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米国株(アメリカ株)の今後(2025年6月)の見通しと5月の振り返り
米国株市場の2025年5月の振り返りと、2025年6月の見通し、注目イベント、投資戦略についてご紹介します。
本記事のポイントは、次の3つです。
ポイント
- 5月は主要3指数そろって大幅高
- 6月もトランプ関税を巡って一喜一憂する展開に
- 好業績銘柄に選別投資する流れも続く見通し
詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
2025年5月の米国株市場を振り返り
2025年5月の米国株式市場は「ダウ工業株30種平均」と「S&P500」、「ナスダック総合株価指数」の主要3指数がそろって大幅高となりました。
<5月は主要3指数がそろって大幅高(過去1か月(4月30日~5月30日))>
出典:TradingView
月間ベースでは、ダウ平均が前月終値比3.9%高、S&P500は同6.2%高、ナスダック総合は9.6%高です。S&P500およびナスダック総合は2023年11月以来の値上がり率となります。
物色の矛先はディフェンシブ株からハイテク株に回帰し、ハイテク株比率の高いナスダック総合は4月8日の安値から20%超値上がりして「強気相場」入りしました。
S&P500セクター別に過去1か月の騰落率をみると、「情報技術(IT、13.8%高)」や「通信サービス(11.0%高)」などが大きく値上がりしています。一方、「ヘルスケア(5.2%安)」と「エネルギー(1.0%安)」は軟調な展開となりました。
5月は米国と世界各国の貿易交渉が進展し、トランプ関税による混乱や米景気後退(リセッション)への懸念が和らいだことが投資家に好感され、リリーフ・ラリー(安ど感からの相場高)が続きました。
8日には米英が関税交渉で合意し、10〜11日に開いた米中協議後の共同声明で米中両政府が高関税の引き下げ合意を発表したことを受け、米株へのリスクオン(選好)姿勢が強まります。25日にトランプ大統領が欧州連合(EU)に対する追加関税の発動時期の延長を表明したことも、投資家心理の改善につながりました。
5月に発表された米雇用統計や米消費者物価指数(CPI)、個人消費支出(PCE)物価指数など「ハードデータ」は総じて、トランプ関税による景気後退やインフレ懸念を強める内容とはなりませんでした。これらの経済指標は概ね米国経済の底堅さを示すものであり、投資家に一定の安心感を与えています。
<底堅さを保つ米雇用環境(千人)>
出典:米労働省
<CPIは鈍化傾向(%)>
出典:米労働省
これらの経済指標の発表を受け、早期の利下げ観測は遠のいている状況です。
米連邦準備理事会(FRB)は7日に開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を3会合連続で据え置きました。政策金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標は4.25〜4.5%で維持されます。
<高止まりするFF金利>
出典:セントルイス連銀
経済の不確実性が高止まりする中、景気悪化と物価高が同時に進む「スタグフレーション」に陥るリスクが懸念されている状況です。物価の鈍化傾向や底堅い雇用環境を背景に、FRBのパウエル議長は利下げを急がない姿勢を崩しませんでした。
市場の利下げ予想を確認すると、米金利先物の値動きから金融政策を予想する「CME FedWatchツール」では、5月30日時点において6月のFOMCで政策金利の据え置きを見込む確率は約95%、7月も7割強に上ります。
<FedWatch(2025年6月)>
出典:CME Group
今後、トランプ関税による雇用や物価への影響が鮮明化してくる可能性があるなか、9月のFOMCで0.25%以上の引き下げを見込む確率は約75%になります。
FRBによる早期利下げ観測がしぼむほか、米財政不安の問題も重なるなか、米10年国債利回りは高止まりしている状況です。
<米10年国債利回り(%)>
出典:セントルイス連銀
大手格付け会社ムーディーズ・レーティングスが16日、米国の信用格付けを最上位の「Aaa(トリプルA相当)」から「Aa1(ダブルAプラス相当)」に引き下げました。22日にはトランプ減税の延長を含む大型法案を可決したことを受け、財政悪化への懸念が強まっています。
過去2年ほどは米長期金利が4.5%超へと高まると株価の上値が重くなる傾向がみられました。さらなる金利高はハイテク主導で回復している米株式相場に水を差しかねず、金利動向も注視する必要があります。
2025年6月の見通し
6月の米株式市場は、先月に引き続きトランプ関税を巡って一喜一憂する展開となるでしょう。
マクロ面では第2次トランプ政権(トランプ2.0)の関税政策を巡り、相互関税に関する各国との交渉に加え、半導体や医薬品など品目別の関税措置の導入に伴う不確実性が続く見込みです。米裁判所によるトランプ関税差し止め請求の行方も見守る必要があります。
