏まえるとバリュエーションの割高感は薄れるでしょう。

投資戦略、注目イベント

12月最大の注目イベントは12月9~10日に開催予定のFOMCです。

10月、11月の雇用統計は12月16日、11月のCPIは一部の品目のみ12月18日に公表する予定であり、12月のFOMCまでにそれらのデータが間に合わなくなりました。データが欠損し、参加者の間で意見に隔たりがあるなか、FOMC後のパウエルFRB議長がいかなる発言をするかも注目です。

市場では12月会合での利下げ観測が高まっています。米金利先物の値動きから金融政策を予想する「CME FedWatchツール」によると、12月のFOMCで政策金利の引き下げ確率は86.4%です(11月28日時点)。

<FedWatch(2025年12月FOMC)> FedWatch(2025年12月FOMC)

出典:CME Group

アノマリー(経験則)的には12月は株高となる傾向です。12月のクリスマス後から新年の1月にかけて株高となりやすい「サンタクロースラリー」というアノマリーがあります。

1928年から2025年7月までの長期ヒストリカルデータでみると、10月から12月まで3か月連続で値上がりしており、良好な株価パフォーマンスを期待できそうです。

<S&P500の月次パフォーマンス(1928年~2025年)> S&P500の月次パフォーマンス(1928年~2025年)

出典:ヤルデニリサーチ

足元ではウォール街のストラテジストの間で強気ムードが広がりつつあります。

JPモルガンは米国株に対する慎重な見方を撤回し、2026年末までにS&P500が7,500に達するとの見通しを示しました。堅調な企業業績やFRBの利下げが追い風になるとみています。UBSやモルガン・スタンレー、ドイツ銀行なども2桁の値上がりを見込んでいる状況です。

米国株は2025年末および1年後にかけて値上がりが見込まれており、好業績銘柄の押し目を拾う、仮に大きな押し目がなかった場合には時間を分散して買うのが引き続き有効な戦略となるでしょう。

主要経済指標の発表スケジュール
日付 指標名 補足
12月4日 ISM製造業景況感指数 製造業の景気感を示す
12月5日 ADP雇用統計 民間雇用の先行指標
12月6日 ISM非製造業景況感指数/チャレンジャー人員削減数 サービス業・雇用動向
12月8日 ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値) 消費者心理の動向
12月9~10日 FOMC(米連邦公開市場委員会) 政策金利の決定
12月16日 10月・11月雇用統計 政府閉鎖の影響で遅延
12月18日 11月CPI(消費者物価指数) 一部品目のみ公表
12月26日 カンファレンス・ボード消費者信頼感指数 景気の先行指標として注目

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まとめ

2025年12月の米国株市場は、堅調な企業業績と利下げ期待を背景に、安定した動きが続くと見込まれます。特にFOMCでの政策判断が注目されており、利下げが実施されれば株式市場にとって追い風となる一方、見送られた場合には短期的に不安定な値動きとなる可能性もあります。

企業の決算は好調で、S&P500構成企業の多くがポジティブサプライズとなるなど、ファンダメンタルズは堅調さを維持しています。将来のEPS成長率も2桁が見込まれており、バリュエーションの高さは相対的に解消されるとの見方も広がっています。

年末にかけては「サンタクロースラリー」といった季節性のアノマリーも意識されやすく、過去の傾向からも12月は上昇しやすい月です。ウォール街でも強気な見通しが増えており、2026年に向けた米国株の上昇余地に期待がかかります。

投資戦略としては、好業績銘柄の押し目買いや、短期的な調整に備えた時間分散投資が有効です。FOMCをはじめとする経済指標の発表スケジュールを把握しつつ、冷静な対応が求められる局面といえるでしょう。

やさしい株のはじめ方編集部

この記事の執筆者

やさしい株のはじめ方編集部 

FP2級や証券外務員二種、日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)を持つ複数のメンバーが「株初心者の方に株式投資をわかりやすく理解していただく」をモットーに、記事を執筆しています。

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