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米国株(アメリカ株)の今後(2024年9月)の見通しと8月の振り返り
最終更新日:2024年11月6日
米国株市場の2024年8月の振り返りと、2024年9月の見通し、注目イベント、投資戦略についてご紹介します。
本記事のポイントは、次の3つです。
ポイント
- 8月の主要3指数揃って値上がり
- 9月は底堅い展開に
- 9月の利下げを見込む確率は「100%」
では、詳しく見ていきましょう。
2024年8月の米国株市場を振り返り
8月の米国株式市場は「ダウ工業株30種平均」と「S&P500」、「ナスダック総合株価指数」の主要3指数が揃って値上がりしました。月間ベースでは、ダウ平均が前月比2.0%高、S&P500は同2.6%高、ナスダック総合は1.2%高になります。
<ダウ平均は4か月連続で値上がり(8月)>
出典:TradingView
8月2日に公表された7月分の雇用統計において、失業率が想定外に上がったことを受け、米国株は一時急落しましたが、リスク回避の動きは長続きしませんでした。
その後に発表された7月の米消費者物価指数(CPI)がインフレの鈍化傾向を示すものとなったほか、7月の小売売上高は市場予想以上に伸びたことなどにより、過度な景気不安は後退しています。
<CPIの推移(%)>
出典:米労働省より引用
米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が8月23日、国際経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」で「政策を調整すべき時が来た」と発言し、9月にも利下げに踏み切る姿勢を示したことも相場を下支えしました。
<8会合連続で据え置きのFFレート>
出典:セントルイス連銀より引用
今月に利下げを開始すれば、新型コロナ禍に緊急利下げした2020年3月以来「4年半ぶり」となります。
先月に引き続き、人工知能(AI)関連銘柄から物色に広がりが見られました。半導体大手エヌビディア(NVDA)を筆頭とする大型ハイテク株が主導した株高に変化が見られ、「セクターローテーション」が起こっています。
S&P500セクター別の騰落率を見ると、「金融(3.4%高)」の値上がりが目立ったほか、「素材(2.5%高)」や「鉱業(2.3%高)」といった景気敏感株も良好な値動きとなりました。一方、相場をけん引してきた「コミュニケーションサービス(1.0%安)」と「情報技術(IT、0.8%安)」は値下がりしています。
2024年9月の見通し
2024年9月の米国株式市場は、利下げ観測や景気の軟着陸(ソフトランディング)期待を下支えに底堅い展開を想定します。
市場はすでに9月のFOMCで「100%」利下げがおこなわれると見込んでいる状況です。米金利先物の値動きから金融政策を予想する「CME FedWatchツール」によると、8月30日時点における9月のFOMCで利下げを見込む確率は「100%」となりました。
<FedWatch(2024年9月)>
出典:CME Groupより引用
1回の利下げ幅を「0.25%」とすると、2回に相当する「0.5%」の利下げを見込む確率も3割ほどになります。
企業業績面に目を転じると、8月16日時点でS&P500構成銘柄のうち93%の企業が2024年第2四半期決算を終える中、1株あたり利益(EPS※1)は79%の企業が予想を上回りました。
※1 EPSとは、「Earnings Per Share」の略で、企業の「収益力」と「成長力」を評価する際に使われる指標の1つで、1株あたりの利益がどれだけあるのかを示すものです。基本的に数値が高いほど企業の収益力は高いと見ることができます。
同日時点におけるS&P500構成銘柄の2024年第2四半期の利益成長率は前年同期比10.9%と、2021年第4四半期以来の高水準となります。企業業績は堅調と言えそうです。
注目イベント、投資戦略
9月の最大の注目イベントは、9月19日に発表される「FOMC政策金利」でしょう。
実際に利下げが行われることを前提にして、市場では「0.25%」の引き下げ予想が大勢を占めていますが、FRBが大幅利下げに踏み切るかの否か、利下げ幅にも注目です。
さらに、政策金利や物価見通しなどに関する当局の姿勢を推し量る上で、19日のFOMC参加者による四半期に1度の経済見通しも重要でしょう。
投資の待機資金にあたる「MMF※2」は、2024年第1四半期時点で約6兆4,400億ドル(940兆円)と、史上最高水準に積みあがっています。2024年に複数回の利下げが見込まれる中、堅調な値動きが予想される株式に一部の資金が流れることも期待できます。
※2 MMF(エムエムエフ)とは、国債やレポ、コマーシャルペーパー(CP)など安全性の高い運用をおこなう投資信託です。
<MMF資産残高の推移(百万ドル)>
出典:セントルイス連銀より引用
FOMC前に発表される6日の雇用統計と11日のCPIも注目です。特に、雇用統計に関しては前回の下振れが景気不安と株価の急落を招いたことから、市場の関心が高いイベントになります。
その他の経済指標としては、3日のISM製造業景気指数、17日の小売売上高、27日の個人消費支出(PCE)などの発表が予定されています。さらに、10日には共和党のトランプ氏と民主党のハリス氏によるテレビ討論会も控えています。米大統領選は株式市場に大きな影響を及ぼすため、市場でも関心が高まっている状況です。
「マグニフィセント・セブン※3」のEPSの伸び率が鈍化し、2024年第4四半期にはS&P493(S&P500除くM7)の伸び率が逆転する見込みです。
※3 マグニフィセント・セブンとは、GAFAM(アップル、マイクロソフト、アルファベット、アマゾン・ドットコム、メタ・プラットフォームズ)と呼ばれる主要5銘柄に、エヌビディアとテスラを加えた7銘柄を指します。
<M7およびS&P500除くM7)のEPS伸び率の推移>
出典:ブルームバーグを基に筆者翻訳(出所はJPモルガン・アセット・マネジメント)
投資先が大型ハイテク株に偏っていましたが、ESP伸び率の差が縮まることで、良好な業績を上げる他のセクター・銘柄にも物色の矛先が広がる展開が続くことが見込まれます。
まとめ
8月の米国株式市場は、先月に引き続き巨大テック株だけでなく、景気敏感株や出遅れ株にも投資物色の広がりが見られました。 S&P500セクター別の騰落率を見ると、「金融」だけでなく「素材」や「鉱業」といった景気敏感株の値上がりも目立ちます。
好調な要因として、7月のCPIや小売売上高の結果が予想より良かったことが挙げられます。市場では、9月のFOMCで利下げがおこなわれるとすでに見込んでいる状況ですが、大幅利下げに踏み切るかどうかの「利下げ幅」にも注目です。
9月の米国株式市場は、利下げ観測や企業業績が好調に推移していることから、引き続き底堅い展開が予想されます。