相互関税の上乗せ部分およびEUへの50%関税の発動は7月9日まで一時停止もしくは延期するとともに、米中が関税引き下げで合意したなか、各国との関税交渉にさらなる進展がみられるか注目です。
関税を取り巻く情勢が二転三転するなか、トランプ大統領の政策発表や言動に振り回され、米株式市場は値動きの荒い展開が続くでしょう。トランプ氏は5月30日に「中国は我々との合意を完全に破っている」と批判しており、高関税を再び発動するリスクがくすぶっています。同日には海外から輸入する鉄鋼・アルミニウム製品にかける追加関税を50%に引き上げるとも表明しました。
ミクロでは多くの米主要企業が2025年第1四半期の決算発表を終えています。
5月30日時点においてS&P500構成企業の98%が2025年第1四半期決算を発表するなか、1株あたり利益(EPS※1)は78%がポジティブサプライズとなり、5年平均の77%を上回りました。
※1 EPSとは、「Earnings Per Share」の略で、企業の「収益力」と「成長力」を評価する際に使われる指標の1つで、1株あたりの利益がどれだけあるのかを示すものです。基本的に数値が高いほど企業の収益力は高いとみることができます。
2025年第1四半期のS&P500採用企業のEPS成長率は13.3%増と、2四半期連続で2桁成長を遂げる見通しであり、足元の企業業績は総じて底堅さを維持している状況です。
ただし、トランプ関税やインフレ懸念を背景に、2025年第2四半期の予想EPSについては、アナリストが過去の平均を大幅に上回る下方修正をおこなっています。
第2四半期のボトムアップ予想EPSは、4月と5月の2か月間に4.0%減りました。通常、アナリストは四半期の最初の2か月間で利益予想を引き下げますが、過去10年間の平均引き下げ率である2.5%を上回っています。
2025年通期でみても、2024年末から5月29日までにボトムアップ予想EPSは3.5%減りました。こちらも過去10年間の平均である2.3%を上回る引き下げ率です。通信サービス(+2.3%)が唯一、予想EPSが引き上げられています。
S&P500構成銘柄の予想株価収益率(PER、12か月フォワード)は21.3倍と、過去5年の平均である19.9倍、過去10年平均の18.4倍と比較してやや割高な水準です。
投資戦略、注目イベント
トランプ関税による経済および市場の不確実性が高止まりするなかでは、関税の影響を受けにくい、もしくはトランプ2.0の政策に合致した事業を展開する好業績銘柄に選別投資する動きが続くでしょう。
足元までは関税政策に翻弄されていますが、トランプ2.0下において今後は減税や規制緩和など成長を後押しするための政策に軸足をシフトしていく可能性があります。
さらに、米中が関税の大幅引き下げで合意したことを受け、複数の金融機関がS&P500の目標株価を引き上げました。例えば、ゴールドマン・サックスは5,900から6,100に、米調査会社ヤルデニ・リサーチは6,000から6,500に上方修正しています。
中国など貿易相手国との関税交渉の行方が見通せないなかでは、ファンダメンタルズ※2がしっかりした好業績銘柄に投資マネーが向かうでしょう。
※2 ファンダメンタルズとは国や企業などの経済状態を表す指標のことで、「経済の基礎的条件」と訳されます。企業の場合は、売上高や利益といった業績や資産、負債などの財務状況が挙げられます。
経済指標としては、以下の発表を控えています。
日付 | 指標名 | 補足 |
---|---|---|
6月2日 | ISM製造業景況感指数 | 製造業の景況感 |
6月4日 | ISM非製造業景況感指数 | サービス業の景況感 |
6月6日 | 雇用統計 | 雇用者数・失業率など |
6月11日 | 米消費者物価指数(CPI) | インフレの注目指標 |
6月17日 | 小売売上高 | 個人消費の動向 |
6月19日 | 米連邦公開市場委員会(FOMC) | 金融政策の決定会合 |
6月27日 | PCEデフレーター | インフレを測る重要指標 |
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まとめ
2025年5月の米国株市場は、トランプ関税を巡る不透明感が和らいだことや堅調な経済指標を背景に、主要3指数がそろって上昇しました。特にハイテク株への物色が強まり、ナスダック総合は「強気相場」入りとなりました。
6月も関税政策の行方やFOMCをはじめとする経済イベントに市場が反応しやすい展開が続く見通しです。企業業績はおおむね好調ですが、第2四半期以降のEPS見通しには下方修正の動きも見られ、慎重な見極めが求められます。
投資戦略としては、関税の影響を受けにくい業種や好業績銘柄への選別投資が引き続き有効です。今後の政策動向や経済指標を注視しながら、柔軟な対応が求められます。