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米国株(アメリカ株)の今後(2025年11月)の見通しと10月の振り返り
米国株市場の2025年10月の振り返りと、2025年11月の見通し、注目イベント、投資戦略についてご紹介します。
本記事のポイントは、次の3つです。
ポイント
- 10月は3指数揃って最高値更新
- 11月も底堅く推移する見通し
- 米中対立の緩和期待や堅調な企業業績が下支え
詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
2025年10月の米国株市場を振り返り
ダウ工業株30種平均とS&P500、ナスダック総合株価指数の主要3指数がいずれも、先月に引き続き史上最高値を更新しました。
<10月も3指数揃って最高値更新(10月1日~31日)>
出典:TradingView
月間ベースではダウ平均が2.5%高と、2018年以来の6か月連続高となりました。S&P500は同2.3%高、ナスダック総合は4.7%高です。
S&P500セクター別に過去1か月の騰落率をみると、「情報技術(IT、6.7%高)」や「ヘルスケア(3.1%高)」、「通信サービス(3.0%高)」の値上がりが目立ちました。一方、「素材(4.9%安)」や「不動産(2.7%安)」などは軟調な展開となります。
10月は大半が雇用情勢の悪化に伴う追加利下げ期待が相場を下支えしました。月半ばからスタートした2025年第3四半期決算が総じて良好な内容であったことが株高につながったほか、月末にかけて米中対立の緩和期待も投資家心理の支えとなりました。
月初より米連邦政府機関が一部閉鎖されたことを受け、市場では代替となる民間データに注目して労働市場をはじめとする経済環境や景気の先行きを分析している状況です。
1日に発表された9月の全米雇用リポートにおいて、非農業部門の雇用者数は前月比3万2,000人減と市場予想(4万5,000人増)に反して減りました。
<ADP雇用統計(千人)>
出典:ADP
24日に発表された9月の米消費者物価指数(CPI)は総合およびエネルギーと食品を除くコア指数が市場予想を下回りました。
<米CPIの推移(%)>
出典:米労働省
労働市場の減速が鮮明で関税の影響が一時的なものになるとみられるなか、10月最大のイベントとなった米連邦公開市場委員会(FOMC)では、政策金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利を0.25%引き下げられました。利下げは2会合連続になります。
<2会合連続で引き下げられたFF金利(%)>
出典:セントルイス連銀
パウエルFRB議長は次回12月のFOMCでの利下げを「既定路線ではない」と発言しました。トランプ関税に加えて政府機関の経済データを確認できないなど不確実性が高まっていることから、パウエル氏は政策運営の柔軟性を持たせるべく、利下げに慎重な発言をしたと考えられます。
市場では12月会合での利下げをほぼ完全に織り込んでいたため、米株市場は一時売りに押される場面が見られました。米金利先物の値動きから金融政策を予想する「CME FedWatchツール」によると、12月のFOMCで政策金利の引き下げ確率は7割弱と、1か月ほど前の9割超から低下しています(10月31日時点)。
<FedWatch(2025年12月FOMC)>
出典:CME Group
2025年11月の見通し
11月の米株市場は米中対立の緩和期待や堅調な企業業績を背景に引き続き底堅い展開になると予想します。
ミクロ面では10月半ばより米主要企業の2025年第3四半期決算がスタートしました。
10月31日時点において、S&P500構成企業の64%が決算を発表するなか、そのうち83%の企業の1株あたり利益(EPS※1)がポジティブサプライズとなりました(出所:ファクトセット)。過去10年間の平均である75%を上回っています。
※1 EPSとは、「Earnings Per Share」の略で、企業の「収益力」と「成長力」を評価する際に使われる指標の1つで、1株あたりの利益がどれだけあるのかを示すものです。基本的に数値が高いほど企業の収益力は高いとみることができます。
2025年第3四半期のS&P500採用企業のEPS成長率は10.7%と、4四半期連続で2桁成長を達成する見込みです。9月末時点では7.9%だったことから、アナリストが利益見通しを上方修正していることがわかります。
2025年第4四半期は7.6%、2026年第1四半期は11.8%、同年第2四半期は12.8%、2025年通期は11.2%、2026年通期は14.0%と予想されています。
