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米国株(アメリカ株)の今後(2024年10月)の見通しと9月の振り返り

最終更新日:2024年10月2日

米国株市場の2024年9月の振り返りと、2024年10月の見通し、注目イベント、投資戦略についてご紹介します。

本記事のポイントは、次の3つです。

ポイント

  • 9月の主要3指数揃って値上がり
  • 10月も底堅い展開に
  • ソフトランディング期待や堅調な業績見通しが下支え

では、詳しく見ていきましょう。

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2024年9月の米国株市場を振り返り

9月の米国株式市場は「ダウ工業株30種平均」と「S&P500」、「ナスダック総合株価指数」の主要3指数が揃って値上がりしました。特に、ダウ平均とS&P500は月末にかけて連日で史上最高値を更新する展開が続きました。月間ベースでは、ダウ平均が前月比2.3%高、S&P500は同2.7%高、ナスダック総合は3.1%高になります。

<ダウ平均は5か月連続で値上がり>出遅れていたダウ平均にマネー流入(年初来)

出典:TradingView

今月も、大型ハイテク株から他のセクターへ投資マネーがシフトする「セクターローテーション」が続いている状況です。S&P500セクター別の騰落率を見ると、「一般消費財・サービス(8.4%高)」や「公益(7.1%高)」の値上がりが目立ちました。一方、「ヘルスケア(0.7%安)」や「金融(0.4%安)」は値下がりしています。

9月には、8月米消費者物価指数(CPI)の前年同月比の伸びが前月から鈍化したほか、8月小売売上高は3か月連続で市場予想を上回る伸びを示し、米経済のソフトランディング(軟着陸)観測が高まりました。米連邦準備理事会(FRB)が注目する8月個人消費支出(PCE)も市場予想を下回っています。

<CPIの推移(%)>出遅れていたダウ平均にマネー流入(年初来)

出典:米労働省

9月最大の注目材料であった「米連邦公開市場委員会(FOMC)※1」では、「0.5%」の大幅利下げを決定しました。多くのエコノミストが想定していた通常の0.25%の倍となる下げ幅であり、サプライズとなりました。

※1 FOMC(エフオーエムシー)とは、米国の金融政策を決定する会合のことです。日本日銀金融政策決定会合にあたります。

<4年半ぶりの利下げされたFFレート(%)>4年半ぶりの利下げされたFFレート(%)

出典:セントルイス連銀

併せて、FOMC参加者のFFレート予想である「ドットチャート」や経済見通しも公表されています。2024年末の政策金利は参加者の中央値で4.4%です。年内11月と12月の残り2回の会合で、通常の利上げ幅である0.25%の2回分の利下げが予想されています。

<FOMC参加者は24年末までに2回の利下げを予想>FOMC参加者は24年末までに2回の利下げを予想

FRBのデータを基に筆者作成

ただし、FOMC参加者の間で0%から0.75%まで予想がわかれたことに加え、より積極的な利下げを見込む市場とのギャップもあります。パウエルFRB議長は30日に行われた講演で「利下げを急ぐような状態ではない」と述べました。今後発表される雇用・物価指標を引き続き注視する必要があるでしょう。

2024年10月の見通し

2024年10月の米国株式市場の見通しとしては、景気のソフトランディング期待や堅調な業績見通しを下支えに底堅い展開を想定します。

米アトランタ連銀が9月27日に更新した経済指標から米実質国内総生産(GDP)を予測する「GDPナウ」では、2024第3四半期の成長率が3.1%と、米経済は良好さを保っている状況です。

企業業績面に目を転じると、今月第2週より主要企業の2024年第3四半期の決算発表がスタートします。9月20日時点におけるS&P500構成銘柄の同期の1株あたり利益(EPS※2)成長率は4.6%と、5四半期連続で増益となると見込まれています。

※2 EPSとは、「Earnings Per Share」の略で、企業の「収益力」と「成長力」を評価する際に使われる指標の1つで、1株あたりの利益がどれだけあるのかを示すものです。基本的に数値が高いほど企業の収益力は高いと見ることができます。

S&P500採用企業のEPSを通年で見ると、2024年に10%、2025年には14.9%の伸びが見込まれており、企業業績は好調と言えるでしょう。

< S&P500採用企業のEPS 推移(ボトムアップ方式、ドル)> S&P 500採用企業のEPS 推移(ボトムアップ方式、ドル)

出典:ファクトセット

注目イベント、投資戦略

今後のFRBによる政策動向を探る上で、引き続き物価や雇用指標に注目です。特に、FRBの軸足が雇用に移りつつある中、雇用関連指標に市場の関心が集まっています。

雇用関連の経済指標としては、2日の9月ADP雇用統計、4日の雇用統計、3日・10日・17日・24日・31日と各週で発表される新規失業保険申請件数、30日の10月ADP雇用統計などが挙げられます。

特に、失業率については8月が4.2%でしたが、FOMC参加者による予想では2024年末に4.4%(中央値)になる見込みであり、注視する必要のある指標の1つです。雇用関連の市場が悪化すれば、FRBが再び大幅利下げをするとの観測が高まるでしょう。

<失業率の推移(%)>失業率の推移(%)

出典:ファクトセット

米金利先物の値動きから金融政策を予想する「CME FedWatchツール」によると、9月29日時点における11月のFOMCで0.5%の大幅利下げを見込む確率は5割を超えています。

<FedWatch(2024年11月)>FedWatch(2024年11月)

出典:CME Group

その他の経済指標としては、1日のISM製造業景況感指数、3日のISM非製造業景況感指数、9日のFOMC議事要旨、10日のCPI、17日の小売売上高、30日の国内総生産(GDP)速報値、31日の個人消費支出(PCE)などの発表が予定されています。

足元では「マグニフィセントセブン※3」のような巨大テックからより広範囲の銘柄へとセクターローテーションが進んでいます。利下げ局面では「ディフェンシブ銘柄」が選好される傾向にある中、物色の矛先が広がる展開が続くか注目です。

※3 マグニフィセント・セブンとは、GAFAM(アップル、マイクロソフト、アルファベット、アマゾン・ドットコム、メタ・プラットフォームズ)と呼ばれる主要5銘柄に、エヌビディアとテスラを加えた7銘柄を指します。

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まとめ

9月の米国株式市場は、引き続きセクターローテーションの流れが続きました。S&P500セクター別の騰落率を見ると、「一般消費財・サービス」や「公益」の値上がりが目立ちます。

FOMCで0.5%の大幅利下げが決定され、米消費者物価指数(CPI)や8月小売売上高の結果が市場予想より良かったことから、米経済のソフトランディング観測が高まりました。

10月の米国株式市場は、景気のソフトランディング期待や企業業績の好調な見通しから引き続き底堅い展開が予想されます。今後発表される物価や雇用指標に引き続き注目です。

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