<S&P500採用企業のEPS成長率見通し>
出典:ファクトセット
2025年通期および2026年通期は2桁成長で利益が拡大していく見通しです。堅調な企業業績が株高を後押しする大きな要因の1つとなるでしょう。
S&P500構成銘柄の予想株価収益率(PER、12か月フォワード)は22.9倍と、過去5年の平均である19.9倍、過去10年平均の18.6倍と比較して割高感があります。企業業績は通期でみると2桁成長が続く見通しであり、業績拡大によりバリュエーション(投資尺度)の割高感は薄れるでしょう。
注目イベント、投資戦略
5日には米連邦最高裁がトランプ関税の合憲性を巡る口頭弁論をおこなう予定です。一審の米国際貿易裁判所は大統領権限の逸脱を認定し、二審の連邦巡回区控訴裁判所も一審の判断をおおむね支持しました。最高裁では判決の時期も言及される可能性があります。
トランプ政権側の敗訴が確定した場合、これまで徴収した関税は還付することになるため、関連したヘッドライン(ニュースの見出し)によって市場が不安定な値動きになる可能性があるでしょう。
パウエル氏はFOMCメンバーの間で12月の利下げに対する考えの隔たりが大きいと指摘しました。依然として政府機関の一部閉鎖が続くなか、追加の利下げ機運が高まるか否か、入手できるデータを丹念に確認していく必要があります。
政府機関の閉鎖が続く場合、今後も民間データが注目されるでしょう。ADP雇用統計や米調査会社カンファレンス・ボードが月次でまとめる消費者信頼感指数、米サプライマネジメント協会(ISM)の景況感指数などが市場では活用されています。
アナリストのボトムアップ分析によると、S&P500の12か月後の目標株価(中央値)は7,664.13と、10月31日終値の6,840.2と比較して12%の値上がり余地があります。セクター別では素材、通信サービス、不動産などがボトムアップの目標株価と終値の差が大きなものとなっています。
<S&P500業種別のボトムアップ目標株価と終値の比較(10月31日時点)>
出典:ファクトセット
アノマリー(経験則)的にみても、10月から12月は株高が続く傾向にあります。
1928年から2025年7月までの長期ヒストリカルデータでみると、10月から12月まで3か月連続で値上がりしており、良好な株価パフォーマンスを期待できそうです。
<S&P500の月次パフォーマンス(1928年~2025年)>
出典:ヤルデニリサーチ
米国株は2025年末および1年後にかけて値上がりが見込まれるなか、好業績銘柄の押し目を拾う、仮に大きな押し目がなかった場合には時間を分散して買うのが有効な戦略となるでしょう。
経済指標としては、政府機関の一部閉鎖が続いていることから確認できるデータが限られています。
| 日付 | 指標名 | 補足 |
|---|---|---|
| 11月4日 | ISM製造業景況感指数 | 製造業の景況感を示す民間指標 |
| 11月5日 | ADP雇用統計 | 民間による雇用市場の速報データ |
| 11月6日 | ISM非製造業景況感指数 | サービス業の景況感指標 |
| 11月7日 | 雇用統計 | 注目度の高い労働市場指標 |
| 11月13日 | 米消費者物価指数(CPI) | インフレ動向を確認 |
| 11月14日 | 小売売上高 | 個人消費の勢いを測る指標 |
| 11月20日 | FOMC議事要旨 | 利下げに関する議論内容に注目 |
| 11月26日 | カンファレンス・ボード消費者信頼感指数 | 民間による消費者心理の把握 |
| 11月27日 | PCEデフレーター | FRBが注視する物価指標 |
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まとめ
2025年10月の米国株市場は、主要3指数がそろって史上最高値を更新するなど、引き続き堅調なパフォーマンスを示しました。雇用の軟化やインフレ指標の鈍化により、利下げ期待が相場を支える構図となりました。
11月の見通しも、堅調な企業業績や米中対立の緩和期待を背景に、底堅い展開が続くと考えられます。S&P500採用企業の業績は通期・四半期ベースともに2桁成長が見込まれ、株高の下支え要因となっています。
一方で、政府機関の閉鎖や政策の不透明感、トランプ関税を巡る最高裁の判断など、リスク要因も残されています。今後は、民間経済指標やパウエル議長の発言などにより、利下げの方向性が左右される可能性があります。
季節的にも年末にかけては株高の傾向が強く、投資戦略としては好業績銘柄への押し目買いや、時間を分散した投資アプローチが有効といえるでしょう。













